(4)書いたはいいけど……読まれない。
というのはまぁ、当然だと思っておくより他はない。
どうも「エッセイ」でランキングなど見ていると、カクヨムそのものへの呪詛や「読まれない! 何故だ!」という怨嗟が聞こえてくるので(幻聴)、気になってしまうのだが。
あんまり気に病まない方がいいよ。←ひとごと
カクヨムのシステム自体、読者と作品を積極的に結びつけるものになっていないのだから、「鬼面人を威す」ような、奇をてらった内容にでもして話題にしてもらう以外に、爆発的にアクセスや☆を伸ばす方法は(今現在)なかろう。口コミを期待するにも、ある程度までは人目に触れないと、口コミ自体が始まらない。読まれても、口コミに繋がる瞬発力を持った何かがなければ、アウトブレイクは起こらない。
作品が「宣伝」される機会がシステム的に皆無に近いから、これはもうしゃーないのだ。実際の出版物でも、宣伝されない作品が読者の目に触れることはないのだからして。
これはカクヨムがランキングや新着といった方式以外の、作品へのリーチ手段を創出しない限り変わらないだろう。その意味では、新機能の新着レビュー一覧は、ちょっと期待が持てそうだ。
また仮に、そうしたシステムが創出され、そして十全に機能しているとしても、自分の作品がその恩恵にあずかれるかどうかはまた別の話。
自分のことを考えてみれば、例えばヨム編(四)で触れたような「読みやすい」にも程がある文章(スカスカの方)で書かれた作品は、どう宣伝されても読むことはないだろう。同じように、そうした文体を好む読者は、俺の書く小説を「読みにくい」と一刀両断して触れることはないだろう。棲み分けというものである。
書物を著す、という行為は、おそらくは宿命的に、“待ち”の行為なのだ。
自分のこの物語が“届く”人の目に触れるのを、読まれるのを、一日千秋の思いをして待ち続けることが、“書く”ということだ。今いない誰かのために“書く”ことが出来ないのなら、物語は、ただ自分を撫すためのものとなる。そんな自分のためだけのものであるなら、机の引き出しに大事にしまっておけ。人目に触れさせるな。
たまさか、幸せなごく一部の書き手だけが、誰かに請われて本を書く立場に身を置く。
我々はそうした姿を見て育ち、その姿と立場に憧れ、その場所を目指す。だから、幸せな姿に目を眩ませられて、忘れてしまうのだ。あるいは気付かずにいるのだ。“書く”という行為の本質を。
“書く”ことは“待つ”ことであり、自分が書くものとは自分のためではなく、いつか現れる読者のために存在するということを。
だから、「今」読まれずに嘆くあなたも、しばらく待ってみることだ。
そして、その間にも自分を磨くことだ。磨いたその目と腕で、もう一度、自分の書いたものをも磨き直してみることだ。
いつか現れる読者のために。その物語が届く読者の幅を、少しでも広げるために。
自分が書いたものはすでに完璧であり、誰の目に触れても手放しの賞賛を受けるものだ、と信じられる人だけが、自分の読まれなさを嘆くことだ。
そうではないのなら、磨くことだ。自分を。作品を。出版物ではないのだから、何度だって書き直せばいい。ゼロから完全に作り直したっていいのだ。
読まれるようになるまで、磨き直せばいいのだ。
今いるその場所で終わるな。先はまだずっとずっと長く果てしないのだから。
と、いうところで我が身を鑑みると、だ。
自分は今のところ、長らく新しいものを書かずに来たのが、ここカクヨムで珍しく「ちょっとは書いてみるか」という気分になれたので、リハビリのつもりで短いものをチマチマと書いてはアップしている。リハビリは自分のためのものなので、アクセスがなくとも(今のところは)さして気にせず続けていられる。
そもそも、ボリュームゾーンの読者にはとても読まれないような作風なんだし。ろくにPVもないことは承知というか覚悟というか、売れないのは慣れてますよ、ええ(自虐)。
つーか何故、いちおうライトノベルの源流であるソノラマ文庫からのデビューだというのに、ここで書いてる掌編は大人向けばっかりなのか。もうちょっとライトなものを書いてみねばならんか。「読みやすい」の深淵も覗き込んだことだし、新しい文体にチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
しかしリハビリしようが新しい文体を獲得しようが、別にそれが仕事に繋がるなんてこた、ないんだけどね。(´・ω・`) ショボーン
いけねえ、これはヨム編に書くべき内容だったな。
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