高楼の男
ひたすらに蒼い空に、いくつかの白い雲が浮かんでいる。頬を渡る風も心地よいものだった。
白い土壁と
この入り江からも幾重にも巡った
それで入り江から見たこの
深染の藍のような、そして穏やかな入り江に白い影がある。
それは
三角帆の舟は海船の
この港に入る海船でも三角帆の副船を持つものは少ない。まして大海を長く
伊都の港の
その小さな
……海船の
三角帆の副船は、帆に風を受けて湊を目指している。海船は大きく弧を描きながら
海船が副船の進路に重なり回り込むように入った。副船が海船の影になり、見えなくなる。海船が行き過ぎて再び副船が見えるようになる頃には、かなりのところまで
この
船上に長弓を手にした男が在る。
それを確認して、男は僅かな笑みを浮かべて高楼を降りた。
男には行くところがある。
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