カバーかけVSお客さま

 ライトノベル売り場。

 それは毎日のようにお客さんと繰り広げられる闘いの舞台である――

 

 おかげさまでけっこうお読みいただいてるこのエッセイですけど割と説明臭い話が続いているので、少し肩の力を抜いても読めるエピソードを挟みたいと思います。


 

 ライトノベル売り場を担当させていただいたお店では、『とある魔術の禁書目録インデックス』『アクセル・ワールド』などをはじめとした、入荷が極端に多いものを除いて基本的にすべて透明のカバーをかけて、立ち読み防止させていただいてました。

 お客様からしてみれば「試し読み」できたほうが買いやすいのに、という思いもあったとは思うのですが……背に腹は代えられなかったので……


 ところで、ご存じかどうかはわかりませんが、大型の書店だと自動でビニールを被せてくれる装置を導入しているところが多いです。

 本をスポッと入れたらガガガッとカバーを被せて吐き出してくれる、コンビニに置いてある巨大コピー機みたいな見た目のナイスガイです。



 文明の利器ってすごいね!



 たまに本がぐにゃってなってしまうという欠点があるっちゃあるのですが、まあそれはそれ。

 なかなかに便利なシロモノなんですけど、最初に行っていた書店も含めて……



 小~中規模の書店にそんなものを導入できる資金力はありません!


 

 かなしみ

 

 あれ高いんですよね……

 

 だから1冊1冊、手でかけていくという。

 たとえば『電撃文庫』『MF文庫J』など、入荷する本の種類も多いレーベルの発売日はなかなかに時間のかかる作業でして……

 でも基本的に雑誌の陳列が最優先、次いでコミックが優先※でしたので、最初に上1冊だけにかけておいて残りは時間の余った時にやる。

 そして本とカバーのあいだに「最新刊 ○月○○日発売 下からお取り下さい」みたいな文言を印刷した名刺大のカードを挟んで出す、といった感じでした。

 ※コミックは平積み上1冊のみのカバーかけ。それだけでも時間がかかる



 ですがラノベ好きの方はけっこう開店直後に買いに来られる。



 それもそのはず。前述の『とある~』などはどこでも大抵ものすごい冊数仕入れていますから、別に急ぐ必要はありませんが……

 うちみたいな小型書店の場合1冊しか仕入れていないというタイトルも、割とザラでしたからね。

 本当はもっと仕入れたかったのですが……


 だから開店がバタついてカバーをかけている途中でレジ前に詰んであるままだったりすると、「○○ないんですか?」とか聞かれることもしばしば。



 あ、いやもうちょっと待って(焦)


 

 でも実のところ聞いてくださるだけありがたくて、キョロキョロ見渡してないとわかったらそそくさとお店を出てしまう方もいらっしゃるのでなるべく仕事はパパッとしないといけません。   

 

 そしてガチのラノベ好きの方って1回のご来店で数点まとめてお買い上げになられます。毎月何が出るのか、レーベル別にきちんとチェックなさってからご来店なさるのでしょう。

 なのでそういったガチの方が1冊しか来ていない新刊を数点ガバッとお買い上げになられたら、平積みの新刊置き場がスッカスカになってしまうという(泣)


 いや、お買い上げいただけるのは非常に嬉しいんですけどね。


 すぐ売り場を直しに行かなきゃいけないじゃーん!

 ってなるのがちょっとだけ複雑なんです(笑)


 そして売り場を直したが束の間、また1冊しかない本が瞬殺――

 あばばばばばばば


 あるあるです。



 加えて、平積みの少し下から取ってくださるのならまだいいのですが、いちばん上の、カバーのかかっているものをレジに持ってこられた場合――



 うぉぉぉぉいまたカバーかけなあかんやんかぁぁあああ!※

 ※筆者は関西人です



 ……となるのです。

 や、お買い上げいただけるのは本当に嬉しいのですよ?

 嬉しいのですけどね……(泣)



 とまあ、このように。

 毎朝、開店直後というのはちょっとした戦場です。

 店員の仕事が早いか、お客さんが来られて買いに来られるのが早いか。

  

 今日も変わることなく、全国津々浦々の書店員さんが大なり小なり、こうした「戦場」に身を投じていることでしょう。

 安らぎの日はけして訪れることはない――そう訪れてはならないのです、この戦場に限っては。

 

 なので欲しい本をいち早く売り切れる前になんとしても欲しい! と来たもののまだ売り場に並んでない! みたいな時があっても書店員さんを責めないであげてください。

 それでなくても開店直後はあれやこれやものすごく忙しいので……


 かといってあまり待たせるのも申し訳ないので、新刊が見あたらない! という時には「あの、これ欲しいんですけどあります……?」といったような感じで気軽に尋ねてくださるとありがたく思います。

 店員に声をかけるというのはハードルが高いように思われるかもしれませんがこれがいちばん確実ですし、こっちもなるべく売りたいですしね(本音)



 ――おっと。

 12時までに更新したかったのですが思ったより時間がかかってしまいました。

 

 それでは各方面から怒られなければ、またお会いいたしましょう。

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