「字が読めない」
というテーマからよくぞここまで話を膨らませたなと思いました。私にはできません。他の人にもできないと思います。こういう原作の細かい部分に気付きを得て、あれこれ話を広げていくのが二次創作の醍醐味ですよね。まるで、原作の外伝を読んでいるかのようでした。
教養のある作者様なのでしょうか。語学の話がきちんと出て来て、(冠詞とか)話にも奥行きが出ていました。
特に素晴らしいな、と思ったのはギャリーというキャラクターです。この物語の核を担っている存在です。人としては最低ですがかっこよさがあります。死に際もまた闇に生きるものっぽい。
構成として、「ホーマみたいなスラムの人間は馬鹿だ。自衛するなりすればいいのに」と言ったギャリーが結局死に、生き残ったホーマが「自衛とかしてがんばろ」と自らを覆っていた透明な殻を破るシーンに感動しました。
もうひとつの、駄犬が書かれた著作も拝見しました。今作にも言えることですが、読者が気付かなかった「息づいているオーバーロード」の世界を描くのが大変巧いなと思います。作者様の二次創作は「オーバーロードという世界はちゃんとあって、生きているんだな」と思わせてくれます。オバロ好きとしては、うきうきしてしまいます。
いつも更新楽しみしています。