コーラスレイン
一歩踏み出し、歩きだす。二歩と進めばもう最寄り駅だ。その頃には聞こえていたが、三歩目には確かなものとなる、等間隔に刻むリズムの雑踏。灰色の傀儡が踊るただのそれは、目にも耳にも入っては出て、私の焦燥を呼ぶ。
目をそらせど、立ち込める霧が彼らを演出する。メディアやネットワークという現代の「与太話」が傀儡の口とペンから立ち込め、ゆらりゆらりと踊りに合わせて様相を変えるのだ。歩けと、考えろと、はてはその理想のため、行動しろよと、その他愛もない情景が畳み掛けるのだ。
朝日に照らされる鳩や木だけに色がつき、彼らは毅然と、或いは悠々とその姿を浮き彫りにした。彼らは意味のある動きと、当然の影響を受けて、人に驚き、風に揺れる。それは素晴らしく素直で、聡明で、何より単純である。
さて家といえば、無様なパフォーマーなどいない、平和で静かな空間である。
言葉も草臥れて、 三十日 駿 @Nemshi_FN
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。言葉も草臥れて、の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます