「俺だって、たまには必殺技を叫びたい」

兄:

「唐突に声優になりたくなってきた」


妹:

「一体、どうしてですの?」


兄:

「必殺技を叫べるからだ。普通の人間に、そんな機会は生涯訪れないからな」


妹:

「えっと……必殺技、ですか?」


兄:

「そうだ。たとえば――

 ハドーケン! ショーリューケン! 

 タッマキセンプーキャク!


 コガハザン! マジンケン!! イオナズン!!! 


 我が荘厳なる闇の炎に抱かれ安らかに眠るが良い!!

 食らえ、カオティック――


私:

「静かにしてくださいまし」


兄:

「ハァ。声優になりたいなァ……」


私:

「声優さんに土下座するなら、早い方がいいですわよ、お兄様」

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