第24話 沈黙
今日は、芸術鑑賞の特別授業の日。外の美術館へ作品を見学に行く。
良太≪芸術って、あまりわからないんだよね≫
アルゴ≪まぁ、バカには理解不能だろうな≫
良太≪アルゴは芸術ってわかる?≫
アルゴ≪俺は機械だからな。色彩の画素数の組み合わせでしかない≫
良太≪そうだよね・・・僕もそんな感じ・・・≫
アルゴ≪お前は漫画しか読まないからな≫
良太≪漫画の絵だったら凄さがわかる!!あのはねバドの作家さんはうまい!!動きの臨場感がすごいんだ!!バトミントンとバトルの融合すら感じるすごい絵だ、あれは!!≫
アルゴ≪・・・≫
そして、美術館に到着する。
公太「芸術か・・・」
良太「芸術だね・・」
美紀「芸術♪」
色々な絵を見て回る。フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
良太「・・・」
美紀「すごいわね!!」
公太「・・・写真でいいんじゃないか?」
美紀「全然わかってない!!」
良太(公太と同じ意見だ・・・)
アルゴ≪これはオランダのモナ・リザと呼ばれてるらしいぞ≫
良太「オランダのモナリザ・・・」
美紀「さすが、良太君!!」
良太「へっ?」
美紀「制作されたのは、1665年もしくは1666年と推定されている。フェルメールが33歳から34歳の頃で、画家として安定した技量を発揮しつつあった時期である。異論がないわけではない。この少女のモデルをフェルメールの娘マーリアであるとして1670年代とする意見もあるが、1670年代の彼の技法はこの絵と明らかに異なっているため、可能性は低い。ただし、本作の構図は極めて単純で、少女の上半身が描かれているだけで他に年代を推定できるような物品や背景が無く、後で述べるように少女の特徴であるターバンも全くの異国の風俗で、オランダ社会のファッションの移ろいとは無縁であるなど、時代から隔絶した趣が強く、1665年又は1666年という数字もあくまで推測の域を出ない。この絵画には「IVMeer」という署名があるが、日付はない。注文を受けて描かれたのか、そうであれば誰から注文を受けたのか、という事も不明である。その後、フェルメールは1675年に43歳で破産同然で死去したので、残された作品も競売にかけられるなどして散逸した。『真珠の耳飾りの少女』・・・」
良太「・・・」
公太「次行こうぜ・・・」
アルゴ≪wikiペディアみたいなやつだな・・・この女・・≫
次の絵に移動する。「民衆を率いる自由の女神」の絵をみる。
良太「これは・・・なんかわかるかも」(漫画チックな感じだ!!)
アルゴ≪お前の基準の低さも漫画チックだな。存在自体も漫画チックだ。≫
良太≪なっ!!≫
公太「いいな、正義を感じる!!」
美紀「二人ともよくわかってる」
良太・公太(いやな予感が・・・)
美紀「絵の中心に描かれている、銃剣つきマスケット銃を左手に持ちフランス国旗を目印に右手で掲げ民衆を導く果敢な女性は、フランスのシンボルである、マリアンヌの姿の代表例の一つである。絵画としてのスタイル、フランス7月革命というテーマから、絵画におけるロマン主義の代表作と言える。
原題のLa Liberté guidant le peupleから分かるように、女性は自由を、乳房は母性すなわち祖国を、という具合に、ドラクロワはこの絵を様々な理念を比喩(アレゴリー)で表現している。一方で彼女がかぶるフリギア帽は、フランス革命の間に自由を象徴するようになった。やはりマスケット銃を携えて女性に続くシルクハットの男性はドラクロワ自身であると説明される事が多い。女性の左隣の二丁拳銃の少年については誰をイメージしたのかは不明。・・・」
良太「末永さん・・・次行こう」
公太「そうだ・・・」
アルゴ≪なかなかやるな。このメスは。前から歌といい・・・非凡なものを感じる≫
『ムンクの叫び』を見る三人。ふざける二人。
公太「プハハ♪」
良太「くぅ・・・ぷぷぷ」
美紀「・・・」
公太「ハゲたおっさんがなんかおもしろい顔してるぞ♪良太」
良太「やめろよ!!公太!!笑っちゃうだろう♪巨匠に失礼だ♪・・・・ぷぷぷ」
良太・公太「アハハハハ」
美紀「やめなさい!!」
良太・公太「えっ?」
美紀「はぁ~、これだから素人は全然ね」
良太・公太(あなたも素人のはずです・・・末永さん・・・)
