成長貯金
逆上之助
第1話
師弟の二人が居ました。弟子の伸び悩みを見て師匠は
師匠「なあ正二、俺も昔そういう時が合った時どうしたか話そうか?」
正二「はい師匠是非」
「納得できる手ごたえを感じたとき貯金箱に小銭入れていく。またいずれ行き詰る事が来るだろう。その時に貯金箱じゃらじゃらと鳴らしてみる。こいつが俺の成長した証として音が鳴り響く。無駄や無為な時間なんてありゃしない確実に前よりは一歩一歩進んでいく」
「師匠それは良い考えだ早速やってみます」
数年経ち貯金箱が一杯になった正二は以前から遅れがちだった師匠の時計について、そうだこのお金でプレゼントをしようと思い師匠に時計を贈りました。
師「正二これはどうしたんだ」
正「師匠数年前の貯金箱の話覚えてますか?」
「そういえばそんな話したね」
「ついに一杯になったのでそれで師匠に何か贈り物をしようと思いまして」
師匠は正二が弟子入りした時の事を思い出していました。貧乏な若者だった正二に
「正二そんなボロじゃ見栄えが悪い。これで何かぱりっとした服買ってきな」と出したお金が実は師匠が過去貯金箱で溜めたお金だった。若い時なんてそんなたいした伸び悩みなんてありゃしない。実際苦しいのは己の限界って奴が見えた頃で実際あの話はつい最近の事だったわけで。
「師匠、俺今回得をしたと思ってるんですよ?」
「どうしてだい?」
「師匠もお金がたまった時こういう気持だったんだなと分かるからですよ。これは後からやった俺にしかわからない。それが妙に得した気分なんですよ」
師匠は笑っていた。そいつは俺もお前の成長を時計って形で見れる事が楽しみになっててそいつは俺にしか分からない事だよ。
師匠ははっきりした声じゃなく、なんとなく呟やいたように言葉を漏らしていた。「お互い様だろう」
「師匠なんです?」
「なんでもねーよ」
成長貯金 逆上之助 @kakukakusika
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