幸せは古生物の姿をしている。

空気のように、無くてはならないものたち。いつだって直ぐそばに居るものたち。
家族のような、あるいは親戚のような、隣人のような距離感、穏やかな日々、ときめく日々。

ああ!なんて魅力的なものなのだろう!!!

判明している姿や予測されている生活を元に「こうだったら」「こうではないか」と飼育できるまでに細部まで考えられた作者の知識や取材や熱量の結果だと言えるだろう。

主人公達が兎に角それぞれの古生物が好きで堪らない、生活の傍に古生物が居て古生物と共に生きて古生物の事を考える日々から幸せが溢れてる。

古生物とはそんなにも素晴らしいものなのだろうと思わせてくれるこの短編たちは古生物初心者にも優しい。
「もっとこの生き物について知りたい!」と思わせる力がある、素晴らしい作品だと思う。