12月31日(月)
特別編-Year End and New Year of 2018~2019-
今年は暖冬と言われていたのに、12月に入ってから曇りや雨の日が多く、クリスマスを過ぎた頃からとても寒い日が続いている。
クリスマスのときは栞の家で過ごしたので、年越しは僕の家で栞と一緒に過ごすことになった。元日には、自宅から徒歩で行ける神社へと一緒に初詣にも行くつもりだ。そのために、クリスマスの後から部屋の大掃除をしたり、両親のものを含めいらない本やCDを売ったりしていた。
2018年もついに大晦日。
平成最後の年越しまであと少し。
昼過ぎに栞が僕の家にやってきて、僕の両親と年越しそばやお寿司を食べるとき以外は、基本的に僕の部屋で2人きりでゆっくりしている。今日の栞も可愛らしいな。桃色の縦セーターがよく似合っている。
「2018年もお世話になりました! 悠介君」
「うん。こちらこそお世話になりました、栞」
紅白を観る前に、こうして栞と1年の締めくくりの挨拶をすることも恒例になったな。
学科も同じでサークルも同じであるためか、2018年は1年通して、ずっと栞と一緒だった気がする。
「悠介君、今年はどんな1年だった?」
「去年と同じく、栞と一緒に大学生活を楽しく送ることができたから、いい1年になったと思う。今年はお互いに年齢が20歳になったから、大人としての第一歩を踏み出せたような気もするよ」
「なるほどね。私も悠介君と一緒に大学生活を楽しく送ることができて良かったな。20歳になって、悠介君と一緒にお酒を呑むのも楽しいし」
「そうだね。来年からもほどほどの量で楽しくお酒を呑んでいきたいよね」
「うん!」
個人的に栞はお酒が全く呑めないイメージがあったので、彼女から一緒にお酒を呑みたいと誘ってくることがあるのは予想外だった。そんな栞と一緒にお酒を呑むかもしれないので、キッチンの冷蔵庫にはカクテルなどが入っている。
酔ったときの栞は柔らかい笑みを浮かべてとても可愛いことなど、栞の新たな一面を知ることのできた年だったと思う。
「20歳になったこと以外は、特別大きな変化はないけれど、去年と同じように悠介君と一緒に楽しく過ごせたことって、とても幸せなことなんだよね」
「確かに。何事もなく一緒に過ごせるって凄いことだね。それを来年以降も続けられるように頑張らないといけないね」
「うん!」
来年は3年生になるので、そろそろ就職とか大学院とか卒業後の進路について本格的に考えなければならない時期に差し掛かる。そのことで栞と一緒にいる時間が減ってしまうかもしれないけれど、誕生日とか、クリスマスとか、今日みたいに年越しのときなどはこうして一緒に過ごしたいな。
「悠介君、話は変わるけれど、今年の紅白はどっちが勝つかな?」
「そうだね……僕は白が勝ちそうだと思う。個人的に白組の方が好きな歌手が多いからなんだけれど」
「そっか。じゃあ、私は紅組かな」
「じゃあ、って」
栞は勇ましい表情を浮かべながら僕のことを見てくる。どうやら、ここでも合戦が行なわれるようだ。
「白組の歌手で好きな人も多いけれど、私は紅組も多いからね」
「なるほどね」
「ねえ、悠介君。紅組と白組、どっちが勝つかで何か賭ける?」
「賭け事はあまり良くないけれど……じゃあ、明日、初詣に行く中で何か飲み物を一つ奢るっていうのはどうだろう?」
「それいいね! じゃあ、紅組をより応援しないと!」
栞、とてもやる気になっているな。
そういえば、紅白ってテレビからも紅組か白組かを投票できるんだよね。そのときは栞にリモコンを占拠されそうだなぁ。テレビ1台からの投票なんて微々たるもの……と油断していたら負けそうな気がする。
勝敗も気になるけれど、まずは番組そのものを栞と一緒に楽しむことができればいいなと思う。
やがて、紅白が始まり、栞の隣でコーヒーやカクテルを飲みながらゆっくりと観るのであった。
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