登場人物紹介

登場人物紹介①~ゲッツと彼をめぐる人々

<主人公>


〇ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン

中世ドイツの盗賊騎士。ランツフートの戦いで右手を失うが、鋼鉄の義手をつけて戦場に舞い戻った豪傑。「鉄腕ゲッツ」の異名で知られる。

あちこちの諸侯や帝国自由都市に私闘フェーデをしかけて暴れ回り、たまに敗れて捕虜になることもあったが、その度にしぶとく復活してその生涯を戦いに費やす。後年、ドイツ農民戦争で農民の反乱軍の隊長になった。

ドイツの有名な文豪・ゲーテはゲッツを題材にした戯曲(ゲーテの処女戯曲)を作り、英雄として描かれた鉄腕ゲッツはドイツでは今でも人気だという。

ちなみに、本名はゴットフリートで「ゲッツ」は名前をちぢめた愛称。




<ヒロイン>


〇ドロテーア・フォン・ザクセンハイム

ゲッツの想い人。由緒正しき貴族ザクセンハイム家の娘。美しく、おっぱいがでかい(ゲッツ的にはここが重要)。

荒くれ者のゲッツがたじたじになるほど気が強い。

ゲッツの親友クリストフの許嫁だったが……。




<ゲッツの仲間たち>


〇タラカー

老いた盗賊騎士。ヴェルテンベルク公ウルリヒと争っていた時にゲッツに助けを求め、ゲッツを盗賊騎士の道へと引き入れる。

盗賊騎士としてはかなり悪名高く、シュヴァーベン同盟に目の敵にされた。

出自は貴族らしいが、その本当の正体はゲッツも知らない。


〇ハッセルシュヴェルト

タラカーに古くから従う傭兵。いしゆみの使い手。

冷静沈着かつ用心深い男で、いつもいしゆみに弦を張って持ち歩いており、矢をつがえるだけですぐさま射ることができるようにしている。

タラカーの傭兵隊の中では兄貴分的存在。


〇カスパール

タラカーの傭兵。馬術が巧みで、曲芸じみた馬の乗り回し方ができる。

顔が馬面うまづらのせいか、馬たちからも好かれやすい。

ゲッツに負けないぐらい短気だが、仲間の危機には真っ先に駆けつける頼もしい男でもある。


〇トーマス

ゲッツの家来。ゲッツより三歳年下で、まだ年若い。

下品な主人の影響か、けっこう口が悪くてゲッツに言いたいことを言う(そして、たまにぶん殴られる)。

生意気な態度ばかり取ってはいるが、主人であるゲッツのことは大切に思っている。


〇エッボ

ゲッツに助けられたランツフート付近の農民。冤罪で右足を切り落とされて不自由していたが、ゲッツから鉄の義足を授かる。

ゲッツの傭兵となり、以後は各地の戦場をゲッツに付き従う。


〇ロルフ

ベルリヒンゲン家の刀鍛冶。ゲッツの義手を作る。


〇ラインハルト・フォン・ザクセンハイム

ドロテーアの兄。由緒正しき貴族(ただし、弱い)。

フリッツにさらわれた妹のドロテーアをゲッツに助けてもらう。

ヴェルテンベルク公ウルリヒに仕える。



<ゲッツの家族>


〇キリアン・フォン・ベルリヒンゲン

ヤークストハウゼン城の主。ゲッツの父。すでに他界。

誇り高き帝国騎士で、神聖ローマ皇帝フリードリヒ三世からも信頼されていた。

若い頃に戦場で親友を助けるためにケヒリという凄腕の剣士と戦い、左足を失った。


〇マルガレータ

キリアンの三度目の妻。ゲッツの母。1470年にキリアンと結婚し、フィリップ、ハンス、ハンス・ヴォルフ、ゲッツなど、少なくとも四人の息子を産んだ。


〇フィリップ

ゲッツの同腹の兄。ランツフート継承戦争ではランツフート陣営につき、弟のゲッツとは敵味方になってしまう。


〇ハンス

ゲッツの同腹の兄。フィリップ同様、ランツフート継承戦争でランツフート陣営につく。


〇コンラート・フォン・ベルリヒンゲン

キリアンの従兄弟。シュロツベルク城の主。少年期のゲッツを三年ほど騎士見習いとして預かっていた。すでに他界。

プファルツ伯の代官、ブランデンブルク辺境伯の顧問兼侍従をつとめていた。


〇クンツ・フォン・ノイエンシュタイン

ニーデルンハルの代官。ベルリヒンゲン家の親戚筋だったと考えられるが、詳しくは分からない。

少年時代のゲッツはクンツのもとに一年ほど預けられ、学校に通った。


〇ナイトハルト・フォン・テュンゲン

ゲッツの母マルガレータの兄。ゲッツの伯父にあたる。ゾーデンベルグ城の主。

タラカーとともに盗賊騎士をやっているゲッツを心配している。

ランツフート継承戦争ではゲッツを従え、ミュンヘン陣営に参加。


〇フリッツ・フォン・テュンゲン

ゲッツの母マルガレータの兄。ナイトハルトの弟。ゲッツの伯父の一人。

気性の激しい人間が多かったテュンゲン家の中でも暴れ者として家族から厄介者あつかいされていた。

ゲッツでさえあきれるほどの喧嘩好きで、各地で言いがかりをつけては私闘フェーデを繰り広げていた。

どうしようもない乱暴な盗賊騎士だが、甥のゲッツのことは人並みに可愛いと思っている。

ランツフート継承戦争では兄のナイトハルト、甥のゲッツと共にミュンヘン陣営につく。




<ゲッツの友人>


〇クリストフ・フォン・ギーク

ゲッツの親友。ドロテーアの許嫁。

見習い騎士時代、ゲッツとともにブランデンブルク辺境伯に仕えていた。

1502年のブランデンブルク辺境伯とニュルンベルクの争いでは、ゲッツとともにブランデンブルク辺境伯の陣営で戦う。

しかし、その後、彼には思いもよらない悲劇が待っていた……。


〇イルマ

クリストフ・フォン・ギークの従妹。体が弱く、とても大人しい少女。

クリストフのことを本当の兄のように慕っている。


〇クンツ(コンラート)・ショット・フォン・ショッテンシュタイン

名前がすごく長いが、小説内では「クンツ」。(いちおう、クンツは愛称でコンラートが本名)。

見習い騎士時代、ゲッツやクリストフの同僚だった。

父のルッツが主君のプファルツ選帝侯にホルンベルク城を奪われて以来、不遇をかこっていたせいか、残忍で容赦ない戦い方をする盗賊騎士になった。

クリストフの従妹のイルマに惚れているが……。


〇フランツ・フォン・ジッキンゲン

ゲッツを兄と慕う騎士。プファルツ選帝侯に仕えている。

「騎士とは弱者の味方でなければならない」という信念を持っており、明るく快活な男。

他の貧乏な騎士たちに比べたら財産があり、鉱山開発でさらに金もうけしようとがんばっている。

先見の明もあって鉄砲を大量に購入し、戦場で運用している。

ただし、おっちょこちょいなところがあるのでドジも多い。


〇ヘートヴィヒ

ジッキンゲンの妻。新婚ほやほやで、人前で堂々と接吻する程度には夫婦仲がいい。

ジッキンゲンに城の工事監督を任せられたりなど、夫のパートナーとしてその才能を発揮している。

史実のジッキンゲンが盗賊騎士となって諸侯や帝国自由都市との危険な戦いに身を投じるようになるのは、愛妻ヘートヴィヒを病気で失った後のことである。




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