第十九回 グロースってなぁに?
【はじめに】
国試と卒論が終わったと思ったら、仕事が殺人的に忙しく、息抜きのTRPG以外もうなんにもできねえ日々が続いています。今日は久しぶりに休日らしい休日がとれたので執筆です。本当はポケモンもやりたいけどマジで小説書けなくなるので駄目です。封印です。
そんなことより第七版だよ!!!!!! COC第七版!!!!!!!!1 コービットを殺せ!!!!!!!!!! 軽率にコービットを殺していけ!!!!!! 戦闘ルールの改定により戦闘特化キャラが貫通武器を持つメリットが非常に大きいので、的確に殺せ!!!!!!! 神話生物は囲んで殺せ!!!!!! 今まではショットガン派でしたが、ライフルで男の魂を熱り立てたいですね。
さて、今回取り上げる邪神はグロース。地球で眠りに落ちる神々を呼び起こす凶星の如き外なる神。雌伏の時を過ごしている私自身の趣味で選ばせてもらいました。それでは始まり始まり。
【グロースってなぁに?】
まずはこれですね。
知らない方の為にかの神の概要を説明しましょう。
巨大な惑星と同等のサイズを持つ神であり、普段は宇宙を飛び回りながら世界を滅ぼして回っています。邪神の中でも最大級の存在ですね。
そんな巨体の割りに存在が地味? 確かに。けど惑星と言っても大小ありますし、恒星と違って自ら輝くわけでもないので、潮の満ち引きとかで重力の変動を観測できるくらいの距離まで近づかれないと分からないのでしょうね。そして近づいた時には大絶滅が確定しているので記録もそんなに残らない。
おのれグロース! お前のせいでこの世界まで破壊されてしまった!
世界を滅ぼす方法は単純で、自らが放つ歌によって眠っている神々を起こすだけ。起こすだけ起こしたら別の宇宙へ飛び立ちます。通りすがるな。頼むから来ないでくれグロース。
【ほろびのうた】
クトゥルフ神話TRPGの公式シナリオにグロースの歌について取り扱ったものがあります。「天球の音楽」と呼ばれる現代アメリカ舞台のシナリオです。森瀬先生の「ゲームシナリオのためのクトゥルー神話辞典」では未訳として紹介されておりますが、出版当時とは少々情勢が変わりまして、既にバッチリ翻訳されて日本語でも楽しめるようになっています。勿論僕も既に手に入れていたのでこちらの内容を踏まえて紹介させていただきます。
さっき「重力の変動や星星の運行を確認しないといくらでかいグロースでも宇宙の中で見つけるのとか難しいよね」と言ったな。アレは嘘だ。
というのも「天球の音楽」でテーマとして取り上げられるのは電波天文学。宇宙から放たれる無数の電波を受信して、はるか宇宙の彼方で起きる星の動きを探ることができるんです。いくら離れていようとグロースのような奇怪な動きと電波を発する存在は当然捉えられます。クトゥルー神話の世界において、ほぼ最悪の世界破壊系学問ですね。神話世界で気軽に深淵を覗きに行くな。
このシナリオでは本来ならば地球に影響を及ぼさない程の遠くで放たれていたグロースの歌(電波)を観測し、記録したことがトラブルの原因です。ここではグロースの歌が記録されることで力を持ち、研究所の人間や周囲の天候に破壊的な影響をもたらしています。面白いのがこのシナリオでは世界中で神々が活性化しているところで、プレイヤー的には「俺たちがんばらないと世界がヤバい!」ってモチベーションを上げることができるし、プレイヤーキャラ(特に継続PC)的にはSANチェックの機会がちょっとだけ増えるので面白いんですよね。シナリオ集全体の中でも高難易度大規模シナリオに位置するシナリオなので、キャンペーンのクライマックスかその一歩手前に配置してみても良いかもしれません。
ともかく大事なのは可能な限りグロースと関わらないことです。それを知覚してしまえば、かの神の影響は容赦なくあなたの周囲に降り注ぎます。グロースのそれは通常の深淵の知識と異なり、観測した者たちの周りに居る何も知らない人々さえ巻き込み、取り返しのつかない破壊を巻き起こします。しかもかなり初期の段階で、まだグロース側が観測に気づいていない時でさえ、深刻な被害をもたらすのです。サイズのみならず危険度においても最大級の邪神と言えるでしょう。
【信仰】
Q.こんな神信仰する奴らとか居るの? 頭おかしいの?
