第2話

「おはよう白虎院。今日もギリギリだったみたいね」

君は朝、必ずそう言う。そして僕も朝、君の言葉にいつもながらこう返す。

「おはよう咲紀。ギリギリアウトだけどな」

知ってて言ってるの、そう言いながら優しく笑った。つられて僕も、心の底から笑った。


−1時間目

「先日行った校内テストを返却します」

教室の空気が一気に重くなり、皆んなの顔が一瞬にして強張った。

今回は睡魔に負けたからダメだったろうな、自分の点数を客観的に予測して解答用紙の配布を静かに待った。


「何点だったの?」

無言で全ての解答用紙を机に広げた。君の目は絶対見なかった。見れなかった、が正しい表現だろうか。

「24、98、16、20、28…?」

君がどんな顔をしているのかは分からない。分かりたくない。

「あ、あの咲紀。咲紀さん…?」

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。

「あのさ、白虎院」

0コンマ数秒の速さで床に正座した。


この先、どれほどの説教をうけたか…そんなこと、言うまでもない。

一通り説教して落ち着きを取り戻した君は、信じがたい事実を僕に告げる。

「赤点四つ。追試確定だからね」


−放課後

「それでは、始め!」

中年のおっさん教師のダミ声が教室中に響いた。






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君に殺される。そんな日々 すず @suzu_ino

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