「ゲームファンタジー」に毒された世代

はじめに

　毒された世代という割と刺激的な言葉の入ったタイトルですが、この”毒”という言葉に込められた意味は、今の世代が愚かな存在になってしまったという意味ではなく、子どもという多感な時期から長い間ファンタジー・ロール・プレイング・ゲーム（以降、単にＲＰＧとします）に浸かってきた為に、どうしようもなくゲームの仕組みに隠れる悪い部分の影響を受けて、それに毒される形になってしまっているのではないか、という問題を提起させて頂く内容でした。

　何を以て悪い部分と書いているかをご理解して頂けていないようなら、少し気長に付き合って頂ければと思います。

　家庭用ゲーム機が一般的になってから３０年以上経ちました。

　この長い期間の間にゲーム世界ですっかり人気のカテゴリーとして、ファンタジーＲＰＧというものがあります。

　当然のことながらゲームで遊ぶことを許されている家庭のこどもたちは、ゲームに夢中になって育ったことでしょう。

　そして気が付けば、結果として、ゲーム世界でファンタジーと呼ばれるものを覚えてしまった人があまりに多くなり、気が付けばいわゆるゲームファンタジーしか知らない世代が増えてしまった印象を受けます。

　実際のところ、少なくない数の作家さんがそのような状態なのではと危惧しております。

　ただ、どうしても間違えないで欲しいのが、私が危惧しているのは、彼らがファンタジーでは無く、勘違いしてゲームファンタジーをこれこそがファンタジーだとして覚えてしまっている可能性があることです。

　実際、私も疑っておりませんでしたから（笑）

　ですので、恐らくこれを読んで下さっている方たちとは異なる入口から入ってきただろう私の、少し変わった経験談から入っていこうと思います。