大きなルタバガ? みんなおいでよ! デミウルゴス農園?

大きな西洋蕪ルタバガ?  【byナザリック風味?】


   著 ティトゥス・アンナエウス・セクンドゥス

   企画協力 デミウルゴス


    実行役 復活のヤルダバオトデミウルゴス


      発行 アッシュールバニパル魔童書房



   ・・・   ・・・   ・・・



ナザリック地下大墳墓・第六層


「・・・収穫の時期はもう少しか・・・」


 デミウルゴスは、うとうととまどろむリュートを腕に抱き、語り掛け始めた。


「ククク・・・楽しみは、もうすぐそこだよ」 【笑


 時を遡る頃、数ヶ月前・・・



   ・・・   ・・・   ・・・



 デミ小父さんは第六層でピッキーをたぶらかして畑の一角を借り受け、ニタリとした甘い笑顔で大きな声で笑いながら小さなルタバガの種子を蒔いて行った。


 そして、材料不詳の秘薬を混ぜ込んだ栄妖剤おくすりジャウロ・・・・で万遍なく撒いていた。



   ・・・   ・・・   ・・・



 手間暇を惜しまずに部下に才甲し付けたお陰か、小さいが沢山のルタバガと、一際大きな大きなルタバガが出来あがった。

 小さいとはいえ、大きさは大人の頭を優に上回る大きさを誇るだろう。

 一際大きなものは、見えている所だけでオーガの頭程の大きさを誇るだろう。


「やあやあ、これは良い出来だ」


 うんとこどっこいしょ、うんとこどっこいしょと、デミ小父さんは悪怖蕪おおかぶを収穫しようとしましたが、大きすぎて一人では抜くことができません。


 そこでデミ小父さんは、近くにいたアウラさんを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。


「うんとこしょ、どっこいしょ」

 おおかぶをデミ小父さんが引っぱって、デミ小父さんをアウラさんが引っぱって、それでもおおかぶは抜けません。


 そこでアウラさんは男の娘なマーレさんを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。

「うんとこしょ、どっこいしょ」


 それでもかぶは抜けません。

 そこで男の娘なマーレさんは何時もは居ぬいない ルプスレギナさんを呼んできて、ルプスレギナさんはねこ =虎の衣餡ころもっちもち作を被ってお昼寝中だったリュートくんを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。


「うんとこしょ、どっこいしょ」「うんとこしょ、どっこいしょ」

 おおかぶの葉をデミ小父さんが、デミ小父さんをアウラさんが、アウラさんを男の娘が、マーレさんをルプスレギナさんが、ルプスレギナさんをリュートくんが後ろから スカートを引っぱって、一列になって抜こうとしますが、それでもおおかぶは抜けません。


 ・・・それはそうでしょう、ルプスレギナさんはスカート・・・・を引っ張られておちおち力を入れられませんから、わうわう慌ててます。

 何時もと立場が逆転した大慌てなルプスレギナさん、わうわう焦ってます。


 それでいよいよ最後にはリュートくんがねずみなハムスケを呼んできて、手伝ってもらうことにしました。

 リュートくんはルプスレギナさんの細い腰にしがみ付き、ハムスケはリュートくんの腰に尻尾を回して引っぱります。


「うんとこしょ、どっこいしょ、うんとこしょ、どっこいしょ」

 それでもオオカブは抜けません。

 しっかりつかまっていても危ないからと、つい手加減をしたハムスケの所為?

