第1章 前任者からの引き継ぎと色々な発見+α
困ったらとりあえず……
最初にも書きましたが、私、コミナトケイはとある小型書店でライトノベル担当でした。わずか1年間ではありましたが……
今回からその時感じたことや、体験したエピソードなどを書いていきますが、まずは前任者からの引き継ぎでの出来事を。
最初にもチラッと触れましたが、私は掛け持ちのバイトとしてその書店に入っておりました。
というのも、その書店では当初土曜と休日しか空きがなかったために、掛け持ちでも何でもして平日の穴を埋めなければならなかったのです。
平日はガッツリシフトに入る主婦さんを中心に4~5人いらっしゃり、それでしばらく問題なく回っていましたから、そこに割って入る余地もありませんでした。
いくら前職場でそれなりの間雑誌を担当していたといっても、土日祝日しか入らない程度のアルバイトなんぞに担当を持たせるわけもありません。
なのでしばらくの間は、土日祝日、店長が休みの日を埋める要員としての勤務が続きました。
転機はそれから1年弱経ってからのこと。
なんと5人ほどいらっしゃった主婦さんが、タイミング悪く3人一気に離脱せざるを得ない事態になりました。
旦那さんの転勤に付き添う形での遠方への引っ越しや、病気を患ってしまい長期入院など……望まぬ形での離職が相次いだのです。
――なお補足しておくと。
これは書店員あるあるなんですが、書店員というのは主婦さんを中心に基本的に離職率がものすごく低いのです。
具体的な数値データはありませんが……主婦さんやフリーターなどは、一度書店員になればよほどの事情がなければそのまま続けられます(学生除く)。
最初に入った書店でも勤務10年といった方も珍しくなく、7年くらい経った人でも下から数えた方が早かったほどです。系列の別店舗では20~30年続けられているというツワモノもいらっしゃったそうで……
それゆえいわゆる「お局さん」と呼ばれていた方もいらっしゃいましたが、ひとまずそれはさておきまして。
2店目の主婦さん達も例外ではなく、3年~10年以上務めていた人がほとんどでしたので、今さら嫌だから辞めるとかいう理由はありえませんでした。
長期にわたりお店を支えてきた主婦さんが相次いで辞めなければならなくなったというのは、おそらく店長にとっても大きな誤算であったことでしょう。
10年以上も長く務められている人材となると、もはや純然たる書店業のエキスパートでかつ「看板娘」であり、なかなか代えの効くものではありません。
そこで曲がりなりにも書店での担当持ち経験のある私に白羽の矢が立つことになったのです。
や、看板娘としての役割は無理でしたけど(笑)
もうひとつの職場の勤務時間を変更してもらい、なおかつ日曜を固定の休みにするという条件で、平日も週2~3日ほど入り、文庫の担当を引き継ぐことになりました。
勤務年数10年以上、さらに文庫担当としても3年以上のキャリアをお持ちだった主婦さんから引き継ぐことになり、プレッシャーもすごかったです。
新規のフェア商品などの大量入荷となると店長への事前相談が必要だったとはいえ、それ以外はほぼ完全に担当者の裁量に任されていたからというのもありました。
ほとんど自由にやらせてもらえるということは、取りも直さず失敗はすべて自分の責任となってしまうことを意味します。
書店業というのは現在とても厳しい。それは前職場の閉店で骨身に染みていたので、責任も重大だなと思いました。
投げやりになっておられたのかどうか本当のところはわかりませんが、たかだか入って1年弱の若輩者に任せてくださったことは今でも感謝しています。
まあ(比較的)ラノベにも明るいオタクだからってところも大きかったみたいですけどね! 深夜アニメを見ているようなオタクは私しかいなかったくらいですから。
前職場には私以外にもいたんですけどね。当時2巻くらいしか出ておらずブームになる前だった『のんのんびより』を「これすごく面白い!」と見いだしていたつよいオタクとか。ほんとつよい。
……ゴホン。
ともあれ、前任者から引き継ぎ2014年の11月から正式に文庫担当者として、ライトノベルを扱うことになりました。
その際さまざまな引き継ぎ事項がありましたが、とりあえず何を売ったらいいかわからず困った時どうしたらいいか――それは非常に単純明快でした。
困ったら『ソードアート・オンライン』か『魔法科高校の劣等生』を置け!
ライトノベル売り場も席巻なさるなんて、さすがはお兄さまです!
みかんでマッサージ!
……はい、すみません。カドカワさんの俎上で調子に乗りました。
おや、こんな時間に誰だろう
……酷いオチもついたところで。
今回はここまで
偉い人に怒られなければまた次にお会いいたしましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます