化石から恐竜や古生物が蘇った現代日本。ペットとして飼育したり、食用として養殖に挑んだり、動物園や水族館では飼育員が頭を悩ませたり、古生物と生きる人々の営みがロマンに溢れます。
最古の恐竜エオラプトル。史上最大の昆虫メガネウラ。海の暴君アノマロカリス。螺旋貝アンモナイト。そして日本が世界に誇る首長竜フタバスズキリュウ!
太古の地球に生きていた恐竜や古生物が動物園や水族館で観察できて、恐竜牧場で触れあえたり、はたまた古生物を眺めながらお茶を楽しめる古生物カフェなんかも町中にできて、現代の生活に溶け込む古代の生物たちに親しみがわいてきます。
身近になったとはいっても、まだまだわからないことばかり。研究者や飼育員は日夜彼らの生態調査や実験を続けている。毎日が新発見の連続で、未知を解明する感動に満ちている。それもまた古代のロマンだ!
恐竜を前にすれば子供も大人も瞳を輝かせ、その雄大さに魅せられる。世界で一番古くて世界で一番新しい隣人との日常に好奇心がかきたてられます。
(「ミュージアムへ行こう」4選/文=愛咲優詩)
空気のように、無くてはならないものたち。いつだって直ぐそばに居るものたち。
家族のような、あるいは親戚のような、隣人のような距離感、穏やかな日々、ときめく日々。
ああ!なんて魅力的なものなのだろう!!!
判明している姿や予測されている生活を元に「こうだったら」「こうではないか」と飼育できるまでに細部まで考えられた作者の知識や取材や熱量の結果だと言えるだろう。
主人公達が兎に角それぞれの古生物が好きで堪らない、生活の傍に古生物が居て古生物と共に生きて古生物の事を考える日々から幸せが溢れてる。
古生物とはそんなにも素晴らしいものなのだろうと思わせてくれるこの短編たちは古生物初心者にも優しい。
「もっとこの生き物について知りたい!」と思わせる力がある、素晴らしい作品だと思う。