2015年秋
この短い時間に全てをかけて
こんばんは。いよいよアニメ化ライトノベルについて各シーズンごとに掘り下げる第2章も終わりが近づいております。
投稿初期の頃からここまでお付き合いいただいた方々、そして今読み始めたばかりだよという方もありがとうございます。
本来はかなり最後の方にやろうと思っていた隠し玉企画だったのですが、結果として出し惜しみせずやっておいてよかったのかなと思っております。
いや、そんな私の事情などはどうでもよいですね。
ここからは2015年10月から放送が開始された秋アニメの原作展開の話に移らせていただきます。
といっても、私の勤めていた書店はこの年の10月中旬に閉店しております。
なので、この時期にスタートしたアニメ原作については売り出す機会がそれまでよりも格段に少なかった。
それゆえデータとしても経験談としても、ほかのお店とはかなり事情の異なった内容となっておりますことを先にご理解いただきたく思います。
通常はアニメ放送がはじまる直前くらいまで前クールのものをなるべく引っ張って展開していたのですが、この時ばかりは放送1か月前の早い段階であわせて展開しておりました。
閉店まで差し迫った状況ですから、棚に差しているものを減らしながら、開いた棚のところに面陳(面陳列。商品の表紙が見えるように展開する)する、といった形で。
在庫が減った、というスカスカ感をなるべく悟られないようにする作戦です。
……常連さんはだいたい察したでしょうけれどね(苦笑)
通常ですと閉店すると決まってしまった書店さんは、閉店の日取りが近づくと納品が止まり、在庫分だけでやりくりする段取りになると思うのですが……(前の店ではそうだった)
私の行っていたお店は取次さんに頼み込んで、まさに閉店するその日まで納品を絶やしませんでした。
おそらくこれはかなり異例のことだろうと思います。
もちろん残り日数も考慮して、かなり数は減らされていたみたいですけど……たとえ1冊だけであっても、まったく新刊が入ってこないのとでは天と地ほどの差がありますからね。
なるべく最後まで新刊を仕入れて客離れを食い止めたかったのでしょう。
しかし当然のことながら、閉店を前にしても商品を仕入れる+在庫を抱えるというのはリスクを抱えるということでもあります。
この時のアニメ化原作の展開はある種非常に大きな賭けでもあったわけです。
……その期待に応えてくれたのが、タイトルにもあります『落第騎士の
非カドカワさんレーベルとしては歴史も力もあるところでしたが、『ダンまち』の大ヒットによって躍進したGA文庫(SBクリエイティブ)さん。
そんなレーベルさんが送り出してきた作品だけに、おそらくこれは当たるだろうという読みがありました。
とても早い段階でヒロイン・ステラ皇女と主人公が恋仲になるという、昨今のハーレムが当然のライトノベルから見れば逆に新鮮な潔さなどが注目されました。
主人公の強さにも不遇時代に根ざした理由がしっかりあるというのも個人的に非常にプラス。
作者さんきっての希望で『スクライド』などの主題歌で知られる酒井ミキオさんがオープニングを担当、物語の王道熱血感を前面に出したことも成功の要因といえるかもしれません。
夜の一刀修羅♂
……ゴホホン。失礼しました。
結果として、短期間に結果を出さなければいけない苦しい状況で、とても勢いがあった。
ただ、想定以上に1巻が売れてしまったために不足してしまい、残ったあとの巻が少し残ってしまったことは反省しなければならないですね。
さすがに追加の補充注文はストップしなければいけないタイミングだったのが残念。もっとガンガン入れてよかったのならばさらに伸ばせたでしょう。
閉店1週間前のタイミングに新刊も出たのでこれも賭けで多めに取ったのですが、こちらは完売。ほっと胸をなで下ろしたものです。
そしてそれと同時期にカドカワさんのMF文庫Jからアニメ化され、現在分割2クール目が放送されている『学戦都市アスタリスク』。
1話のテンプレサービスシーンや、ヒロインの見た目などの要素が被って映り、「落第騎士のアスタリスク」などと最初こそ面白おかしく茶化されたものですが……
それがヘンに視聴者間で定着してしまいその後も何かと比較され、やや割を食ってしまった感があります。
流石に猶予が1か月もない状態で「バカ売れ」とはいきませんでしたね。
それでも、アニメ化前のタイミングで買われた方や、数日に分けてまとめて買われたお客さまもいらっしゃったので、大ヒットとまではいかずとも一定の売り上げはあったかなと思います。
実際に見てみると低予算になりがちな通常のラノベアニメとは一線を画すクオリティの高さ。もっと評価されてもいいと思うのですが……
あれ真のヒロインはレスターさんですよね。や、かわいい女性キャラ目白押しですけどね。私は
というわけで、最初は同時期の2つのアニメ原作についてお話しました。
残りの作品についてはどういう順序でお話していきましょうかね……?
そうだ、ジャンケンで決めよう!
……お前それが言いたかっただけだろ、という声が聞こえてきそうです。
ええその通りです!
2章でこういったアニメ化したライトノベル原作についてお話させていただこうと思った中で、この更新がもっとも書きたかった部分だったかもしれません。
次はどのような順番になるかはわかりませんが、残りのライトノベル原作について触れましてこの章を締めくくりたいと思います。
もはや恒例となってしまった締め文句で恐縮ではありますが――
多方面からお叱りを受けない限りは、またお会いしましょう。
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