お祓い屋さん
僕以外誰もいないはずの教室に新川さんもいた。
「あ、新川さん」驚いて裏声が出た
「名前もう覚えてくれたんだありがとう」新川さんはニコっと笑顔で言った
僕は恥ずかしくなって何も言うことが出来なかった。
「え〜とやちぐさ君だっけ?名前?」
「あ、!うん、そうだよ新川さんも今日来たばかりなのにもう名前知ってるんだね」
急に名前を呼ばれてまた恥ずかしくなりながら早口になってしまった。
「八千草君、勉強どこがわからないの?私がわかる範囲なら教えようか?」
新川さんは僕の独り言を聞いていたみたいだ、僕は少し冷静さをとり戻し、え〜とここの解き方がわからなくて困ってるっとペンでテキストを指しながら説明した。
あーこの計算式ね、これはここをXと仮定して••••••
新川さんは初めて話す僕に対してとても親切にわかりやすく解説をしてくれた。
「あ〜なるほど、そうすることで答えに行き着くんだ」僕は新川の解説に感心しながらそう言った。
他には、わからない問題はある?と新川さんが言うので僕はカズの部活が終わるまで、わからない問題を新川に教えてもらった。
「新川さん今日はわざわざ付き合ってくれてありがとう」
「いえいえ人に教えるのは好きだからいいんだよ」また新川さんがニコっと笑顔を見せながら言った。
じゃあ今日はありがとうまた明日、僕は新川さんに手を振って教室を後にした。
部活が終わったカズと合流してそのまま帰宅した。
次の日の放課後も僕一人教室で自習をしているといつの間にか新川さんがいて勉強を教えてもらい時間が来たら帰宅した。
また次の日も一人で教室にいると新川さんが居て勉強を教えてもらった。
そんなことが数日続いたある日いつも通り新川さんに勉強を教えてもらっていると、廊下から
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ
足音のようなものが段々と大きくなって何かが僕たちのいる教室へと段々と近づいてくる。
ブワァァァァーと風のようなものが吹き込み一瞬目の前が真っ暗なのか真っ白なものに包まれた。
数十秒後視界がぼやけながらも段々とはっきりしてきた。
するとさっきまで教室には僕と新川さんしか居ないはずだったが三人教室にいる
いやそれは人なのか?しかしそれは人の形をしていて人そのものであった。
ニクイ、ニクイ•••ニク•••イ、ニクイニクイ
何かわからないものが僕たちに向かい何かを言ってる。
ニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ••••••••••••
一瞬化け物が動きだし新川さんに向かい何かを吐き出す。
危ない!僕はそう思うより先に新川さんのを助けるために押し飛ばそうとした。
しかし吐き出されたものは僕が新川さんを押し飛ばすより先に新川さんを捕らえ
た。
次の瞬間、新川さんを捕らえたものは、ぱっと消えたまるで吐き出されたものなんてなかったかのように
「やっと現れたらね、私が見つけたからにはきっちり成仏してもらいますからね!」新川さんは何か武術の構えのようなものをとり、化け物にそう言う。
化け物はまた動きだし新川さんへ向かい手を振り上げる、しかし化け物の手は新川さん触れることすらできない、何故なら化け物の手は消えていたからである。
ウグルゥウゥウグルゥウゥ
化け物にも痛みがあるのか叫び声のようなものをあげる。
「さて、そろそろかしら」
新川さんがそう言いながらお札のついた杖を持ち何かを唱えている。
何かが杖に集まるのを感じる
は!!
杖から放たれた光に化け物は包まれた断末魔をあげながら消えていく
完全に化け物が消えると教室を包んでいた嫌なものが消えていくのを感じる
僕はここで起こったことが夢のような現実に感じた。
「あ、新川さんさっきの化け物はいったいなんだったの?」僕は声が震えて新川に聞いた
「えーと、ねぇまぁあれよ人々の嫉妬が集まった思念体というか怨霊というかそんなもの」
言ってる意味が理解出来なかった、しかし一つだけ僕にわかったことは、彼女は何かの力を持っていて僕たちと同じではないと。
嫉妬ほど美しいものは無い 鈴龍 @suzu1925
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