目が眩むほどの絢爛さの中で
おそらく一生足を踏み入れることなんてないだろうと思っていた、関西でも指折りの某巨大高級ホテル。その一室で華々しく行われたのは、新創刊の雑誌の説明会でした――
というわけではじまりました外部イベント編第2回目は、出版社さん主催の新創刊雑誌の説明会です。
私が雑誌担当していた1店目での話です。
現在も売られているある女性ファッション誌の創刊前に、書店員向けの説明会が開かれる。ということで、担当として行って情報を仕入れなさいとの命を受け男性の店長と共に会場へと向かいました。
電車に揺られ歩くこと少々。辿り着いたのは、見るもきらびやかな内装に、広々とした通路。客として利用しようと思えばさぞ高額なことだろうと一目で判別できるほどの豪華絢爛さ、大人の雰囲気でした。
そんなところでイベントを開けるなんて不景気といわれて久しいのにバブリーなことだなあと思ってましたら、業界に長くおられた当時の店長さんが――
「昔はもっと盛大に、食事なんかも振る舞うパーティーが開かれていたもんだけど、ずいぶん規模縮小したものだよ」
と述懐されておりました。確かに食事会などの雰囲気ではなかったですね。
出版社だけでなく、書店と出版社を仲介する「取次」さんも昔はよくパーティーを開いていたものだと教えてくださいました。そういう点で業界3位の「大阪屋」(現・大阪屋栗田)さんがなかなか特色あったそうですけれど、そのへんもっと詳しく聞いておくべきだったかもしれません(笑)
ホテルの食事も振る舞われたのならば、それはそれはさぞや頬が落ちたことでしょう。うーん残念!
閑話休題。
ホテルの二部屋をひとつにつなげたようなところだったような気がします。このへんは若干記憶が曖昧ですけれど……
おそらくは関西の広い地域から書店員さん方が集まっていたと思います。
当然ですが、女性ばかりでした。しかも身なりをきれいになさっていた方々ばかり……まあファッション誌の説明会なんですから、それはそうか。
正直ファッションとか興味がほとんどないオタクの私なんかは、かなり場違いと申しますか……勝手に肩身の狭さを感じつつ、出版社さんからの説明を聞いていました。
服なんて着られればユ○クロとかしま○らでいいや、っていうようなヤツがそれなりの期間雑誌を担当していたのですから、世の中わからんものですよね(笑)
私なんかはついつい、しまむらよりも島村卯……いえなんでもないです。
ガンバリマス!
ファッション誌とは若い女性ばかりが読むものという固定観念ゆえ、これまでフォーカスされてこなかったミドル年代の方まで訴求できる雑誌となる。ファッションなんてどうでもいい。そう思い込んでいる人たちをこそ、ターゲットにしているのです――
出版社さんのご説明は確かこういった趣旨だったと記憶しています。おっと、ここまで言ってしまったらなんの雑誌かバレてしまいそうです……!
カンのいい女性読者さまがいらっしゃったら、あっもしかしたら――! と思われているかもしれませんね。
おそらくは雑誌担当にならなければ一生目を通すこともなければ、あのようなホテルに入ることもなかったかもしれないことを考えれば、非常に稀有な体験をさせていただきました。
しかしそれだけに、やはりそこで何か食べたかったですね(しつこい)
果たしてその雑誌は、現在もその出版社さんの中でも重要な一角を占める雑誌となりました。
2店目でも美容院さんから配達を承る際「ViVi」「CanCam」「Sweet」などと共に、だいたい定期購読のラインナップに挙がるような地位に食い込んでいたように記憶しています。
――さて。それでは今回はこのへんにいたしましょうか。
「コミナトさんそれウチのことじゃないですかー困るんですよねー」と釘を刺されない限りは、またお会いしましょう……!(びくびく)
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