第28話 熱血

2学期に入り、運動会が開催される。運動会の種目ごとに人を決めていく。

良太と美紀。

美紀「それじゃあ、1500メートル走は?」

公太「おれやるよ」

生徒(一番きついやつを・・・)

良太「公太ならどれでも一位だな♪」

公太「一番きついやつがいい!!」

生徒(えっ!!・・・あほだな・・・)

公太「トレーニングになるからな!!」

生徒(・・・なんか・・・熱血だな・・・)

良太「わかった!!」


良太は自分の種目を最後に決める。

美紀「ほんとにいいの?」

良太「えっ?」

美紀「でたいのとかないの?良太君」

良太君「・・・特にないかな・・・」

アルゴ≪引きこもりだからな・・・自宅警備勤続日数競争がいいと思うぞ≫

良太君≪・・・そんな種目はないよ・・・あっても困る・・・永遠の戦いになるよ・・・運動会にすら・・・でれない≫


良太の種目が決まる。

美紀「・・・じゃあ、障害物競争で・・・」

良太「末永さんもいいの?この、空いてるやつで?」

美紀「私も学級委員だし・・・良太君がするなら私もそうしようと・・・」

良太「えっ!!気にすることないよ」

美紀「けど、いい!!」(良太君と一緒・・・そっちのほうがいいかも♪)

アルゴ≪このメスなら何でも行ける気がする!!適材適所という言葉を知らんのか!!≫

良太≪てきざいてきしょ?≫

アルゴ≪もう・・・飽きてきたぞ・・・その流れ・・・≫

良太≪・・・ご指導を続けてください・・・アルゴ教授≫

アルゴ≪適材を、適した地位・任務につけることだ!!≫

良太≪ご指導ありがとうございます!!≫


そして、各自種目の練習に取り掛かる。

公太「ほっ、ほっ、ほっ」

良太「ほい、ほい」

アルゴ≪前より全体的に身体機能があがってるな≫

良太≪ほんと!!≫

アルゴ≪ほんとだ。足も速くなってるな。持久力も伸びてる!!≫

良太≪公太との・・・遊びのおかげだと思う・・・体使うの、多いから≫

  ≪いつのまにか・・・僕まで・・・トレーニングしてたとは・・・≫

アルゴ≪気付くのが遅いのが、バカの証拠だな!!≫

良太≪くっ!!≫

美紀「練習しようがないな・・・走るかとりあえず」


そうして、みんな練習をこなしていく。

先生「前のクラスにいたやつはわかると思うけど、合唱コンクールと一緒だ」

公太「楽しんで!!勝――――つ!!」

先生「そうだ♪」

生徒「は~い♪」

アルゴ≪2つ条件をつけると厄介だぞ≫

良太≪なんで?≫

アルゴ≪当たり前だ!!条件が増えれば、きつくなるのは・・・説明は以上≫

良太≪理解しました・・・≫


運動会当日を迎える。

先生「じゃあ、目標も大事だけど、ケガもしないなようにな♪」

生徒「は~い」

アルゴ≪おいおい・・・条件を増やし過ぎだ・・・永遠に増えてくぞ≫

良太≪人間は欲張りさんなのです♪≫

アルゴ≪欲か・・・無欲を目指す坊主というのもいるぞ!!≫

良太≪ごもっともです・・・アルゴは正しい・・・いつも≫


公太の種目が一番先であった。

公太「おっしゃ!!行ってくる!!」

良太「この気合いはいい気合いだ!!公太!!」

公太「えっ?」

美紀「公太、頑張んなさいよ!!」

公太「まかせろ!!」


ぶっちぎり一位をとってくる。

公太「走りたりないな・・・1500じゃ全然足らん!!」

良太「・・・お前だけ・・・スポコン漫画になってる・・・」

美紀「ファンタジーにも近いわ・・・どこの妖精なの・・・」

生徒(どういう・・・身体機能なんだ・・・)

アルゴ≪妖精だとーーーー!!≫

良太≪・・・≫

アルゴ≪どこにいる!!情報として欲しい!!≫

良太≪比喩です・・・≫


そして、次は良太の番になる。

良太「じゃあ、行ってくる!!」

公太「おう!!」

美紀「・・・りょ、りょ」

良太「?」

美紀「がんばっちぇください///」

良太「うん。ありがとう末永さん!!行ってくるよ!!」

美紀(いってらっしゃいませ・・・旦那様!!////)


思春期の恋する少女の妄想は日に日にたくましくなる。法律の壁など、届け出書類など、何もないかのように。頑張れ、恋する少女!!

