私書店員、ラノベ担当。

売り場では冴えまくりの捌けかた

　こんにちは。皆様ゴールデンウィークをいかがお過ごしでしょうか。

　私は本日も仕事です。

　なので、仕事前に書き上げていこうと思います。

　前回は『艦これ』についてお送りいたしました。

　今回は2015年冬期に放送されたアニメの原作ライトノベルについてお話いたしましょう。

　まず最初に取り上げたいと思うのは、『デュラララ!!』。

　言わずと知れた、電撃文庫での大人気作家・成田良悟先生の人気作。

　第２期となる今回は分割とはいえ承・転・結、合わせて３クール放送という、ラノベ原作アニメの中でも特に恵まれたメディア展開だったのではないでしょうか。　

　これに関してはまた例によって前任者の方に生返事をしてしまったため想定よりも大量に入ってきてしまったのですが……分割３クールあります。なんだかんだで全部売れるでしょ、という甘い見積もりがありました。

　ですがここまで追って下さった読者さんなら私の勤めていた書店さんがどうなったか、すでにおわかりでしょう。

　残念ながら、２期３クール、すべて無事に乗り切れるとは限らなかった。

　……こればかりはどうにもなりませんで……力不足ですみませんでした。

　それではほかのタイトルはどのような感じだったのでしょうか。その時の記憶をここで紐解いていくことにいたしましょう。

　……思い、出した……！

　『聖剣使いの禁呪詠唱（ワールドブレイク）』と『銃皇無尽のファフニール』。

　この２つは前回お話したアニメ版『艦これ』を制作したアニメスタジオ・ディオメディアさんの製作でした。

　このシーズンはなんと、もう１つのWEBコミック原作のアニメも合わせると、同時期に４つも同じアニメスタジオの作品が放送されたのです。

　おそらくこれは異例中の異例。

　2015年前半はまさにディオメディア艦隊総出撃、といった感すらあったシーズンだったのです。

　おかげで製作スケジュールがとてもタイトであったのだろうな……

　というのはディオメディアさん製作で次のクールで放送が予定されていた、『空戦魔導士候補生の教官』が土壇場で夏に延期されてしまったことにも現れていたのではないかなと思います。

　OPで急に踊るアニメ『アブソリュート・デュオ』、そしてスニーカー文庫が誇るエロ枠『新妹魔王の契約者（テスタメント）』。

　特に『アブソリュート・デュオ』は前回の『魔弾の王と戦姫（ヴァナディース）』同様、中盤以降伸びてくれたように思います。

　ところでたしか次『魔装学園H×H』とかいうタイトルからしてスケベそうなアニメがまたはじまるんですよね？　ライトノベルといえばこういう枠も必要だと思いますから、首を長くしてお待ち申し上げますね。

　そして2015年冬でもっとも売れたライトノベルタイトルは――

　『冴えない彼女（ヒロイン）の育てかた』、通称『冴えカノ』です。来年の４月から第２期が予定されていますね。

　フジテレビ系列のアニメ枠「ノイタミナ」がオタク層をより強く意識したものもやるんだ、とちょっと驚いたのを覚えています。

　別にカクヨムの編集長さんを喜ばせるために媚びているわけではなく、本当にこれが売れました。

　アニメ化前からけっこう売れていたこともあり、『甘ブリ』の時よりはマシだったものの、途中から慢性的な在庫不足に陥ってしまいました。

　これでも『甘ブリ』の時の反省を生かして売り切れる前からバンバン注文したんですけど、やはり以前と同様なかなか入荷されない状態が続きましたね。

　アニメ化作品は最初の１か月が勝負。

　その大きな理由は、アニメ化したあとはどこからも注文が殺到するので早い者順で取らないと再入荷ができなくなる、という発注側・出版社側の問題が絡むからです。

　私がはじめて完全に売り場を担当した、2015年冬シーズンのアニメ原作ライトノベルを中心としたフェア展開は、誤算もありながらも、『冴えカノ』と『アブソ』が好調に推移した結果、なんとかそれなりには落ち着くことができたかと思います。

　次の更新から2015年春です。

　それでは、ゴールデンウィーク終了後に怒られて終了という形にならないことを祈りつつ、次の更新でお会いしましょう。