あとがき
『鉄腕ゲッツ』、これにて完結です。最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
この作品は、実在した鉄腕の騎士ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンを主人公にしていますが、物語の開始時のゲッツにはまだ右手があります。なぜ最初から鋼鉄の義手を出さなかったのかというと、主人公ゲッツが利き手を失うという戦士として致命的な重傷を負いつつも立ち直って鉄腕の騎士として復活する「再生の物語」を書きたかったからです。
作中、ゲッツはクンツに「お前は何のために生まれてきたんだ」と問いかけられます。右手を失ったお前の人生は終わったも同然ではないかと。
打ちのめされたゲッツですが、愛と誇りを取り戻すために再起し、鋼鉄の義手を身に着けて戦場に帰還します。
現代の私たちも、大きな挫折を味わい、自分が信じていた正義や価値観、それに才能を世間に否定され、
「お前の人生、いや、存在そのものに価値なんてないんだ」
というレッテルをはられてしまうことは多々あります。私にもそんな経験はたくさんあります。自分という人間がとても
でも、そのまま心を腐らせてしまっては駄目なんだと思います。
他人に否定され、自分も自身を否定してしまい、そのまま終わってしまう人生なんて悲しすぎる。
欠点だらけでも、他人に劣る部分が多くても、それでも自分には光るものがある。きっと、誇れる何かを持っている。そのことに自分を含めてまだ誰も気づけていないのだ。だから、自分という人間を諦めてはいけない。
再起不能なほどの挫折を味わっても、他人に評価されなくても、命ある限り自分の可能性を信じて生きていかなければいけない。私はそう思うのです。
「俺の人生はまだ終わっていないぞ!」
血反吐を吐きながらも鉄の手で戦い、戦士として再生した鉄腕ゲッツ。私もかくありたい。そして、この小説を読んだ人たちにも人生への希望を持って欲しい。そういう想いを込めながら、物語を書きました。
私の小説はこのカクヨム内で多くの人たちに読んでもらえるような人気作とはなれないでしょうが、完結まで読んでくださった方たちの心にゲッツの不屈の生きざまが刻まれ、ほんのちょっとでも人生の
ここまでお付き合いくださった皆さん、本当にありがとうございざいます。
それでは、またどこかで!
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