※女性の結婚は16歳以上です。法律は守りましょう。書類も出してください。


良太は位置につく。

良太≪アルゴ、指示はいらないよ!!≫

アルゴ≪わかってる。無駄なことはしたくもない!!≫

良太≪ありがとう≫


そして、開始の合図がなる。走り出す良太。

良太(あれ・・・・)

良太(あれれ・・・)

良太(僕って・・・)

良太(もしかして・・・・)

良太(早いーーーーーーー!!)

良太≪アルゴなんかしてる?≫

アルゴ≪何もしていない・・・他のやつが劣ってるんだ、お前より≫

良太≪そうか!!≫

アルゴ≪そもそも、早いやつはこんな競技にでない・・・≫

良太≪ご指摘通りでございます・・・殿≫


良太も一位で帰ってくる。

良太「勝ったよ!!」

公太「さすが、良太!!俺の見込んだ男!!」

美紀「ご無事で何よりです」

良太「えっ?」

美紀(あぁ・・・勇ましい騎士のような・・・お・か・た♪)

アルゴ≪時々・・・この小娘言語障害を引き起こすな≫

良太≪・・・口が過ぎるよ・・・≫


そして、明かされなかった美紀の競技の番がくる。

美紀「じゃあ、いってきます!!」(旦那様!!)

良太「頑張ってね♪末永さん!!」

公太「末永、行ってこい!!」

美紀(あぁ・・・応援されてる良太君に!!頑張らなきゃ!!)

美紀「行ってくるね!!良太君!!」

公太(おい・・・・俺もいるぞ・・・)


思春期の恋する少女は盲目である。もう一人の男の存在が視覚、聴覚に届かないほどに。人はそこにいます、気付いてください。一応、友達であり、ホモがたきです、そいつは。

※人を故意に無視するのはやめましょう!!傷つきます!!彼女は恋で無視してるだけです。許してあげましょう。



アナウンスが流れる。

アナウンス「次は借り物競争です」

美紀(なにが・・・お題だろう?)


そして、開始の合図がなる。紙があるところまで、走っていく。

美紀「はぁ、はぁ、お題は?」


紙のいたずらか、神のいたずらか。それとも悪魔の罠か、ささやきか。

お題「白馬の王子さま」

美紀「な、な、な!!」

美紀(白馬の王子なんて・・・一人しかいないじゃないーーーーーーーーー!!)


上記のどれでもない。生徒のいたずらです。


美紀は急いで良太のところにいく。

良太「?」

美紀「良太君きて!!」

公太「?」(なにを借りにきたんだ?)


そして、審査員のところに走っていく。お題の紙を提出する。吠える美紀。

審査員「・・・これは・・・・」

良太「?」

美紀「何か・・・も・ん・く・が・あるのか!!ごらーーーーーー!!」

審査員「・・・・ございません・・・」(怖い・・・)

良太「・・・」

アルゴ≪なんだ・・・お題は?≫

良太≪わからない・・・けどなんかあるんだよ・・・きっと≫


思春期の恋する少女は勇猛に叫ぶ。好きなひとのためなら、果敢に挑む!!

