瑞々しい恋心や戸惑いが過不足なく表現され、いつの間にか感情移入してしまう作品。音に注目しているのも魅力的なポイントになっており、主人公の名前の使い方もうまいなと思いました。
長さもちょうどよく、各話の内容のバランスも申し分なし。誤字脱字がなくて快適に読めるという点も高評価ポイントです。

思春期の男の子の背伸びとか、ひたむきさ、それゆえに盲目的になってしまう部分。その全てが飾らない文章で表現されていてすごい！！
6話という短い中でひとりの男の子が恋をして、成長していく様を無理なく見せられる描写力……素晴らしいと思います。

年の差恋愛もの。

年上の相手を一途に思うが故に周りが見えてない、よくある話ですが、この作品はその一途な思いをリアルに表現している素晴らしいものです。そしてその一途さによる幼さを自覚したことにより、一段大人への階段をのぼるその成長ストーリーは読んでいて心に響いてくるものでした。その後の二人というか、将来の二人の様子をもっと詳しく知りたいと思える内容でしたね。

そして文章もそうですが構成もなめらかであり、スルスルと読むことができる作品です。テンポよく読めるので、気がついたら読み終わっていたくらい。小説としてもなかなかいい作品ではないでしょうか。

これは人に勧めたくなる作品ですね。面白かったです。

年上の好きな人の為に背伸びした。
でも子どもだからできていたことがあった。力になっていたことがあった。
思いを込めた言葉はきっと届く。

ふんわりキュンキュンするお話でした。
ちいちゃん先生がかわいくて好きになるのは無理ないなぁと。
こんな教師と生徒もいいですね。

ほとんど小説は視覚がメインの文章だけど、この物語の音に対する拘りは必見だ。文章を読んで絵が浮かぶのは珍しくないが、音が声が聞こえてくる小説は数が少ない。この物語は、その数が少ない一つである。

　国語教師の幼馴染みとの恋の話なんですが、
　国語教師という設定、ヘッドホンという物のチョイス、
　幼馴染みが教師になった理由、
　そして、主人公の子供っぽさと前に進もうとする決意、
　これらのものが上手く絡み合い、心地良い読後感をもたらしてくれます。
　作者の方のセンスの良さを感じました。
　もっと評価されて良い作品だと思います。