第2話


高校デビュー   男子


今年から高校生。

今までネクラでオタクっぽい雰囲気だったせいか、あまり友達も出来ず、もちろん彼女だっていたことがない。

高校生になったら、彼女作ってまともな生活を送るぞ!!!

と意気込んで、髪型や服装とか色々変えてみた。

友達は増えたけど、結局彼女は出来ないまま・・・

それでも、男同士夏休みとか色々遊べたから楽しいかな。

実際、思っていた高校生活とは違ったけど、中学までのイメージを少しは変えられたかな。

春服が暑く感じる季節になってもこの感じは変わらなかったが、仲のいい友達でよくいくカラオケに行く事が増えた。

これも、成長してる証拠かな。

今日は、仲間内の奴が、女子の友達をつれてくる事になっている。

みんな合コン的なノリで楽しみにしている。

かくいう自分もそうだ。

カラオケでみんな結構盛り上がっている。

歌って盛り上がっている中、気になる子がいる。

その子は歌わず、歌が苦手だから周りの雰囲気を楽しんでいるというが、どうもぎこちないく見えた。

この雰囲気に溶け込む前の自分も、こんな感じだったと思う。

小さく見えたその子が、どうやら歌う事になったようで、曲を選んでいる。

・・・どう見ても、悩んでいる。

というか、悩みすぎてる・・・

助け船という訳じゃないけど、少し前の自分を見ているようで、助けたくなった。

横からのぞいてみると、自分でも知っているような曲を選びながら悩んでいる。

一緒に歌わないか?と聞くと、素直にOKだった。

曲を選んで、一緒に歌う。

ちょっと待て・・・さっきの曲を選ぶときの距離近すぎ。

よくよく考えてみると、俺ってチャラくね・・・

こんなんじゃ彼女出来ないかも。

不安いっぱいの中、曲が流れ出した。

歌いだしから、彼女はやはり苦手なのか不安そうな顔でいたから、ほぼ自分が歌った。

それでも、分かるところだけっぽかったけど、歌っている彼女は・・・うん、可愛い。

歌い終わって、彼女が小声でそっとありがとうと言った。

これは・・・可愛すぎだろ!

でもここで距離をつめすぎると、軽い男と思われてひいてしまうのではないだろうか・・・

彼女がいたことない自分としては、キッカケが難しい・・・

カラオケは盛り上がりの中終了。

とりあえずは、またみんなで遊びに行けるだろうか。

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高校デビュー 風見☆渚 @kazami_nagisa

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