第33話 謎

新年を迎える初詣を3人は神社に集合する。しかし、公太が暗い。

公太「・・・」

良太「あけましておめでとう♪」

美紀「あけましておめでとう♪今年もよろしくね」

公太「・・・」

良太「公太?」

公太「・・・」

アルゴ≪反応がないな・・・≫

良太「お~い」

公太「・・・あ、りょうたか・・・」

良太「あけおめ」

公太「あぁ・・・もう年が明けたか・・・生きてるのか・・・俺は」

美紀「何を言ってるの?」

公太「・・・」(おい、末永・・・お前・・・)

アルゴ≪よかったな・・・一命をとりとめて≫

良太≪クリスマスの・・・件かな・・・≫


そして、お参りするお願いをする。

良太(今年は・・・平和な一年でありますように)

公太(今年は・・・命がありますように)

美紀(今年こそは!!今年こそは!!お願いします!!神様!!)

アルゴ(神なぞ信じぬが・・・俺も願っておくか・・・性能アップをお願いしとこう・・・計算できない事象があった)


良太は公太と話す。

良太「今年も、願い事は消防士か?」

公太「・・・あぁ・・・なるためには・・・生きてることが必要条件だからな」

アルゴ≪賢くなってるな。必要条件とは≫

良太≪公太らしくないね・・・≫

公太「あぁ、願いで思い出した・・・良太・・・クリスマスは好きって・・・」

  「言える日は遠いかもしれない・・・」

良太「階段から落ちたからな・・・足滑らして・・・」

公太「・・・違う・・・お前が・・・足を滑らしたから!!」

美紀「公太!!」

公太「!!」

美紀「体は大丈夫?」

公太「大丈夫です・・・」(圧が半端ない・・・お仕置きの怖さは知っている・・・)


おみくじを引く三人。

良太「・・・」

公太「大吉か・・・ほんとか?」(去年恐ろしい目にあったぞ・・・大吉だったのに・・・)

美紀「大吉!!」(吟じます!!今年は行ける気がするーーーーーーーー!!)

良太「・・・凶だ・・・」

アルゴ≪中々の確率だな≫

良太≪まぁ、前回アルゴに言われてあまり気にしてなかったし♪≫

  ≪なんか、悪いこともあまりだったし♪≫

アルゴ≪・・・どうだったか・・・定かではないな≫

良太≪・・・そうだっけ≫


おみくじとはそんなものだ。凶と思えば凶であり。吉と思えば吉である。

人生は吉と凶の連続である。


公太はめずらしく考える。深く深く。

公太(・・・生きることが大事だと先生は言っていたな)

  (そうか・・・ここにいればいるほど)

  (死亡率が上がっていくのか・・・)

  (よく、考えたら・・・あれは良太が悪い気がする・・・)

  (俺だけ・・・あんな目に会うなんて・・・)

  (どうかしてるぜい!!)


公太は決意する。

公太「先、帰るわ!!」

良太「えっ?どうした公太?」

公太(お前のせいでもある!!良太!!)

  「・・・お前も階段・・・」

美紀「コホン」

公太「いやなんでもない・・・」

美紀(危うく・・・口封じをするところだったわ・・・)

公太「じゃあ、帰るわ」

良太「うん」

アルゴ≪どうしたんだ?≫

良太≪わからない・・・≫

アルゴ≪・・・何かあるな・・・≫

良太≪・・・≫

公太(ここは・・・恩をうっとかなきゃな・・・)

公太「末永、頑張れよ」

末永「こうた・・・」

公太(よし!!とりあえず、お仕置きポイントを溜めないよう気を付けよう!!)

末永(且つての倒した敵は・・ライバルは・・・こうやって・・・仲間になるのね)

  (わかったわ!!)


思春期の恋する少女はどこかずれている。そいつは元々仲間です。


良太と美紀は二人で歩く。神社の中を。

美紀「出店でなんか食べる?良太君」

良太「そうだな・・・なにを食べようかな?」

美紀(何がいいかしら・・・ラッキーアイテムは・・・ハッ!!)


美紀は思いつく。

美紀「綿あめとか、どう!!」

良太「綿あめ?」

美紀「そう!!」

良太「いいけど・・・たまにはいいか♪」

アルゴ≪綿あめがどうしたんだ?≫

良太≪いや・・・大人になるとあまり食べないんだよ≫

アルゴ≪お前は子供だ!!≫


そして、1個の綿あめを二人で食べる。

良太「ひさびさに食べるとおいしいね♪」

美紀「そうだね////」(良太君と・・・関節キッス!!できる!!ラッキーアイテム!!)


思春期の恋する少女の発想はすばらしい。普通そんなことは思いつかない。

なかなかやりおる!!


良太と美紀は神社の帰り道を歩く。

アルゴ≪良太!!ちょっと、この小娘に俺をつけろ!!こいつの思考をみたい。興味がある。≫

良太≪えっ・・・はずしたら・・・爆発≫

アルゴ≪その機能は今切った!!大丈夫だ!!≫

良太≪・・・≫

アルゴ≪早くしろ≫

良太(その機能切れるなら・・・いままで・・・苦労したこと・・・意味ないじゃん)


良太は渋々アルゴを外し、美紀に話す。

良太「末永さん、お願いがあるんだ・・・」

美紀「えっ////」

良太「ちょっと、この時計をしてみてくれない?」

美紀「いいけど・・・」(なんだろう?)


良太は、美紀の腕に時計をはめる。

美紀(なんか・・・婚約指輪されてるみたいなーーーーーーーーーー!!)

  (大吉効果抜群―――――――――――――!!)

アルゴ(な、な、な・・・すさま・・・・・・)

   (思考が複雑すぎる!!やばい・・・・)

   (情報の波がーーーーーーーーーーーーー!!)


アルゴの中に凄まじい情報が入ってくる。思春期の恋する少女の思考は複雑怪奇。

気を付けた方がいい。なかを覗かないように・・・。


良太のところにアルゴが戻ってくる。

良太≪どうだった?アルゴ≫

アルゴ≪お前で・・・よかったかもしれないな・・・毎日はきつい・・・≫

   ≪ただ、凄まじく情報は手に入った!!≫

   ≪性能アップに役立ちそうだ!!≫

良太≪?≫


アルゴの願いは叶った。神様はきまぐれで願いをかなえてくれるのかもしれない。

まずは願うことから始めてみよう。


布団でアルゴと話す。

アルゴ「神というやつはいるのかもしれない!!」

良太「えっ?」

アルゴ「おぉ、神よ!!」

良太「・・・どうしたの?宗教的な情報が・・・」

アルゴ「神だ!!宗教ではない!!」

良太「・・・今日の感情をいうね」

アルゴ「・・・そうだな」

良太「今日は・・・謎だね・・・どうして・・・公太はあそこで帰ったのか・・・ミステリーだ」

アルゴ「・・・謎を解け少年よ」

   「謎か。覚えとく」

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