第五十四回 シャン(シャッガイの昆虫)ってなぁに?

【初めに】


 以前からリクエストがあったシャッガイの昆虫についてお話したいと思います。

 ただこれ、情報量が無さすぎて語れるほどの内容が無いし、調べて話そうとしても結局のところ森瀬先生の『クトゥルー神話解体新書』における「シャッガイの昆虫族」の項目以上のことを話せないぞ……と悩んでいました。それはそれとして基本的なところだけはまとめていくのでよろしくおねがいしますね。


【シャッガイの昆虫】


 シャン、という名前はそもそもTRPGの方でつけられた名前です。最初に描写された『妖虫Insects from Shaggai』では、シャンという単語はなかったです。

 そもそも昆虫という単語もあくまで見た目の特徴がそれらしいから名付けられていると言うだけです。

 触覚はまだしも、手足が十本という時点で本来の昆虫の定義からは外れるし、羽が鱗に覆われているというのも虫じゃなくて翼竜みたいな状態になってますからね。

 さらに非常に残忍な性質を持ち、拷問が娯楽なので、こういうところも昆虫というよりもっと上位の知的生命体らしさがありますね。昆虫は徹底的に合理性で動きますからね。蟻とかは死にかけの他の虫を生かさず殺さずで体液を吸い続けることが有るんですが、それだって他の虫からだけとれる滋養を目的としている訳ですから。

 昆虫たちは光合成で生きているので栄養を必要としません。単純に自らの美意識のもとに娯楽を求めているだけなのです。


【昆虫の歴史】


 初め、この昆虫たちはシャッガイと呼ばれる森に囲まれた星で暮らしていました。この星は二つの緑の太陽に囲まれていました。この星で彼らは巨大なピラミッドを築き、他の星から生き物をさらってきては娯楽に興じ、アザトースを崇め、残酷な行為を楽しむ堕落しきった精神性の持ち主となっていたそうです。

 それから、おそらくはグロース(https://kakuyomu.jp/works/1177354054880900124/episodes/1177354054892212443)と思われる旧支配者の影響でシャッガイは滅びます。

 わずかな生き残りが近くの惑星ザイクロトルに逃げ延び、その惑星に住んでいた部族を奴隷とします。惑星ザイクロトルでは奴隷にした種族の信仰する宗教に関わるトラブルが起き、二百年ほどで退去することになります。ざっくりというとザイクロトルたちの奴隷の神を調査した結果、危険そうだぞとわかったからですね。そして更に良い土地を求めてサゴンへ、ここも正体不明の危険生物に襲われて死体の山を積み上げることになります。

 結局、彼らは天王星へと流れ着きました。

 天王星に住んでいた種族の一部が血腥い昆虫たちのアザトース信仰に目覚め、また昆虫たちの一部が天王星における信仰に目覚めたことでまたもトラブル発生。

 こうして彼らは地球、イギリス、ゴーツウッドの森へと流れ着きます。しかし、ここで捕まえられたのは魔女カルトにイカれる怪しい人間たちだけだった為、真っ先に警戒されて森の外からでられなくなってしまったのです……。



【昆虫の能力】


 ざっくりと言えば超能力です。記憶の伝達、念動力、ESPとPKの両方が使えます。

 瞬間移動や念動力などのPKは大規模で、神殿の建造や神殿の移設などにも使われています。

 ESPの方は記憶の伝達や意識の操作などに使われていますが、頭の働きや精神が強い相手への洗脳は失敗しやすく、ザイクロトルでの奴隷作成ですら反抗すると不快感を与える装置の補助でやっていたくらいなので、いまいちうまく行っていない印象ですね。

 これらの能力は作中でも力を合わせることで増幅をしている描写があり、数が減るほど能力が落ちているのではないかと推測されます。緊急時に神殿の装置で補助されて脱出した後、奴隷を使うようになったのも、脱出後に残った数ではろくにPKは使えなかったからだと推測されます。

 洗脳に関しても、時代を追うごとにうまく行かなくなっている節があり、ESPも同じ事情があったのではないかと考えています。


 ある種の神経信号を増幅して超能力を行使していると仮定すれば、その信号の発信元である虫たちが多ければ多いほど信号は強くなり、現象としての超能力も強くなると考えられます。電池の直列つなぎでパワーが出るあれです。数が足りなくなって一気にジリ貧になっていったのではないでしょうか。

 彼らに必要なのは移住じゃなくて子作りだったのかも知れません。

 いや、アザトースを崇めている時点でなにかこうそもそも間違っている連中なので詰んでいる気はしますが。


【最後に】


 三が日もついに終わりです。

 嫌だ。出勤したくない。

 弱った心にシャッガイの昆虫は迫ってきます。

 皆さんも気をつけてください。僕も負けないように頑張ります。

 納得のいく良い職場、どっかにないもんでしょうかね……。闇からの囁きに耳を傾けたくなります。


 それでは次回までくれぐれも皆さんは闇からの囁きに耳を傾けぬように。

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