A.居るよ。狂信者だぞ。
別に電波天文学の発展を待つまでもなく、大航海時代に発達した天文学や中世に体系化した占星術、日本だと陰陽道など、星を見る技術は世界中に存在しました。加えて、今以上に神々の存在を拒否感なく受け入れられた当時の人々は、不規則な動きをする危険な星の存在を理解しています。
ネメシスと呼べばみなさんもおわかりではないでしょうか。復讐の女神だの、大絶滅をもたらす惑星だの、凶星だの、創作を摂取していればきっと必ず見ているはずです。グロースはあのネメシスと同一視されているので、案外人類には身近なんですよ。
実際にラムゼィ・キャンベルがイギリスのゴーツウッドを舞台にして、グロースを信仰するカルトを描いています。
イギリスの外でも、名前を変えて形を変えてこういったカルトが存在していてもおかしくはありません。大規模な世界の破壊を演出するためにこういうカルトに在野の達人が居て、そいつが渾身の大儀式行ってるとかしてても良いですよね。それに気づいた様々な勢力や探索者が必死で止めにかかっても良いですし。
ちなみにCOCにおける記述ではグロースは自らの崇拝者たちが住む場所に特に目を向けるそうです。やはり邪悪な狂信者共は余計なことしかしませんね。見つけ次第、殺しましょう。
【魔導書における記述】
このように神話的には結構な上位存在のグロースですが、これについて確実に記述している魔導書は少ないです。確実なのはグラーキの黙示録、それにTRPGだとネクロノミコンくらいでしょうか。外なるもの、あるいは外なるものども、と呼ばれる超希少な魔導書にも記述はあることになっていますが、正直な所これは私も詳しく知りません。多分どっかの公式シナリオに出てるんじゃないかなあと思っているんですが、知っている方が居たらお願いします。
ゲーム的には全ての魔導書に低確率で記載されていることになっているのですが、なんでしょうねそのレアドロップ扱い? 格好いいな? ちなみにグラーキの黙示録にはむき出しの内蔵や眼球の塊として挿絵が描かれています。
【外見】
どの媒体でも錆をイメージする赤みがかった球体として描写されているものの、少しずつ描写が変わります。具体的にはラムゼィ・キャンベルの小説とTRPGで違いますね。更に小説内部でも魔術書の挿絵と望遠鏡で目視した人の発言で異なっています。
◯挿絵:内蔵や眼球の巨大な塊
◯目視:コブで覆われた赤錆の球体(地殻の下に煌めく青白い海のようなものが瞳を開くようにして現れる)
◯TRPG:灰・ガス・溶融した鉄の球体(小説と同様に海のような瞳を保持する)
◯エンサイクロペディア・クトゥルフ:黒い球体で赤い瞳を持つ。目立ちたくないときは瞳を閉じる。
君だけのグロースで差をつけろ!
概ね球体で赤っぽければなんとかなるぞ!
それで巨大な破滅を招けば完璧だ!
【最後に】
最近の話です。TRPGをやってて親しくなった友人が、僕の尊敬するとある作家さんと会ってきたって話を聞かされて、感情がぐちゃぐちゃになったんですよね。羨ましすぎて口から泡を吹き出すレベル。そんな友人から「その作家さんの作品について、しぃるさんと語った話もしたよ~」とか言われのでちょっと語彙力が著しくやられたオタク化待ったなしですよね。ちょっとこのこれこの思い浮かばない言葉が、その作家さんに認識してもらえていたのもめちゃくちゃ嬉しいんだけど。ともかく生きていると何が起きるかわからないものです。これ以上は具体的に話せないけどともかく生きててよかったなあと思いました。人生辛くても偶にこういう風に良いことがあるもんです。俺は不屈の騎士、何時かの笑顔まで絶対に諦めない……。そういえばリュウソウジャー、歴史に残る退場回でしたね。あのタイミングでアレやると思わないじゃん。
さて、それでは次回また会う時までにくれぐれも闇からの囁きに耳を傾けないように。
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