原発ピグミー

作者 D坂ノボル

59

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★★★ Excellent!!!

主人公の女性は、原子力発電所の社員で、上司の命令を受けて放射能に汚染された町に生息しているという謎の生物を確認するため、廃墟の病院に防護服に身を包んで潜入します。

そこで待ち受けていたおぞましい生物。
次第に明かされていく恐ろしい事実。

何よりも話の展開の仕方が実にうまいのです。
伏線となる情報が少しずつ描写され、それが逆転に次ぐ逆転につながる快感を味わえます。

題材があまりに現実に起こった災害に迫りすぎていて、書籍化は難しいと思われますがエンターテイメントとしては商業的なレベルを凌駕しています。

埋もれさせるには惜しい一作でした。

★★★ Excellent!!!

まずこれを一通り読んで、衝撃を受けた。『カクヨムにもこんな本格的なバイオ系ホラーがあるのか』と。
誰も存在し得ない場所に棲む謎の生物、その裏にある思惑、様々なものが渦巻く中、驚愕の真実へと辿り着いていく。
この作品を書くに当たって、物凄い情報量が注ぎ込まれているのを感じた。題材にもインパクトがある。
絶望的な場面へと追い詰められる主人公や、変化していく状況に目が離せない作品です。是非読んでみてほしい。

★★★ Excellent!!!

舞台、隠れ家、制限時間、責任――
彼女の両肩に乗った、多重の因果への理解が深まるにつれて、肥大化する恐怖心。
画面越しの自分ですら、圧迫されるようなこの息苦しさと焦燥感に、思わず喘いでしまった程です。
閉塞感を強いられる防護服もいい味を出しているように思えます。
踏まえる要素の全てを用いて恐怖を煽ろうとする作者さんの気概には感服いたしました!
情景にも力を入れているので、廃墟にフェチズムを覚える方にも洩れなくオススメです!
ではまた来ます。本日もお疲れ様です!

★★★ Excellent!!!

ホラーはこのようにまず謎があるべきなのだ。
迫り来るゾンビや夜を脅かす狼男と吸血鬼なんてのはホラーかもしれないけれど、剣をバールに、魔法を銀の弾丸に置き換えたアクションRPGにしか見えない。主人公がつよくてこわくない。
正体不明の「何か」が怖くて足が竦みそれでも目的のために進まねばならぬところに逃げられない恐怖がある。
SFでありミステリでありそしてホラーである原発ピグミーにとても期待している。