エピローグ

 次の日のことである。


 私はセイラと陸とくうかと言う、元忌わしき三人組から友達になって下さいという告白を受けた。陸に至っては、そのまま彼氏にして下さいと愛の告白を受けてしまう状況にまで追い込まれた。


 それでも、私は愛よりも友情を大切にして、残りの高校生活を満喫しようと、一旦は愛の告白は受け付けないという返事を返した。


 一方のタケルは、結局どこに何の傷も負っていなくて、私はミエナイチカラで彼を捻じ伏せていただけに過ぎなかった。これに懲りてもう悪さをしないだろう。私は三人に免じて、怨みあるタケルを赦すのだった。


 そして、私はくうかと約束したテーマパークへと足を運ぶことになった。もちろん、セイラも陸も入れて、私プラス三人で思う存分に遊びに遊びまくったのだった。

 そんな経験は初めてだったので、最初は緊張していたのだが、三人がリードをしてくれたので、場の空気に溶け込むのにそう時間は掛からなかった。


 総スカン。

 赤足高校の生徒や先生達さらにPTAに喰らわされた私の人生最大の汚点。素っ裸で泳いだ代償。それは私の今後の人生を大きく左右し兼ねないトラウマを生み出したのかもしれない。そこで経験した苦痛は一生掛かっても消えない、恐ろしき病魔になっているのかもしれない。



 それ程に沈黙と無関心は人を支配するのだ。



 でも、私には手札がある。ジョーカーという決して強いカードとは言えない、忌み嫌われる弱いカードではあるが。


 それがミエナイチカラであるなら、そんなものがホントに存在するのなら、私は駆使し続けるのかもしれない。そうすることで、私は人を大切に出来るのなら、それに越したことはないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鬼たる日の聲がする 統一 @taka_2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