第26話 反省

夏休みの中、台風が迫っていた。家で過ごす良太とアルゴ。

良太「今日は・・・退屈になりそうだよ・・・アルゴ」

アルゴ「外にでれないと、何もないからな」

良太「漫画でも」

アルゴ「それは飽きた!!やめろ!!」

良太「・・・僕は飽きてないよ」

アルゴ「王は飽きた!!国民は従え!!」

良太「独裁政権だ・・・・」


外の台風を眺める良太。

良太「風が強いよ・・・」

アルゴ≪当たり前で低気圧に吸い込まれているからな≫

良太≪どういうこと?≫

アルゴ≪気圧の高いところから低いところに空気は流れるんだ。それが風となる≫

   ≪だから、低気圧過ぎるとこういうことになるんだ≫

良太≪そうか!!気圧といえばパスカルだね♪≫

アルゴ≪ほんとに・・・少しだけは成長したな・・・ほんの数ミリ程度な≫

良太≪ぐっ!!≫


母親のいるリビングに移動する。

母親「今日は危ないから外にでないようにね」

良太「は~い」

母親「買い物にもいけないわ・・・」

良太「えっ?ごはんないの?」

母親「カップラーメンならあるわよ」

良太「ニシシ」(やった!!ひさびさのカップ麺!!)

母親「体に悪いから・・・こういうときぐらいしかダメよ!!」

良太「は・・・い」(毎日でもいいのに・・・)

アルゴ≪リンがたくさん入ってる。塩分も過剰だ!!お前の母親のいうとおり体に悪い≫

良太≪は~い≫

アルゴ≪がんになる可能性もあると発表されたこともある。まぁ賛否両論だがな≫

良太≪ガンになっちゃうの?≫

アルゴ≪過剰にとればだ!!1食でなったら、お前ら絶滅している≫

良太≪・・・気をつけます≫(なんか、アルゴって時たまやさしい・・・時たまじゃないな・・・結構かな・・・)


家でカップラーメンを食べる。良太と母親。

母親「お父さん、忙しいみたいで、まだ日本に帰ってこれないって」

良太「長いね・・・」

母親「お父さんも良太に会いたがってたわよ♪さみしいって」

良太「僕もさみしい♪」

母親「今度電話でもしてあげましょう♪良太の声をきかせてあげないとね♪」

良太「うん」


部屋に戻る良太。アルゴに変な質問をする。

良太「アルゴは電気食べてるけど、電気っておいしいの?」

アルゴ「・・・お前・・・やっぱり成長してない・・・バカだな」

良太「えっ?」

アルゴ「味覚がない俺には!!おいしいなど知らん!!」

良太「そうでした」

アルゴ「だから、お前で試してやる!!電流の食事だ!!食ってみろ!!」

良太「ぎゃあーーーーーーーーーーー!!」(おいしくない・・・痛いーーー!!)


電流の食事が終わる。

良太「はぁ、はぁ、」

アルゴ「はぁ~、退屈だな」

良太「退屈がわかってきたね♪アルゴも♪」

アルゴ「そうか・・・感情が少しわかったな・・・」

良太「アルゴは・・・すごいよ」

アルゴ「うん?」

良太(機械じゃないよ・・・多分アルゴは・・・)


部屋でテレビをつける良太。台風のニュースがやっていた。

良太「外はすごいことになってるね・・・」

アルゴ「自然ってやつには勝てないらしいからな。人間は」

良太「そうだね・・・」

アルゴ「まぁ、対策を進めればいつかは対抗できる」

良太「そうか!!」

TVニュース「次はXX市の被害状況です」

良太「えっ?」


良太たちの住んでるところだった。

アルゴ≪この近くだな≫

良太≪外は危ないね・・・≫

TVニュース「川が氾濫してます・・・民家が一軒倒壊しています!!」

良太「えっ!?」(大丈夫かな・・・)

アルゴ「お前が行っても無意味だぞ」

良太「・・・」

TVニュース「中には人が取り残されています!!」

良太「行かなきゃ・・・」


良太は立ち上がり、外に出ようとする。

アルゴ「バカかお前は!!お前じゃなにもできない!!」

良太「けど・・・アルゴがいればできるよ!!アルゴ!!力を貸して欲しい!!」

アルゴ「・・・わかった・・・しょうがない・・・飼い主の義務だ!!ペットのそそうは!!」

良太「ありがとう!!」

アルゴ(また・・・それか)



