第32話 疑問

クリスマスの季節が近づいていた。公太は家で過ごす。

母親「おじいちゃんの命日だから、お線香あげなさい」

公太「おう」

母親「お父さんにもね♪」

公太「わかってる」


公太は写真を前に、線香をあげる。

公太(じいちゃん、とうちゃん、ありがとう、今、幸せだ俺は。)


ただ、幸せな時ほど不幸を感じやすい。これは私の教訓だ。

世界が平和でありますように・・・。物語は荒れてもいい。


学校で終わりを迎える日、三人は話す。

良太「今年もうちでクリスマスね♪」

公太「おう!!」

美紀「りょ、了解です!!」

アルゴ≪毎年飽きないな・・・同じことだろう≫

良太≪少しずつ違うんだよ♪≫

アルゴ≪まぁ・・・そうだな。≫

良太≪えっ?≫

アルゴ≪感情が違うからな。前の年と≫

良太≪アルゴ♪アルゴ♪アルゴ♪アルゴ♪アルゴ♪アルゴ♪≫

アルゴ≪おい、連呼するな!!≫

良太≪ごめん!!つい、うれしくて♪≫


そして、クリスマス当日、良太の家に向かう。美紀。

美紀「今日は・・・今日こそは・・・」


向かう、公太。

公太「俺は邪魔なんじゃないか・・・けど、呼ばれてるしな・・・」


良太の家の前でばったり会う。

公太「おう、末永」

美紀「やはり、きたわね」(ホモがたき登場!!)

公太「いや、そりゃ来るだろう。俺はわかった。お前・・・良太のこと好きなんだろう」

美紀「な、な、な////」

公太「俺は敵じゃない・・・落ち着け!!」

美紀「ホモがたきなのに・・・?」

公太「なっ!!なんだ、その単語は!!」

美紀「あっ・・・口にでてしまった・・・」

公太「お前!!それはだめだ!!最悪なネーミングだ!!」


公太は落ち着いて話始める。

公太「応援するから・・・敵じゃない。俺は味方だ!!」

美紀「公太・・・」

公太「だから、殺意を俺に向けないでくれ」

美紀「そう・・・うん、わかった♪」

公太(ホモがたき・・・おそろしい発想だな・・・この女、歪んでやがる!!)


良太が家から顔をのぞかせる。

良太「二人とも来てたんだ♪入っていいよ」

美紀(きゃああーーーー!!)

公太「大丈夫だ末永・・・良太は、いま来たところだ」

良太「?」


今年は良太の部屋でくつろぐ三人。

良太「何しようか?」

公太「何でもいいぞ♪」

美紀「何・・・しようかね・・・?」

アルゴ≪王様ゲーム♪≫

良太≪王様は、あなたです。ゲームの必要がありません。≫

アルゴ≪ちっ≫


とりあえず、トランプをやる3人。ババ抜きをやる。

公太「・・・」

良太「・・・」

美紀「あがり♪」


良太と公太の戦いになる。男の対決に闘志に火が付く。

良太(これは負けられない闘いだ!!)

公太(負けられない闘いがここにある!!)

アルゴ≪バカの頂上決戦だな!!≫

良太「右だーーーー!!」

公太「くっ!!」


良太はカードを確認する。

良太「勝った!!」

公太「くそ・・」

美紀「公太の負けね。おしおきを決めなきゃね♪今までの」

良太「お仕置き?」

公太「・・・どのあたりから、溜まっていた。・・・そのお仕置きは!?」

美紀「長い間よ・・・そうそれは、私の大切な時間を奪う・・・長・い・間」

良太「えっ?」

公太「気にするな、良太!!・・・歪んだやつを助けるためだ」

良太「わかった・・・」

アルゴ≪お仕置き・・・いい言葉だ!!やりおる小娘!!≫

良太≪だめフレーズだよ!!≫



美紀の考えた、お仕置きが発動される。

美紀「そうね、私のいうことを1回聞きなさい!!いつ発動するかはわからないわ」

公太「わかった・・・」

良太「なんか・・・過激だよ・・・罰ゲームが・・・やめたほうが」

公太「これでいいんだ・・・俺は人を救う」

良太「公太?」

公太「俺の覚悟を無駄にするな・・・良太」

良太「・・・」(なんの話だろう?)

アルゴ≪一生だろうそこは!!いや・・・・発動までがわからない・・・恐怖を与えている・・・やはりやりおる!!≫

良太≪・・・≫


だらだらと過ごす三人。良太が漫画をとろうとして、公太のところでつまずく。

良太「おすすめの漫画は、この『正義の名のもとに』って・・」

  「おわっ!!」

公太「おわっ!!」

美紀「!!」


良太が公太の上に覆いかぶさる。公太は目をゆっくり開きながら起き上がる。

良太「ごめん、ごめん」

公太「いてて、・・・」

美紀(嫌な予感が・・・)

良太「!!」

公太「!!」

美紀(あ・・・・・・・・・・・・)


起き上がる公太、そして、良太と公太の唇は触れ合う。

良太「////」

公太「////」

アルゴ≪同性愛というやつか・・・場所によっては認められている。≫

良太≪何度も言ってるだろう!!違うーーーーーーーーーー!!≫


すぐに離れる二人。美紀はそれを固まったように見つめる。照れる二人。

良太「ご・・・ごめん///」

公太「お、俺のほうこそ////」

美紀「・・・」(オーマイガ――――――――――――!!)


美紀は考える。

美紀(ああ・・・すべてのテンプレートがホモがたきに奪われていく・・・)

  (王道テンプレートが・・・)

  (良太君のファーストチューが・・・ホモがたきに・・・)

  (ああ・・・神様・・・あなたは・・・どうして・・・歪な愛の形を作られたのですか?)

  (私は・・・あなたを殺しに行きます!!おぉ、神よ!!)

  (アイ、ウィル、ゴット、キル、ユウーーーーーー!!)


思春期の恋する少女は、神ですら殺そうとする。神殺しの称号は彼女たちから始まったのかもしれない。ほんとかどうかはわからない。

※神様をむやみやたらに殺さないでください。いい神様もいます。悪い神はやっちゃって結構です。


美紀は公太に命令を発動する。美紀の迫力はすさまじいものだった。神殺しを誓ったぐらいの凄い迫力だった。

美紀「こ・う・た、命令発動よ♪」

公太「ちょ、ちょ・・まって!!事故だ!!事故!!」

美紀「いいから、ちょっと外に出ろ!!」

公太「・・・ハイ」

美紀「良太君はそこにいてね♪」

良太「は・・・い」

アルゴ≪発動が早すぎるな・・・もったいない≫


そして、良太の部屋の外に公太を連れていく。美紀は静かな声でささやく。目がすわっている。

美紀「おい・・・貴様・・・ホモ野郎、応援はどうした?」

公太「・・・」

美紀「邪魔をしたよな・・・」

公太「あれは・・・事故です・・・末永様」

美紀「そうね・・・とんでもない超大事故よ!!取り返しのつかない!!二度と戻ってこないーーーー!!」

公太「いや、待て!!末永落ち着け!!」

美紀「おらーーーーーーー!!」


美紀の腹パンが公太に炸裂する。

公太「ぐっ・・・暴力はよくないぞ」

美紀「愛の試練を前に戦わない女はいないわ」

公太「俺が悪かった・・・許してくれ・・・お願いだ・・・末永」

美紀「無理ね・・・お仕置き発動よ・・・何発もつかしら・・・ね?」

公太「くっ!!」

公太「おふっ!!」

公太「ぐぇっ!!」

公太「ぎゃあーーーーーーーーーーー!!」


部屋にいる良太にも聞こえた。

悲鳴「ぎゃあーーーーーーーーーーー!!」

良太「なんだ!!」

アルゴ≪なんだ!!≫


思春期の恋する少女は戦う。ただ、暴力はいけません。法的にも犯罪です。

みなさんやめましょう。


良太の部屋に美紀がボロボロの公太を引っ張って入ってくる。

良太「なっ!!」

アルゴ≪何をした!!小娘!!≫

公太「・・・」

美紀「・・・」

良太「公太は・・・どうしたの?」

美紀「階段で足をすべらせたの・・・バカだから」(人生の階段という・・・階段でね)

良太「おい、公太!!おい、公太!!公太―――――――!!」

アルゴ≪これは違う!!そんな生易しいものではなーーーーーい!!≫

   (計算が追いつかない!!何をしたーーーーーー小娘!!)


そして、惨劇のクリスマスは幕を閉じた。


布団でアルゴと話す。

アルゴ「・・・」

良太「・・・」

アルゴ「・・・計算を超えるものがあるようだ・・・この世界には」

良太「・・・どういうこと?」

アルゴ「計算できないから・・・言えはしない」

良太「公太・・・大丈夫かな?」

アルゴ「一応、命は吹き返してたからな」

良太「そうだね・・・」

アルゴ「今日の感情を・・・聞いておこうか」

良太「今日か・・・疑問かな・・・公太に何が起きたんだろう・・・発言もよくわからないし」

アルゴ「疑問か。・・・・覚えとく」

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