※人の好きな人を馬鹿にするのはやめましょう。怒られます。勇猛果敢な方に。


最後の種目になる。クラス対抗別リレーが行われる。

公太「これ次第だな!!」

良太「・・・そうだね・・・点差があまりないからね」

美紀「なんか・・・運動会って、これで決まるみたいなところあるよね」

アルゴ≪点数配分がおかしいんじゃないか?≫

良太≪逆転ありきだよ!!ロマンだよ!!≫

アルゴ≪ロマンね~・・・≫


そして、クラスリレーが行われる。アンカーはもちろん公太。次々バトンが渡されていく。

生徒「ハイ」

デブ男「ブヒ!!」

生徒(ブヒ・・・?)


デブ男が遅れる。

デブ男「ヒ―ヒ―ヒ―」

デブ川「ブーブーブー!!」


デブ川も遅れる。

デブ川「ぜーぜーぜー」

デブ田「ぶうぶうぶーー!!」


そして、事件が起きる。デブ田がこける。

デブ田「あうち!!」

生徒(・・・・あうち・・・ブー関連じゃないんだ・・・)


ビリになってしまう。次の走者の美紀がデブ田に呼びかける。

美紀「デブ田――――!!こっちにきなさいーー!!」

デブ田「いくぶーーー!!」

美紀(そこで立ち止まったら・・・あたしのバトンが渡せないでしょーーーー!!)

  (白馬の王子にーーーーーーーーーーー!!)


そして、バトンが美紀につながる。

美紀(良太様・・・・今、馳せ参じまするーーーーーーーー!!)

良太「すごい!!末永さん早い!!」

アルゴ≪やりおる!!≫


あっという間に良太にバトンがわたる。だが、まだ前方との差があった。

良太「いくぞ!!」

美紀「お願い!!」

良太(いけるのか?とりあえず全力だ!!)


良太が走るのを見ている人たちが驚く。差がつまっている。追い上げていく。

公太「やるな!!」

先生(結構足早いな良太・・・)

美紀「すごい♪すごい♪」(素敵すぎる・・・死んじゃう・・・いくぞ!!も男らしかった)

アルゴ(過小評価しすぎたか・・・修正しておくか)

良太「うぉおおおおおおーーーー!!」


公太に最後のバトンがわたる。3位にまで追い上げていた。

公太「まかせろ!!」

良太「頼んだ!!公太!!」

公太(お前がこんだけやったんだ・・・良太・・・俺も負けるわけにはいかないーーーー!!)


公太がどんどんせまっていく一位に。

公太「おらぁああーーーーーーーーー!!」

一位「!!」

公太(あと少し・・・少し・・・)

デブ田(・・・あと・・・少し・・・少し)


ゴールテープを切る公太。クラスメート達が駆け寄ってくる。

良太「やったな!!」

公太「はぁ、はぁ、・・・少し本気出し過ぎて疲れた・・・」

美紀「う~ん。良太君のおかげね♪」

公太「末永そりゃないぜ・・・みんな頑張ったんだから」

美紀「そうね♪」

デブ田「・・・あの・・・ごめん」

良太達「?」

デブ田「俺のせいで・・・」

デブ川「俺もだよ・・・」

デブ男「・・・俺も同じく」

良太「気にすることないよ♪2位だけど♪やりきったんだ!!楽しんだから!!」

  「それにリレーは一人じゃできないし!!みんなでやるんだ、リレーは!!」

美紀「そうよ!!」

デブ3人「・・・ありがとう・・・」

公太「お前ら・・・仲直りしてやる!!」

デブ3人「公太さん!!」

公太「もう・・・悪いことすんなよ♪」

デブ3人「ハイ!!」

良太・美紀「ふふふ」


布団でアルゴと話す。

アルゴ「ちゃちゃん、ちゃちゃん、ちゃちゃちゃん!!タンタラッタッタ、タッタタ♪」

良太「天国と地獄だね♪運動会らしい」

アルゴ「今日の感情は、どうでおじゃる?」

良太「おじゃ・・・」

アルゴ「小娘の言語障害を参考にした。」

良太「あれは・・・なんだったんだろうね・・・ご無事で・・」

  「それより・・・感情だね。・・・熱血かな!!血が燃え滾ったよ!!今日は!!」

アルゴ「熱血か。覚えとく」

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