第13話 雑談(知りたい。そして残したい)
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2016年4月
我が家の飲み屋での話題はその時々。
数学だったり難読漢字だったり相対性理論だったり戦国武将の話だったり雑学だったり宇宙の概念だったり。
大抵それは我が家では『雑談』に分類される。それ以外ではもっぱら私の作品の設定について話し合ったりしているのだけど。
先日は『おじいちゃん』に関するエピソードを色々と聞かせてもらった。
その途中で、父は感慨深そうに言った。
父:「そうか。こうやって今おじいちゃんやおばあちゃんやお父さんの昔の話をしらず(私)に伝えておけばしらずが覚えててくれるのか。自分しか知らない家族の話を後世まで語り継いでもらえるんだ」
私:「そう。やりたいのはそういうことなんだよ!おじいちゃんやひいおじいちゃんがどんな人だったかって気になるし自分とも関わることだし覚えていたいじゃん?父ちゃんの面白い青春時代の話も覚えておきたいしさ」
私:「私に後世が出来るかどうかは判らんけど、シュン君(従弟)が大きくなったら聞かせてあげられるしね。最近、無性に書き起こさなきゃ!って気分になってさ」
父:「後世がいなくても、備忘録を書いて世間に公開してるんでしょ?」
私:「どこかに書き残しておきたいと思ったからね。なんかこう、生きた足跡を残したい的なあのイイ感じのアレだよ」
父にこの備忘録を書こうと思ったきっかけを聞かせる。
父:「そういうのは大抵お父さんくらいの年齢になって思うものだけどね。お父さんも最近おばあちゃんに電話してうちの家系図を作ったしさ」
私:「おじいちゃんも晩年に近づいて自分のルーツを巡る旅に出てたよね」
父:「そうそう。お父さんもその旅に付き合わされて、初めて知った事とかあったよ。そういうのって結構、もっと歳を取ってからやり始めるものだよね」
私:「やっぱりこの歳でこういうこと考えるのって変かな」
父:「うん。でも凄いことだと思うよ」
私:「凄いかな?」
父:「うん」
私:「えへへ。……まぁ我ながら面倒な性格してるとは思うんだけどね。でもさ、こうやって昔の事思い出しながら話すのもなかなか面白いでしょ?」
父:「うん。いいね、いろいろ思い出して面白い」
私:「へっへへ。これからちょくちょく聞いてくからよろしくね」
自分と自分の家族の、ルーツを知る。歴史を知る。
そんな昔話に花を咲かせるのも時には良いものです。
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