物語を読み進めていき、この短い短編の中で、どのようにまとまるのだろうと思っておりましたが、最後は予想をひっくり返すようなオチに、上手いなぁと感心いたしました。青い錠剤を飲んで「見える」ようになった顔。その幻覚の詳細がいかなるものなのか。満タンのコップを乗せたお盆をひっくり返す感覚。自傷の悪い癖も、不気味なディテールですね、、、。にぎた
客観性を重視した文体、淡々とした流れが生み出すのはある意味衝撃的な結末。医師の言葉が正しいのだとすれば、そう再度読み直せば分かるのは一握り狂気が孕んでいる男の言葉のこと。一番恐ろしいのは人間なのかもしれない、そう思える物語でした。