異能バトル、の一言では片付けられない、素敵な作品です。
まず、バトルシーンが素晴らしい。非常に緻密に練られており、異能に頼り切るのではなく、その能力を踏まえた上でいかに活かすか、いかにして戦うかがきっちりと描かれています。
主人公達は決して「最強」ではありません。
成長途中・発展途上であったり、衰えが見えてきていたり。得手不得手もあり、戦いに不向きな者もいます。
しかし、そんな彼等が真っ直ぐに一点を見つめ、持てる力の全てをぶつけてゆく様は胸に来るものがあります。
また、キャラクターひとりひとりが非常に魅力的です。
それぞれに人生があり、その上に成り立っている個々の性格。
物語に動かされているのではなく、物語の上に立っている。
全体的にハードなお話ですが、一度読み始めれば夢中になってしまう。そんな小説です。
とっても面白い作品です。
暴力的シーンが苦手な方には少しおすすめするのは気が引けますが、それも描写のリアルさ、上手さ故。
文章力も語彙力も非常に高く、キャラクターの性格も突き抜けていて、また個性がブレずにしっかり描かれているのですぐに見分けがつくようになります。
内容はタイトルの通り、法では裁けない人間達を、闇で裁くダークヒーローのお話です。
細部まで作り込まれた設定や白熱のハラハラドキドキ戦闘シーン。
話のジャンル的には私も少し似通ったものを書いていますが、こりゃ負けたなーと思わざるをえません。
あまり書きすぎるとネタバレになりますので、これくらいにしておきますが、とにかく面白いのでみなさん読んでみてください。