#10エンディング

#10元の楽屋(フェードイン)

エフィメラ「迫るロザリウムの軍。王子は愛した女王をかばって戦死、女王は後を追って服毒自殺」

ベンジャミン「(思いついて)そおよ、女王と王子は一目あって、恋に落ちたのよ、それっくらいロマンチックでないとあたしの美貌がただのお飾りになっちゃう」

エフィメラ「運命の恋ね。二人は愛に殉(じゅん)じたのね! すてき!」

ベンジャミン「そして鏡が告げる、二人の行く末は、互いの命を奪いあうということ。……いままで、その線はなかったわね?」

エフィメラ「死ぬときは二人一緒、か」

ベンジャミン「女王と王子は純愛だったのね! いいわあ」

エフィメラ「ねえ……ジョバンニ、わたしの希望をのんでくれたのかな?」

ベンジャミン「のんだのはあんたの苦いお茶よ。ショックでひっくりかえっちゃうくらいのね」

エフィメラ「言ってくれるじゃない。でも、倒れるまで書くなんて、彼らしいわ。あー、やっぱりジョバンニはジョバンニだわ」

ベンジャミン「妥協せず、追求し、描き上げる……お姫様の願いをかなえる魔法使いみたいね」

エフィメラ「ジョバンニ、あなたすてきよ」

ベンジャミン「やれるかやれないかじゃない。やるんだ! か……イイオトコだわ~うちの座長ったら、んもう!」

エフィメラ「やっぱり、あたしたちのジョバンニはすごいのよ! ね、ベンジャミン」

ベンジャミン「わかってるじゃない、エフィメラ」

エフィメラ「うん!」

ベンジャミン「あとはよく寝かせてあげましょう。エフィメラのとっておきのお茶も、起きたら待ってるわよ。ジョバンニ☆彡 よくやったわね。さあ、これからにそなえて、あたしたちも頑張りましょ!」

ジョバンニ「うるさくて寝られないよ(か細くかすれた声で)」

ベンジャミン「あら、くたばってたんじゃないの?」

ジョバンニ「あいにく……」

エフィメラ「ごめんなさい、ジョバンニ、その……」

ジョバンニ「(ささやくように)わかってるさ。みんながいつでも気にかけてくれていること。だから、オレは自分の役目を果たしたいと……いや。君らにとって信用するに足る人間になりたくて……ほんと、青いよな。……言うんじゃなかった」

ベンジャミン「そうよ、水臭いわよ。そういうのは作品に昇華してこそ、作家よ」

エフィメラ「ほんと。大好きよ、ジョバンニ……」

ジョバンニ「(寝息)」

(BGM:これからの未来に希望をもてる曲)


END

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月夜のかげろう~KIZUNA~ れなれな(水木レナ) @rena-rena

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