作者が設定忘却を防止する作品メモ
メモ スサノオの末裔と人造神たる四季神と四季家誕生の顛末
須佐之男命は、昼を司る天照大御神、夜を司る月夜見命と同様に、じつは四季を司る時空神である。
アマテラスとツクヨミは月日を。スサノオは、月日が巡る季節を担当し、共に時の流れを司っているのだ。
その事実は、スサノオが和歌の神であることと、季節の廻りを表す季語を、ふんだんに和歌に使用することで明々白々である。
さらに、スサノオは英雄神としても強大で、様々な物事を司り、時として姉、兄である二人の神を圧倒している。
とくに日本で和歌を最初に詠み、呪力を得た神ということで、日本古来の流れを組む呪術師に恐れられたことは大きい。
実際、その末裔たちの術は、強力無比な威力であった。
そんなスサノオの流れを組む八雲、八重垣、豊葦原といった家系を恐れたのが、平安の世の陰陽師たちであった。
平安当初、神秘の力を持つという和歌を…真言を操る彼等と、うまく婚姻を果たそうと陰陽師たちは躍起になった。
しかし、有限で数が限られる婚姻ゆえに、あぶれる者が多数いた。
除け者にされたフレンズは、当然のように嫉妬に駆られ、むくむくと憎悪の気持ちを強めていった。
その結果、時を経ると当然、スサノオの末裔たちは朝廷内でも立場が悪くなっていった。
そんな状況下で、スサノオの家系の抹殺が、朝廷に近しい陰陽師たちを中心にして計画され、実行された。
まず彼等は京の四方の山々を、大陸の四神に見立た。そして四季の神…佐保姫、筒姫、竜田姫、白姫と言ったマイナーな女神を捏造し、スサノオの呪力の源である和歌と絡め、引き離し、弱体化を図ったのだ。
さらに、スサノオの末裔たる各家に改性を迫り、スサノオの家系を闇に葬ることを画策。
その結果は以下の通り。
八雲、八重垣の家系の者達は怒り、東国に去っていった。それ等に、陰陽博士の一派、月夜見流大月家や、御陵を差配していた伊邪那美流土師家の一部が従い、歴史の闇の中に消えていった。
彼等は、天孫なるも凶目神の末裔とされ朝廷から討伐対象とされ、京の歴史書から消し去られた。
イザナミの洗われた目から生じた神の末裔でも、邪悪な存在とされたのである。
一方、京に残った豊葦原家は朝廷の権威を笠に着る陰陽師たちの要請に応じ、旧き性を捨てて四季家を名乗った。
その一方で、密かに一族の中でのみ豊葦原の性と真名を継承して、朝廷からのひどい扱いに耐え続けた。
夜が移り変わり、いつの日にか大っぴらに豊葦原の性を名乗れる日が来ると心に決め、待つことにしたのである。
そして、朝廷の力も、陰陽師の力も低下した21世紀の現在。
その末裔である四季家の末孫が、この物語の主役になったのだ。
つまり、本編の主人公である四季すみれである。
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