定期購読のススメ

 こんにちは。コミナトケイです。

 書店員はよこしまな出逢いを求めてはいけません、お客様と素敵な本の出逢いを演出することこそがお仕事なのですから。

 

 ――などと、無理矢理にキレイに導入してみました。

 

 ……大丈夫? 変なものでも飲んだ?

 はい。なんだか最近はいやに目にゴミが入る気がしますけど私は大丈夫です。


 

 なんだか白々しいことを言っているように見えますが、今回の更新は割とマジでそんなテーマです。


 現在ライトノベルは、それがまだそうは呼ばれていなかった時代も含め、日を追うごとにどんどん商品点数が増えていっている気がします。

 例によってただの体感で、具体的なデータがあるわけではございません、言いっぱなしですみません。


 それは「小説家になろう」さんの隆盛とも相関があるでしょうし、また姉妹誌がいっぱい創刊されるコミック雑誌同様「1点当たりの部数が頭打ちならばとにかく点数を出しまくることで補う」作戦なのでしょう。それについては本筋と外れるので詳述しませんが…… 


 とにもかくにも、おそらくは歴戦のラノベ読みの方々でさえ追い切れないほど次々と刷り上がり続ける作品群。

 私の勤めていたような小さな店だと、残念ながらとてもすべては入荷しきれません。 


 

 そこで熱心なライトノベル読者の皆様に(元)書店員からおすすめさせていただきたいのは、「定期購読」です。

  

 私が在籍しておりました書店においても―というよりはライトノベルの入荷に限界があった小型書店だったからこそですけれども―一部の熱心な方はたびたびご自分が集めておられる本の定期購読を申請しておりました。

 

 あらかじめ申請してくだされば、売り切れる心配もなく確実に商品を入荷させていただくことができます。※

※特典のつく限定版の場合はかなり締め切りが早いですが、それ以外はおおむね発売1か月~2週間前に言ってくださればまず問題ないと思います

 

 入荷しましたらお電話させていただきますので、「あ、それ新刊出たんだ」と買い逃すこともありません。※

※留守番電話での通知、もしくは入荷連絡の有無も選択できます。お店によってはメールでも可

 

 多くのお客さまは、お店のカウンターに足を運んで何かを頼む、という行動そのものに非常に高いハードルを感じておられることでしょう。

 ですがそのあたりはご心配なく。書店としても「確実に売り上げが見込める」ので嫌な顔をなさるところはまずないはずです。

 

 

 またこれは非常に多くの方が抱く不安でしょうけれど――

  

 でも定期購読しちゃうとずっとダラダラ買い続けないといけなくなるじゃないか……

 

 そう感じて二の足を踏む方もいらっしゃるはずです。

 

 ですが、取りに来られた時に一言伝えていただくか、電話でも構いません。

 いつでも定期購読を取り消させていただけます。

 

 いつか詳述させていただくことになるかと思いますが、もう飽きた、お金がもったいない、引っ越しなど諸般の事情で取りに行けないなどの理由で定期を途中でお辞めになる方も多いです。

 やむなく定期購読ができなくなってしまったのならば、それは致し方のないことです。多くの場合は返本がきくので事前に言ってくだされば全く問題なくキャンセルが利きます。※

※ただし、岩波書店さんなどの一部出版社の商品や、特典のある限定版など、一部返品のきかない「買い切り商品」が存在します。そういったものの場合はキャンセルできませんのでご注意下さい

 

 書店側としましても、惰性で無理に買っていただくのも心苦しいですし……

 お客様に取りに来ていただけず、定期保管用の棚にしまわれたままどんどん点数だけ増えていく……という状況が続くよりは、潔くキャンセルしていただいた方がマシだという事情もございますしね。

 

 あれがどこ行っても売り切れてるー! ここもない! あーやっとここで見つけたー!!!

 ――などという書店巡りもまたオツなものではありますけれど……とかく現代はあくせくとせわしないもの。

 商品を探す時間がかけられないという方も多いでしょうから、そんな苦労をしなくてもよいように、あらかじめ贔屓ひいきの書店さんに押さえてもらってはいかがでしょうか?

 

 「定期購読」という機会によって、書店が多くのお客様と出逢うことのできる場となり続けることができれば、それはとても素敵なことだなって。

 いたって真面目に、そう思うのです。

 

 

 また作者さんや出版社さんにとっても、メリットがあります。

 事前予約および定期購読してくださるお客様の数が、新刊の発行部数を決めるうえでの重要な尺度となっていることと思われます。

 予約で入っている注文が多ければ、出版社さんは「ああこの作品ないし作者にはこれだけ売り上げが見込めるんだな」という、高評価へとつながるはずです。

 応援している作品ないし作者さまがおありでしたら、どうか積極的に予約、定期購読してあげてください。

 そういうポジティブな情報は作者にも届くはずで、それが作者さまにとって、文字通り「生きる糧」となるでしょうから。


 

 書店員さんの仕事は増えますけどね!(笑)



 それでは、今回はここまで。

 次回の内容は……未定です!(適当)

 

 割といつもこんな調子です。今回の更新で5万字に到達したことだろうと思うのですが、ネタだけはまだまだたくさんあります。

 こちらのエッセイも、今後とも是非ご贔屓に。

 というわけで、「余計な仕事増やすんじゃねぇ!」とお達しが来なければ、またお会いしましょう。

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