 しっかりとルプスレギナさんの柳腰にしがみ付いたは良いが、足が地に着かないリュートくんも踏ん張って頑張っても余り意味は有りませんし、リュートくんは重石となってルプスレギナさんが踏ん張る助けとなる事しか・・・ どう考えても戦力外


 どうしたものか、どうしてだろう? と皆で悩んでいると、おずおずと男の娘が言いました。


「あ、あのぉ、その、もしかしたらデミ小父さんがカブを踏み付けてるからじゃぁ・・・」

「「「「そ、それだ~!」」」」

「???」リュート

 良く分かっていないリュートは、一人だけ小首を傾げています。


 という事で、一番リーチ2~30m程の長いハムスケの尻尾を蕪葉カブハに絡め、その尻尾をリュートくんが掴み、リュートくんごとその尻尾をルプスレギナさんが抱え、ルプスレギナさんを男の娘マーレさんが引っぱり、マーレさんをアウラさんが引っぱり、アウラさんをデミ小父さんがどうやって引っ張ればいいか、ちょっとセクハラになるんじゃないかと躊躇している内に、あら不思議、簡単に引き抜く事が出来ました。


 ───そうして、ようやく悪怖蕪主オオカブヌシ引きぶっこ抜くことができました。



   ・・・   ・・・   ・・・



 大きな大きなルタバガは、栄妖剤おくすりのお陰でとてつもなく元気に火を噴いた?

 そう、悪怖蕪主は栄妖剤=悪薬おくすりのお陰で元気な悪役あくやく妖怪変化モンスターに育っていたのです!


 悪怖蕪主の周りを縦横無尽に飛び交う蕪は、デミ小父さんが連れて来た曳羊罪えいようざいとか言うののかぶりカブリと咬み付いた!

 すると、どうした事でしょう!?

 頭であった所が蕪で覆われた様に蕪と化し、彫り込まれた貌はニタリとした笑みを浮かべたではありませんか!


 するとデミ小父さん、仮面を被って宣言します。


「さあ、悪霊祭ホロウィーン仮面武灯会マスカレイドを始めようじゃないか!」



   ・・・   ・・・   ・・・



悪霊祭ホロウィーン仮面武灯会マスカレイド

 ヤルダバオトナザリック発祥の怖祭おまつり

 悪霊ホロウと化した悪怖蕪主ジャック・オー・ランターンと戦って灯りを消しさる怖祭おまつり

 ジャック・オー・ランターン =火を吹いたカブランタン【=反逆者の芽】を葬る怖祭おまつり

 ナザリックに敵対しない良い子であるなら、倒した数のお菓子が貰える ・・・かも?

 ナザリックに敵対する悪い子であるなら・・・ ニグレドに追われ彷徨い続ける夢を見る かも?


 この後、倒されたジャック・オー・ランターンは家畜の羊の餌として、有効活用されるのだとか・・・

 一部の面々は、これも美味とばかりに美味しく頂いたとか・・・


 なお、極稀に生き残ったジャック・オー・ランターンは地に帰り、赤い赤い蕪=ビーツという名の作物になったとか・・・ ナイナイ、大嘘

 ホラ、切ると真っ赤な汁がおびただしく流れるそれは、怖祭の名残だとか・・・ 事実無根です



邪雨髏ジャウロ =スプリンクラー?

 デミウルゴス開発=通称・フライングスカル

  手の骨を翼とし、空ろな眼窩から滂沱ぼうだの涙を零しつつ彷徨う髑髏ドクロ

  何でも、余っていたモノを無駄なく再利用リサイクルして作り上げたとか。

  【滂沱の涙=雨が降りしきる様】



栄妖剤えいようざい =悪薬

 妖しく栄える悪薬

 あらゆる存在を悪役化させる? =堕落の種の劣化量産品

  無機物でも素質想像力が有れば・・・モンスター化



曳羊罪えいようざい

 【=牧場で羊を率いた反乱羊の罪名】



この戦いで、悪怖蕪主を倒したリュートは、園丁ガードナーの職業レベルを得たとか。


園丁ガードナー

 様々なスキルを包括する特殊職

 様々なスキルを包括するが、職能としての補助サポート力:加増ボーナスは弱いらしい?

  職能:植物特効・園芸道具各種取り扱い

   園庭特化=多種多様性・小規模・発見と採取にボーナス

  あとは自前の身体能力と各種特殊装備で補います。

  デミ小父様製の悪薬おくすりとか、乗妖車モンスタートラックとか?


農夫ファーマーとの違い

 大規模な作付、収穫量の増大、作業量の省力化など、多方面で顕著な差が生じる。

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