前哨戦
「貴方馬鹿なんですか!生徒会に宣戦布告なんて!」
突如として零の部屋に乗り込んできた天子の顔は憤怒に満ちていた。
零はあたかも天子の発言を予期していかのように零はパソコンを打っていた。
だが、零の目は決して笑ってない。
むしろ真剣に部屋のパソコンと大量のモニターを見ていた。
零は天子の顔など見向きもせず言い放った。
零「ああ、宣戦布告した。」
天子「貴方自分が何したかわかってるの!生徒会はあなたの事をよく思っていない!噂によれば粛清すら考えていると言われているのですよ!」
手元のコーヒーが零の口に運ばれた。
零「知ってる。生徒会の事も俺が粛清対象になってる事も・・・だからこそ宣戦布告した。人間の世界じゃ狩られる前に狩るそれが常道だ」
天子「不可能です!今度の生徒会投票に勝ち抜かないといけないんですよ!」
零「先んずれば人を制す。後んずれば人の制する所と成る。」
天子「・・・何言ってるんです・・・?」
零「人間の世界の戦争の心構えの中でも俺が最も大事だと思う言葉だ。何事も始めが肝心。狩られる前に狩ればリスクは少なからず低くなる」
天子「・・・」
零「だからこそ俺は今先制攻撃を仕掛けている」
天子「先制攻撃?」
零「そう・・・まずは敵の出鼻を確実に・・・」
零はパソコンのマウスをクリックした。
すると「プログラムにウイルスを送りました」
と出てきた。
天子「これって・・・ウイルス?犯罪じゃ・・・」
零「いや・・・正確にはウイルスじゃない。
アドレスコードを大量にタイピングしてパソコン内で一時的にラグを起こした者をまとめたものだ。
相手は必ず神居学園の公式サイトを使ってくる。
それならそのサーバーにこのアドレスコードを送ってダウンさせて一時的に他のやつが回覧できないようにして俺が自分の情報を塗り替えるそうすれば後で色々と有利に進む」
天子「・・・それは無理よ・・・だって・・・」
零「ん?へえ・・・いいセキュリティしてるね・・・しかも手動だ・・・手動で俺が送ったアドレスコードのパスワードを全て手打ちで解除してる・・・余程のハッキング防御者だな・・・久し振りにこのハッキングに対応できる奴だな・・・」
一方神居学園コンピュータ室
大量のコンピューターは眠っている。
しかしその中で一台のみまだ起動しているコンピュータがあった。
そしてその椅子に座ってタイピングをするのは生徒会書記月読輝夜。
うっている相手は神居学園の公式サイトだった。
公式サイトは今謎のハッキングを受けていた。
もちろんハッキング主は神居学園新入生遊戯零。
月読今までとは違うハッキングの仕方に少し戸惑った。
しかし集中してパソコンにパスワードをうちこんだ。
「あと一つ」そこで月読のタイピングが止まった。
一方零サイド
零は追い詰められているはずなのに余裕な表情を見せている。
零「あと一つでハッキングサーバーのパスワードを解除してハッキングの流出源を特定されるな・・・」
天子「ちょっと!早くしてくださいよ!早くパスワードを作って・・・」
零「・・・ゾクゾクするよ・・・こんな相手・・・」
零は笑った。
その顔はいつもの零ではなかった。
零「だけど・・・な・・・俺の
零はマウスを押した。
生徒会月読サイド
月読「・・・負け・・・た・・・」
月読は呆然とした。
パソコンは大量の「Servererror」の文字を浮かべていた。
月読のPCは既にハッカーの手に落ちていた。
こんなにも巧妙なハッキングは初めて見た。
手動でタイピングするプログラムサーバーは一つのサーバーをタイピングするのに時間がかかる。
だから同時に複数のハッキングサーバーを確立すれば手動タイピングしている間に別のパソコンにハッキングしてデータを塗り替えられる。
それにきずいて月読の手が止まった瞬間にコンマ差の速さでタイピングして月読のサーバーもハッキングしたのだ。
それはいわば陽動作戦だった。
月読「どうして・・・こんな・・・戦略・・・」
零は月読の疑問に答えるようにパソコン電源を落としたパソコンモニターの前でつぶやいた。
零「ハッキングって言うのは城攻めに似てる。攻める方法戦略は複数。その中から最もシンプルで合理的な軍略を見つけ実行する」
零「前哨戦は俺の勝利だ・・・さて・・・待ってるぜ・・・
天子は一瞬で凍りついた。
零の笑顔は人を支配し権力を持つ者
まさに「軍略」そのものだった。
神居学園軍略戦記 創夢深大 @sanzenrenya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。神居学園軍略戦記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます