主人公は『ノビ』で、忍び込みの隠語らしいですが、何かを忍び込んだ家に置いていく。 その辺りが気になって読みはじめたんですが、ある奇妙な女の話です。 短編完結で余韻が残る結末で、完結後の登場人物の人生について、いろいろと読者に想像を巡らせる作品てす。
爺が泥棒をする、というフレーズでポップな話を想像した俺を誰が責められようか。思ったよりずんと重い話でやられてしまった。 長く人生を生きていても手段と目的を区分するのは難しいという話で、しかしその取違いこそが人間の人生を形作るというのがなるほどなァという印象。ちょっと重めの話(とはいえ、短いのですぐ読めますよ)に取り組みたいときにいかがでしょうか。