戦場、あるいは故郷

作者 シャル青井

9

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★★ Very Good!!

地方都市の出身者として、開拓されていく街の景色を思う。
慣れ親しんだ商店街はシャッター街に変わり、オセロの盤面が塗り替わるように、市場原理と巨大な資本が街の姿を変えていく。
美しく便利で清潔に生まれ変わった故郷の、その恩恵に与かりながらも、彼の心には失くした景色への郷愁が燻っている。

理不尽な暴力に曝されて、この世界から失われた人間のことを思う。
長い時間を経てもなお、彼女の心には失くした人の姿が残り続けている。
死体のような己を自覚しながら、彼女は、理不尽と対峙し生きていく。

門津市を襲う異形の怪物・フライ。
フライと戦うヒーロー、ポインターと名付けられたものたちの戦う理由は、ひとつではない。
磨り潰された無数の命への哀惜に包まれた地方都市は、人間でなくなってしまったものたちが、それぞれの信念を抱えて臨む戦場だった。

変わっていくものを懐かしみ、悼み続けたとしても、そこに留まることはできなかった。
変わらないものはこの世界に何一つ存在しなかった。
それでも変わらない何かをずっと抱えたまま、廃墟の街で戦い続けるポインターたちの、物語の続きを想像する。

★★ Very Good!!

カミヤ編が先頭にあった頃から読んでいた者です。あのカミヤくんが超強くなって出てくるのは、驚きと微笑ましさがありましたね。シマノ編4話で「おっ」と思う展開になり、続きが非常に気になるのですが、カミヤ編に入ったのでそこへ戻るまでしばしの間。次の更新はいよいよ事の真相が明かされるのかな? と期待しております。
徹底して感情を削ぎ落としたドライな文章が特徴的。Portalでハカイジュウで進撃の巨人で仮面ライダーで、と面白い要素が詰まった本作、これからどんな調理を見せてくれるのか楽しみです。