小説原作豊作シーズンも……

 こんにちは。

 なんだかつい最近のように感じられる2015年秋アニメ原作作品――今回はライト文芸やミステリも含んでますが、まずはシーズン全体を振り返りながら、いくつか順に見ていきましょう。


 記憶に新しい方も多いでしょうけれど、この2015年秋シーズンというのは、完全に『おそ松さん』無双。かつての『魔法少女まどか☆マギカ』や『化物語』と肩を並べるほどの驚異的な売り上げを叩き出したようです。

 『ラブライブ!』に加えて、つい最近発売された劇場版が16万枚も売れているという『ガールズ&パンツァー』と合わせて、まさに2010年代を代表する「社会現象」級のアニメといえるでしょう。


 まあ確かにあの伝説となった1話の放送時、正直惰性でテレビつけてたんですけど、あまりのぶっ飛んだ面白さに「なんだこのダークホース!!?」ってなりましたもんねぇ……。しかしそれがまさかああまで流行るとは……



 そんなシーズンではありましたが、実はこの時、いつもにましてライトノベルや小説の原作が多かった、ということも特筆すべきでしょう。

 『すべてがFになる』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』が文芸というかミステリ枠としてあって。

 『物語』シリーズも文庫ではなく私の担当外ではありましたが小説の枠ですね。


 ライトノベルも、前に取り上げた2作に加え……


 『へヴィーオブジェクト』『対魔導学園35試験小隊』

 『ランス・アンド・マスクス』『新妹魔王の契約者テスタメント』(第2期)

 『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』(原作改題)


 さらにライトノベルからのスピンアウト作品である『緋弾のアリアAA』、コミック原作者自らの描き下ろしライトノベルもある『終わりのセラフ』(第2期)も含めれば膨大な数にのぼりました。


 これらの原作をなるべく揃えて、しかも10月中旬の閉店までにさっさと売らなければならない。

 客離れはなるべく最後まで食い止めたいしできるだけ売り切れは避けたいけど、かといって在庫を残してしまうのも……と考えると、実際問題どのくらい取っておけばいいものか、非常に悩んだものです。


  

 作者推しということで、特に『庶民サンプル』と『へヴィーオブジェクト』を推していくことにしました。

 前者の七月隆文先生はベテランのラノベ作家で、なおかつ文芸でベストセラーを出してますし、後者の鎌池先生に関しては言うまでもないでしょう。


 ゲッツ!

 

 コミック版ですみませんけれど『庶民サンプル』はアニメ化の前にも読んでいて、「これ面白いじゃん!」となったことも要員として大きいです。

 本来一迅社さんの文庫はほとんど取り扱いしていなかったのですが、コミック版はかなり前々からしょっちゅう売り切れるくらい好調に動いていたので、原作も入れて大丈夫そうだなあということで、これも賭けで、大々的にやりました。

 

 結果としては、前に取り上げた『アスタリスク』同様の推移でしたね。

 特に『庶民サンプル』については放送が確か13日スタートかなんかだったんですよね……。色々と運が悪い。

 

 閉店までの1週間で完売させるなんていうのは、さすがに厳しすぎました。

 ……最後の最後に、賭けに出て大きく負けてしまった形ですね。


 アニメ原作文庫が豊富にある中で、それを生かしきれず在庫をかさませるだけに終わってしまい、店長さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 ほんとすみませんでした。

 

 『落第騎士』が売れてくれたこと、その前のクールでかなり好調に動いていた『GATE』が放送終了後も売れてくれたこと。

 『アクセル・ワールド』や『ダンまち』外伝などの10月新刊ぶんに関しては好調だったこと……それらがせめてもの救いでしたかね。

 

 あとは『すべてがFになる』は元々が定番作ですから、そのシリーズもそれなりに動いてくれたように思います。


 

 ……ということで。

 非常に長くなってしまいましたが、GWのあたりからお話させていただいていたアニメ化原作についての話題も一段落となりました。

 ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

 以後の更新は『私書店員~』初期のテイストに戻る予定です。

 それではこれにて今回の更新は失礼させていただきます。

 毎度恒例の文句で恐縮ですが、多方面からお叱りの声をいただかない限りは、またお会いいたしましょう。

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