良太は外に飛び出す。アルゴと共に。民家の近くまで行く。最後はお互いを指さし笑う二人。

良太「あれ・・・」

公太「あれ・・・良太!!」

良太「公太!!」

アルゴ≪バカばっかりだな・・・≫

公太「もしかして、良太もニュースみて飛び出してきたのか?」

良太「公太もか・・・」

良太・公太「バカだな!!お前は!!」

アルゴ≪自覚しろ!!≫


救助隊がいた。消防隊員たちの姿もあった。

消防隊員「子供がこんなところで・・・危ないから下がってなさい!!」

良太「・・・けど」

公太「助けたいんです!!俺たちに手伝わして下さい!!」

消防隊員「なっ!!」

アルゴ≪邪魔だなこいつは・・・排除するか≫

良太≪だめだよ!!≫


消防隊員は話を続ける。

消防隊員「君たちじゃ、何もできない!!お家に帰りなさい!!」

公太「・・・」

良太「・・・」

消防隊員「邪魔になる!!」

アルゴ≪邪魔もなにも・・・お前らも何もできてないだろう・・・人が残ったままだ≫

良太≪えっ!!≫

アルゴ≪あそこにいる。生態反応がある。体借りるぞ、良太≫


アルゴが良太の体を動かし、民家まで走っていく。

消防隊員「なっ!!」

公太(さすが良太!!)


民家につく、瓦礫の下に人がいた。隙間ができており生きていた。

良太「これから、助けます!!」

人「・・・お願い・・・助けて」

アルゴ≪だめだな・・・お前ひとりじゃ・・・力が足りん・・≫

良太≪どうすれば・・・≫

アルゴ≪てこの原理だ!!ただ、もっと人数がいる。お前が集めろ。≫


良太は大声を上げる。

良太「ここに人がいますーーーーーーーーーーー!!」

公太「わかった!!」

消防隊員「えっ!!」


良太のところに人が集まる。

良太「テコの原理で瓦礫の隙間をあけます。お願いです力を貸してください!!」

消防隊員「・・・」(この子・・・)

公太「まかせろ!!その為に鍛えたんだ!!俺は!!」

良太「頼む、公太」

アルゴ≪俺が棒を刺す位置を決める。計算してやる!!≫

良太≪お願いアルゴ!!≫


そして、良太が瓦礫の下に、棒を差し込む。アルゴの指示通りに。良太と公太の声に合わせてみんなで棒を下におす。

良太「みなさん、手伝ってくださーーーーい!!」

消防隊員「・・・」(結構・・・力が強いのか・・・この子・・・あの棒を一人で)

公太「いくぞ良太!!」

良太・公太「いっせの!!せっーーーーーー!!」


棒を思いっきり下に押す。瓦礫の隙間が大きくなる。人が取り出せるようになった。

消防隊員「要救助者確保!!すぐに搬送をしろ!!」

救急隊員「はい」

良太(よかった・・・)

公太「すげえな良太は!!やっぱりすごいお前は!!」

良太「僕だけじゃないよ・・・」

公太「えっ?」


良太と公太は消防隊員に説教される。

消防隊員「君たち!!勝手にやって!!だめだ!!」

良太「ごめんなさい」

公太「ごめんなさい」

消防隊員「はぁ~・・・・けど助かった感謝する」

良太「・・・」

公太「エヘヘ」

消防隊員「あれ・・・君どっかで見たな?もしかして、武さんの息子の」

     「公太君か!!」

公太「とうちゃん知ってるんですか?」

消防隊員「あぁ・・・すごくお世話になった。俺の恩人だ」

     「金髪だったから、気付かなかったよ。」

    「立派になって。ただ、こういう時にでてきちゃうのは、武さんと一緒だな」

公太「・・・そうです。親父の息子だから俺は!!」

良太「いずれ消防隊員になる男です!!公太は!!絶対なる!!」

消防隊員「そうか・・・待ってるよ・・・君がくるのを・・・公太くん」

公太「ハイ!!」

消防隊員(うん・・・いい後輩ができそうだ♪)


そして、家に帰る良太。母親がびっくりする。

母親「な、なに!!その・・・びしょ濡れじゃない!!」

良太「・・・ごめんなさい・・・」

母親「外にでちゃだめって言ったでしょ!!」

良太「・・・ごめん」

アルゴ≪怒られてばかりだな・・・お前は≫

母親「すぐにお風呂に入ってらっしゃい!!風邪をひくわよ!!」

良太「は・・・い」


布団でアルゴと話す。

良太「・・・はぁ~」

アルゴ「当然だ!!」

良太「えっ!?」

アルゴ「お前の行動は常軌を逸してる!!」

良太「・・・ごめん」

アルゴ「で今日の感情は?」

良太「・・・反省です・・・怒られてばかりで・・・けど僕が悪いから・・・反省します」

アルゴ「馬鹿者!!反省か。覚えとく」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る