君に殺される。そんな日々
すず
第1話
−あの夏の日、僕は「君」に殺された。
例年よりも遥かに暑い今日を迎えた。一歩踏み出すたび、汗が滴り落ちる。日はジリジリと僕を焦がし、アスファルトの熱が足によく伝わってくる。こんな忌まわしい夏には早く立ち去ってほしいものだ。
「あぢぃぃ」
自宅から僕の通う桜塚第一高校までの通学路には緑並公園がある。緑並公園には時折、小学生が水浴びしてるのが目に入る。小さい頃は無邪気で、心底羨ましく思う。僕の童心はどこへ飛んで行ってしまったのか…。
背後から、駆けてくる人影があった。
「のんきに歩いてても構わないけど、このままじゃ遅刻するわよ?」
すれ違い様に「君」は僕にそう言って、一瞬にして追い抜いて行った。しばらく唖然としていた僕は、授業開始の鐘が響いたのに焦り、不恰好に走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます