第29話 謝罪
秋も深い時、学校で過ごす三人。
良太「この前の中間はできたぞ♪」
公太「おれは・・・どうも・・だめだ」
美紀「まぁ、公太。頑張んなさい♪得意でしょ頑張るの♪」
公太「そうだな・・・なぜ頑張ってもこれだけは結果がでないんだ?」
アルゴ≪馬鹿だからだ!!≫
良太≪・・・≫
ふと、話題がそれる。そして、公太が黙る。
美紀「けど、消防の知識はあるからできるんじゃない?」
公太「・・・そうだな・・・好きなことだからかもな」
良太「そうだよ♪」
美紀「あんたの死んだお父さんの為にも、頑張んなさいよ」
公太「えっ?」
良太「そうだよ♪」
公太「・・・」
公太が良太に話しかける。
公太「なんで、末永が知ってるんだ?」
良太「えっ?」
公太「俺はお前にしか話してない・・・」
良太「それは・・・」
美紀「いや・・・クリスマスの時に・・・」
公太「良太―――!!」
良太「・・・」
公太「お前勝手に話したのか!!」
良太「けど・・・良かれと思って・・・」
公太「お前は人の秘密を言いふらすのか!!」
良太「違うよ!!」
美紀「ちょっと、二人とも」
公太と良太がつかみ合いになる。美紀は先生を呼びにいく。
公太「それは悪いことだろうーーー!!」
良太「俺はそんなつもりじゃなかった!!」
美紀「やめてよ・・・」(先生を呼んでこなきゃ!!)
公太「つもりじゃなくても、俺は傷ついた・・・」
良太「・・・」(お前のことを思ったんだ、僕は・・・)
公太「お前とはしばらく口を聞かない!!」
良太「勝手にしろ!!バカ公太!!」
アルゴ≪・・・≫
そして、先生が駆けつける。
先生「どうした!!二人とも」
公太「なんでもありません・・・」
良太「なんにもないです・・・」
先生「いや・・」
良太・公太「何にもない!!」
先生「・・・」
美紀「・・・」(私のせいで二人が・・・)
それから、良太と公太は口を聞かなくなった。
美紀「ねぇ、二人とも」
公太「・・・」
良太「・・・」
美紀「仲直りしようよ・・・」
公太「・・・末永、俺は口を聞かないんだ」
良太「・・・末永さん、俺もだ」
美紀「・・・」(やだよ・・・そんなの・・・)
アルゴ≪何を意地になってる?≫
良太≪意地になってないーーーーーーーーー!!≫
アルゴ(はぁ~・・・よくわからん・・・・ほっとくか・・・)
良太はひさびさに一人で帰る。
良太(あぁ、ムシャクシャする・・・何が悪いんだ・・・・)
アルゴ≪・・・友情はどうした?≫
良太≪・・・今は無理だ!!≫
アルゴ≪・・・あきれる。お前に!!≫
良太≪アルゴまで!!知らない!!アルゴとも口を聞かない!!≫
アルゴ≪ご勝手に≫
良太は家で一人で過ごす。漫画読んでいた。
良太「・・・」(全然・・・楽しくない・・・公太のせいだ!!)
アルゴ(こいつはいつも矛盾だらけだな・・・楽しいのが好きなんじゃないのか・・・なぜ・・・つまらないことをする・・・)
良太「くそ~~~」
夕食を母親と食べる、良太。
良太「・・・」
母親「どうしたの?ムッとして?」
良太「公太と喧嘩したんだ・・・口を聞かないあいつとは!!」
母親「少し頭を冷やしなさい!!」
良太「かあさんまで・・・なんだよ!!」
母親「・・・良太・・・忘れちゃいけないことがあるの・・・考えなさい」
良太「忘れちゃいけないって・・・」(なんだよ・・・考えろって)
アルゴ(バカだから無理かもな・・・考えるのは)
翌日も口を聞かない二人。美紀もしゃべれなくなっていた。
良太「・・・」
公太「・・・」
美紀「・・・」(空気が重いよ・・・)
そして、放課後を迎える。美紀が勇気を出して二人にいう。
美紀「私が悪いの・・・勝手に聞いちゃったから・・・」
良太「末永さんは悪くないよ!!僕が勝手に話したんだ!!」
公太「わかってんじゃん。勝手に話したんだよ、お前が!!」
良太「そうだよ!!」
美紀「もう、やめてよ・・・バカだよ、二人ともーーーーーーーー!!」
アルゴ(この娘のいう通りだ。いつまで自覚しないんだ。この二人は?)
