第25話 尊敬

良太たちは夏山休みに入った。そして、海へ行く。

良太の母付き添いのもと。

母親「あまり、危ないことはしないでね♪しっかり、準備体操してから遊んで」

良太達「は~い」


良太達は準備運動をする。

良太「海か~」

公太「いいな、海は♪」

美紀「////」(また、裸の王子様が・・・)

アルゴ≪海も情報が多いな。これはいいかもしれない。≫

良太≪アルゴも海好きでよかった♪≫


何度でもいう。良太は全裸ではない。上半身が裸である。

準備体操を終え、公太が走り始める。砂浜で公太を追いかける良太。それを見ている美紀。

公太「いくぜ~~」

良太「待てよ、公太♪」

公太「つかまえてみろよ♪」

良太「アハハ、待てよこいつ♪」

美紀(また・・・こいつが私のヒロインポジションを奪っていく・・・)

  (海で追いかけっことか・・・うらやましいんですけど!!)

  (お前はあれか!!ホモがたきなのか!!くそ公太!!)

  (あれだな・・・海に沈めるか・・・浜に埋めるか・・・それとも!!)

  (息の根をとめるかーーーーーーーーーーー!!)


思春期の恋する少女は、一種の病である。歪んだ少女であり、歪んだ症状である。

人格すら変えてしまうほどに。

※殺人は絶対いけません。やめてください。人様の息の根を止めないでください。


良太たちは海にはいり、ビーチボールでバレーをする。

美紀「・・・」

公太「おっと」

良太「さすが、公太やるな♪」


美紀の方にボールが上がってくる。

美紀(入射角45度、強打を開始する!!全身を使え!!ほえろ私の肉体ー―!!)

  (私はなんのために部活をやってきた!?このためだろうーーーーーー!!)

  (目の前の敵を排除しろーーーーーーーーーーー!!)


あなたが部活をやってきたのはそのためではない。目的すら歪んでしまっている。

怖い病。そうそれは恋の病。


美紀の渾身のアッタクが炸裂する公太に。ビーチボールとは思えない威力だった。

公太「うぉ!!」

良太「・・・」

アルゴ≪ビーチボールでこの威力とは。やりおる。この小娘!!≫

良太≪バレー部だからね・・・末永さん≫

美紀「どうだ、まいったか!!」(このホモがたき!!)

公太「なんか・・・末永・・・時たま・・・俺に殺意らしきものを向けてないか・・・」

美紀「どうでしょう・ね!!」

公太「・・・」(あれ・・・なんかしたっけ?)

良太「・・・」(怒ると怖い・・・末永さんは・・・覚えとく)

アルゴ≪いいメスだ!!≫


休憩に入りかき氷のメニューを前に悩む。

公太「ブルーハワイって響きがいいよな♪」

良太「僕は、メロン派だからね。高級そうだし」

公太「・・・確かに。高そうだな!!」

美紀「シロップだから・・・ほんとのメロンは使ってないよ。私は、いちご派」

公太「なっ!!」

良太「それは・・・知ってるよさすがに」

アルゴ≪ほんとか?≫

良太≪ほんとだよ!!≫


かき氷を食べる3人。公太と良太が勢いよく食べ始める。

公太「うまい♪」

良太「頭がキーンとする!!」

美紀「あまり、急いで食べちゃだめだよ、良太君」

アルゴ≪その娘のいう通りだ!!冷たいなどの刺激は三叉神経(さんさしんけい)を通じて脳に伝わるが、冷たいものを急に食べるとその刺激の強さに喉の三叉神経が混乱してしまう。それを、冷たさを「痛み」と勘違いし、さらに刺激があった場所を口ではなく「頭」として伝えてしまうので頭痛が起こる≫

良太≪さんさしんけい?≫

アルゴ≪お前に知的なことを説明してもわからんだろうな・・・≫

良太≪確かに・・・けど・・・これからも・・・ご解説お願いします・・・アルゴ先生≫

公太「俺もきたーーーー!!」

美紀「バカちん・・・急ぐなといっただろう・・・」


公太は一人で海で遊んでいた。良太と美紀は二人で座って話す。

良太「日に焼けちゃうね♪」

美紀「そう・・・!!」

  (これはもしかして・・・オイルを塗ってくれる展開・・・)

  (たまにテレビで見るやつ!!)

  (あぁ、けど・・・私たち子供だよ!!だめだよ、そんなことーーーー!!)

  (でも、良太君に塗ってもみたいーーーーーーーーーーーーー!!)

美紀「/////」

良太「末永さん?」

アルゴ≪こっちの娘の方が感情に詳しそうだな・・・あっちにつけばよかった≫

良太≪自爆機能があるので・・・僕で我慢してください・・・アルゴ様≫

アルゴ≪お前は・・・手間ばかりかかるからな・・・≫

良太≪・・・ごめんなさい・・・≫


美紀が良太の時計に気付く。

美紀「良太君・・・そういえばいつもその時計してるね?」

良太「これは・・・お気に入りなんだ!!」

美紀(どくろか・・・あまり良太君っぽくないけど・・・男の子ってこういうのに憧れるし・・・)

良太「あはあは」

美紀「海にも入れて大丈夫なの?海水で錆びたりしない?」

良太「えっ!!」

アルゴ≪大丈夫だ!!そんなことでは錆びない!!≫

良太「大丈夫!!」

美紀「すごい時計だね・・・・」(錆びない時計・・・そんなもの世にあるのかしら?)


公太は一人もくもく海で遊んでいる。

良太「公太は・・・海大好きなのかな?」

美紀「う~ん。好きそうではあるけど」

良太「けど・・・疲れてそうに見えるけど」

美紀「そうだね・・・息遣いも荒いし・・」

良太「ちょっと、行ってくる!!」

美紀「うん」


公太に近づく、良太。公太は大分息遣いが荒かった。

良太「そろそろ、休んだ方がいいよ公太」

公太「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」

良太「公太?」

公太「体鍛えてるからな・・・もう少しやっときたいんだ」

良太「えっ?」

公太「海でもトレーニングになるからな!!あんまこれないし!!」

良太「・・・公太」(お前・・・すごいよ)

公太「もう少し」

良太「やめろ公太!!疲れすぎて溺れる!!」

公太「えっ?」

良太「だから、砂浜にしろ!!トレーニングは!!そしたら、倒れても助けられる」

公太「そうか・・・そうだな!!」

アルゴ≪こいつは、バカだが・・・なかなかやるなこいつも!!≫

良太≪アルゴもわかってきた!!公太はすごいやつだ!!≫


海での遊びが終わり、帰りの電車で三人は日に焼け、眠りにつく。

良太達「Zzzzz」

母親「ふふふ、いっぱい遊んでたからね♪」


布団でアルゴと話す。ただ、良太はアルゴを磨く。

良太「ふきふき」

アルゴ「なにをしている?」

良太「いや、アルゴを綺麗にしようと思って。海水で錆びないって言ってたけど」

  「一応・・・それに恩もいっぱいあるし・・・」

アルゴ「いい心がけだな。褒めてつかわす」

良太「はは~。王様」

アルゴ「それでは、今日の感情を申してみよ」

良太「ご報告させていただきます!!」

  「今日の感情は、尊敬です!!」

アルゴ「尊敬?」

良太「公太を見て思ったんだ・・・夢にまっすぐで・・・努力して・・・あいつはすごいって・・・だから尊敬したんだ!!公太を!!」

アルゴ「尊敬か。覚えとく」

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