コーラスレイン

 一歩踏み出し、歩きだす。二歩と進めばもう最寄り駅だ。その頃には聞こえていたが、三歩目には確かなものとなる、等間隔に刻むリズムの雑踏。灰色の傀儡が踊るただのそれは、目にも耳にも入っては出て、私の焦燥を呼ぶ。

 目をそらせど、立ち込める霧が彼らを演出する。メディアやネットワークという現代の「与太話」が傀儡の口とペンから立ち込め、ゆらりゆらりと踊りに合わせて様相を変えるのだ。歩けと、考えろと、はてはその理想のため、行動しろよと、その他愛もない情景が畳み掛けるのだ。

朝日に照らされる鳩や木だけに色がつき、彼らは毅然と、或いは悠々とその姿を浮き彫りにした。彼らは意味のある動きと、当然の影響を受けて、人に驚き、風に揺れる。それは素晴らしく素直で、聡明で、何より単純である。




 さて家といえば、無様なパフォーマーなどいない、平和で静かな空間である。

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言葉も草臥れて、 三十日 駿 @Nemshi_FN

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