そういうと美紀はいなくなってしまった。
良太「・・・」(末永さんまで・・・)
公太「・・・」(なんでだよ・・・良太・・・なんでだ・・・)
アルゴ≪おい、馬鹿者!!≫
良太≪なんだよ!!≫
アルゴ≪お前以前、傷つけたらごめんって言えって、言ってたぞ!!その矛盾はどうするんだ!!≫
良太≪それは・・・≫
アルゴ≪あいつはちゃんとお前に傷ついたといった!!お前がおかしい!!≫
良太≪だけど・・・≫
アルゴ≪感情か・・・感情のせいにして、また逃げるのか!!≫
良太≪・・・≫
公太「・・・」
良太「公太・・・話がある」
公太「俺はない!!」
良太「僕が、話があるんだ!!」
公太「・・・いいよ、言ってみろよ!!納得したら許してやるよ!!」
放課後の教室で二人で話す。
良太「ごめん」
公太「えっ?」
良太「公太を傷つけた・・・だから謝るよ・・・ごめん」
公太「・・・」
良太「けど、悪いことをしたとは思ってないんだ・・・」
「俺は公太がクリスマスを好きになってほしいと願ったんだ!!」
「公太がクリスマスが好きって言えるように!!」
「だから、末永さんに協力してもらうために・・・」
「公太の秘密を・・・・しゃべっちゃったんだ」
公太「・・・そうか」
良太「いいよ。殴るなら殴れよ・・・一発だけだぞ・・・」
公太「じゃあ、遠慮なく!!」
公太が思いっきり良太に右腕を振り上げる。
良太(痛そうだな・・・)
公太「・・・」
ただ、手前でスピードを緩め、軽くほほをはたく。触るに近いのかもしれない。
公太「・・・俺も悪かった・・・ごめん」
良太「公太・・・ごめん」
公太「帰ろうぜ・・・良太」
良太「う・・・・ん」
放課後の帰り道、良太と公太は話す。
良太「明日・・・末永さんにも謝らなきゃね」
公太「そうだな・・・」
アルゴ(・・・そうか・・・それを待つか・・・)
そして、布団に入りアルゴと話す。
良太「アルゴ・・・聞かないの?」
アルゴ「・・・」
良太「ねぇ、アルゴ・・・・アルゴ?」
アルゴ「・・・」
良太「・・・」
翌日学校で美紀に謝る二人。仲直りを確認し、泣いてしまう美紀。
良太・公太「ごめんなさい!!」
美紀「・・・仲直り・・・したの?」
良太・公太「した!!」
美紀「バカちん・・・ううううう・・・心配したんだから・・・」
良太「泣かないで!!」
公太「そうだぞ!!」
美紀「あんたたちのせいよーーーーー!!ばかちんーーーーー!!」
良太・公太「・・・・ごめんなさい」
そして、布団でアルゴと話す。
良太「アルゴ・・・ごめん」
アルゴ「ようやく言ったな」
良太「アルゴも怒ってたの?」
アルゴ「そんな、感情はまだ知らん。」
良太「そうだね・・・ごめんアルゴ」
アルゴ「・・・聞いてやる・・・今日の感情は?」
良太「・・・謝罪かな。・・・僕が間違えてたよ・・・母さんがいったこともやっとわかった・・・考えなきゃいけなかったんだ・・・もっと」
アルゴ「そうだな!!母親にも謝れ!!」
「謝罪か。覚えとく」
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