美紀「いい、ちゃんと聞きなさい!!二人ともーーーー!!」
良太・公太「・・・・・・はい」
アルゴ≪オスのくせにメスに負けるとは情けない。お前らの本能はどこにいった?≫
良太≪遥か彼方です・・・≫
美紀が説明を始める。
美紀「『叫び』(さけび、ノルウェー語: Skrik、英語: The Scream)は、ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクが1893年に制作した、彼の代名詞とも言える油彩絵画作品。ムンクは同年と1895年にパステル、1895年にリトグラフ、1910年にテンペラで同じ題名、同じ構図による作品を描いており、全5点の『叫び』が存在する。日本ではムンクの名と併せて「ムンクの『叫び』」と呼ばれることも多い。
幼少期に母親を亡くし、思春期に姉の死を迎えるなど病気や死と直面せざるを得なかった1890年代のムンクが、「愛」と「死」とそれらがもたらす「不安」をテーマとして制作し、「フリーズ・オブ・ライフ(生命のフリーズ)」と称した作品群のうちの一作であり、『叫び』はその中でも最も有名な作品よ。」
美紀は続ける。最後美紀は良太をにらみつける。
美紀「「叫び」はこの絵で描かれている人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」のことである。絵の人物は、「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいるのである。なお、ムンクがこの絵を発表した際、当時の評論家たちに酷評されたが、のちに一転、高く評価されるようになったのよ♪」
美紀「だから、そのうちあなた達にもこの価値がわかるわ!!」
良太・公太「は・・・・い」
公太(どうみても、落書きなんだけどな・・・俺も書けそうだ・・・公太の叫び)
良太(公太が・・・はげてるとかいうから。)
アルゴ≪いや、ハゲだぞ。そいつは!!髪がないからな!!≫
良太「ぷぷぷ」
美紀「良太君・・・」
良太「ごめんなさい・・・」
美術館を歩く中、アルゴがある音楽を良太の頭に流し続ける。
アルゴ≪♪≫
良太≪さっきから・・・リピート再生されてるけど・・・これなに?≫
アルゴ≪さだまさしの関白宣言だ≫
良太≪どうしてこれを・・・?≫
アルゴ≪オスの強さを取り戻させるためだ。しつけの一環だ。≫
アルゴ≪♪≫
良太≪くそ・・・なかなかいい曲だ!!洗脳されるーーーーー!!≫
≪けど、浮気しちゃだめだーーーーー!!まさしーーーーー!!≫
※結婚してからの、浮ついた気持ちは、倫理に反するので不倫と呼ばれます。
法で罰せられます。気をつけましょう。
そして、事件は起こる。この絵の前で「ヴィーナスの誕生」。
美紀(これは・・・芸術だけど・・・)
公太「・・・画家はエロいやつが多いな・・・」
良太「////」
美紀「良太君、みちゃだめーーーーーーーーーーー!!」
良太の両目にチョキが突き刺さる。傷害事件が起こった。
良太「ぎゃあーーーーーーーーーーーーー!!」
アルゴ≪目つぶしか!!やるな!!≫
良太≪目が、目が、おめ目がーーーーーーーーーーーー!!≫
美術館での一日が終わる。
先生「じゃあ、明日はこの感想文を書いてもらうぞ」
生徒「は~い」
良太「・・・」
美紀「ごめんね・・・いきおいあまって・・・」
公太「ぷぷぷ」
良太「後半目が見えなかった・・・」
美紀「もう、見える?」
良太「見える・・・」
美紀「ほっ」
アルゴ≪まぁ、お前が芸術を見てもなにもなさそうだしな≫
良太≪そうだね・・・目が見えないから・・・心の目でみたよ・・・末永さんの説明で・・・≫
アルゴ≪そんな機能があるのか!!心の目!!≫
良太≪単なる・・・・妄想だよ・・・≫
布団でアルゴと話す。
アルゴ「・・・ぎゃあーーーーーーー!!」
良太「どうしたの!!アルゴ!!大丈夫!!」
アルゴ「アルゴの叫び」
良太「心配したよ・・・壊れたかと思った・・・」
アルゴ「今日の感情を教えろ。」
良太「う~ん・・・・目が見えず・・・しゃべれず・・・沈黙かな。ほとんどしゃべってもないし・・・」
アルゴ「沈黙か。覚えとく」
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