12月31日(日)
特別編-Year End and New Year of 2017~2018-
2017年もついに大晦日。
今月は晴れる日が多くて、陽差しを浴びれば暖かく思えたけれど……どうして、最後の最後にどんよりとした曇り空で結構寒くなってしまうのか。東京都心の方では朝、初雪が降ったところもあったそうだし。
クリスマスのときは僕の家で過ごしたので、年越しは栞の家でお世話になることに。2016年から2017年の年越しも今回と同じく栞の家だったけれど、あのときは大学受験間近だったので、受験勉強をしっかりとするという条件付きで一緒に過ごしたんだよな。
「2017年もお世話になりました! 悠介君」
「うん。僕こそお世話になりました、栞」
ただ、見事に第1志望に合格して進学したので、今年は栞とこうしてのんびりとしている。後期の期末試験も1月末だし、最終課題をしっかりと取り組んで提出すれば単位は確実に取得できる科目が多いので、去年の今頃に比べたらかなり楽な状況だ。
去年と同じように栞の御両親と一緒に年越しそばをいただき、今は栞の部屋で彼女と2人きりでゆっくりとしている。
「今年も悠介君と一緒に年を越せそうで安心だよ」
「そうだね。大学にも合格して、4月からの大学生活も何とかなっているもんね」
「うん。大学には遥香先輩や絢先輩もいるし。今年の初め頃は、こうして穏やかに年末を迎えることができるとは思わなかったよ」
「あの頃は受験一色だったもんね。国公立だから3月まで続いたからね」
模試の結果では、栞は僕よりも合否判定が低かったので落ち込んでいた時期もあった。ただ、それも乗り越えて僕と同じ第1志望の潮浜国立大学に合格し、一緒に大学生活を送ることができて本当に良かった。
「一緒の学校に通うのは大学が初めてだからか、今年は今までの中で一番、悠介君と一緒にいた年になった気がするな……」
「確かにそうだね。去年までも登校するときとか、休みの日とか、長期休暇のときは一緒にいたけれど……学校で一緒の時間を過ごすのは大学が初めてだもんね。今年はずっと栞の側にいることができた気がする」
「……うん。それに、お互いに大学生になったから……ね」
何を思い出しているのか、栞は頬を赤くしながらはにかんでいる。出会ってから3年も経っているし、僕等も少しずつ大人になっているから色々な意味で栞との距離は縮まっている。
「……あれ、何だか体が熱くなってきちゃった。何でだろ? ……えへへっ」
どうやら、体が熱くなった理由はすぐに分かったらしい。そんな栞が可愛いので思わず頭を撫でると、いつも以上に栞から強い温もりが伝わってきた。
「去年は受験勉強をたくさんしたから……今年はのんびりしようね、悠介君」
「うん、たっぷりのんびりしよう」
去年も紅白を観ているときや年を越した瞬間はのんびりしていた気がするけれど。受験勉強の休憩と、そういうことが何もなくのんびり過ごすのは全然違うか。
「今年の紅白は赤と白のどっちが勝つのかな」
「どうだろう。去年まで2年連続で紅組が勝っていたけれど、去年はどんでん返しでの優勝だったから……白じゃないかな」
久しぶりに白が勝ってほしいというのが本音だ。
「私は3年連続で紅組が勝つと思うな。だって、あの歌姫が出るから」
「……彼女は特別出演だから勝負には関係ないと思うよ。ただ、紅組の歌手で気になっている人は何人もいるし、紅組の可能性もありそうだな……」
何だかんだで毎年紅白は生放送で観てしまうな。笑ってしまったらお尻を叩かれるバラエティも面白いけれど。あれは栞の家でも僕の家でも録画しているので、正月中の暇な時間に観ることにしよう。
「さっ、お菓子でも食べながら紅白観よっか」
「うん。ただ、お腹を壊さない程度にね」
栞はたまにたくさんお菓子を食べてしまうことがあるから。
僕は栞と一緒に紅白を観るのであった。今年も栞と一緒に年を越せることができる喜びに浸りながら。
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