第23話 恐怖
これは中学二年の夏の物語。学校への支度をする。
アルゴ≪今日から、プール開きというやつだな≫
良太≪去年はアルゴのせいで見学だったからね・・・≫
アルゴ≪俺のせいではない。お前の体力がなかっただけだろう≫
良太≪違うよ!!アルゴしてたら、怒られると思ったんだ、先生に≫
アルゴ≪なんだ、排除すればいいのか?≫
良太≪・・・あらゆるものが敵になるね・・・≫
学校に行きながらアルゴに問いかける。
良太≪外したら、だめかな?≫
アルゴ≪爆発したければいいぞ≫
良太≪・・・だめだね≫
アルゴ≪そうだな≫
そして、学校でプールの時間が来る。
先生「あれ、良太見学か?」
良太「はい・・・」
先生「保健室へいくか?」
良太「大丈夫です・・」
公太がそのやりとりに気付く。
公太「良太!!今日、元気だろう?」
良太「えっ?」
公太「さっきまで、俺とふざけてたし」
良太「それは・・・」
先生「仮病はよくないぞ!!」
良太「・・・」(どうしよう?)
アルゴ≪排除すればいい。簡単だ≫
良太≪学校これなくなっちゃうよ・・・≫
アルゴ≪それは、困るな≫
良太(アルゴが困ってる!!あるじゃないか!!困ること!!)
先生「で、本当はどうなんだ!!」
良太「いけます・・・」
そして、時計をしたまま、プールへ向かう。
良太(来てしまった・・・どうしよう)
アルゴ≪気にすることはないんじゃないか≫
良太≪・・・もうどうにでもなれ!!≫
準備体操が始まる。
良太(あれ・・・以外と気付かれてないぞ)
アルゴ≪人間ってのは、変化に気付きにくい生き物だから≫
良太≪そうかも♪≫
先生「それじゃあ、各自好きに泳げ!!」
生徒「は~い」
先生「くれぐれも、飛びこむなよ!!」
みんな、プールに入っていく。良太もドキドキしながらプールに入る。
良太(久々のプールだ!!楽しみだ!!)
(くぅ~~この感覚だよ、プールに入った時の冷たいような気持ちいいような感覚)
(お風呂とは違った意味で最高だね♪)
アルゴ≪俺にはわからん≫
公太が良太のところに近づいてくる。
公太「良太♪」
良太「公太♪」
公太「さぁ、なにするか!!」
良太「・・・お前の気合いは時々怖い・・・」(嫌な予感のフラグだ・・・・)
公太「えっ?」
公太「とりあえず、水の掛け合いっこでもするか!!」
良太「・・・待って!!」
公太の激しい水しぶきが良太を襲う。
公太「せい、せい、せい、せい、せい、せい、せい」
良太「ぶほーーーーー!!」
良太(息が苦しい・・・地上にいるのにおぼれてーーーーる!!)
(公太と水も危険だーーーーーー!!)
アルゴ≪人間は簡単に溺れるからな。少量の水で水死する。≫
良太≪それより、アルゴ手伝って!!ペットが死んじゃうよ、ご主人様――――!!≫
アルゴ≪それは困るな≫
アルゴを使ってやり返す良太。
良太「このくそーーーー!!」
公太「ハハハ」
※水の掛け合いっこは過剰にやると、溺れる可能性があります。
みなさん気を付けてください。激しく連続でやると呼吸ができなくなります。
注意が必要です。下手したら殺人になります。
その二人の様子を眺める美紀。美紀の目には二人がまぶしく映っていた。
美紀(公太めーーーーーーーー!!良太君と・・・良太君とーーー!!)
(プールで水の掛け合いっこなんて・・・うらやましいーーーーーーー!!)
(うらやましすぎーーーーーーーーーーーーーーーーーる!!)
(ずるい・・・・・・・ずるし、ずるし、ずるし!!憎し、憎し、憎し!!)
美紀「はぁ~」
(けど・・・水着で近づくの恥ずかしいな・・・)
(良太君に見られたら・・・嫌だな・・・)
(あぁ・・・どうしたらいいの・・・神様!!)
(ううぅう・・・もっとモデルみたいな体型だったら・・・)
(違う・・・橋本環奈ちゃんに生まれれば・・・)
(あぁ・・・武井咲ちゃんも捨てがいた・・・)
公太と良太の戦いがひとまず決着を迎える。
公太「まいった、まいった♪」
良太「はぁ、はぁ、はぁ、」
アルゴ≪俺に勝てるわけがないだろう。死体でも動かすぞ≫
良太≪・・・僕の生命維持機能も追加してほしいです・・・・≫
アルゴ≪考えとく≫
良太と公太は話す。
公太「次は何をするか・・・・」
良太「もう・・・公太の提案は無視する」
公太「ひどいぞ!!良太!!」
良太「こういう時は・・・末永さんがいれば・・・」
美紀を探す良太。
良太「いた!!末永さん!!」
美紀「!!」
良太が近づいていく美紀に。
良太「末永さ~ん、公太だけじゃ危ないから一緒に遊ぼう♪」
美紀(良太君が裸で近づいてくりゅーーーーー!!////)
(だめだよ私たち・・・まだ子供だよ・・・そんなことーーーー!!////)
(そんなにまぶしい笑顔で私のところに来ないで!!)
(太陽が近づいてくるーーーーーーーーー!!////)
良太「末永さん?」
美紀「////」
良太は裸ではない。上半身が裸である。思春期の少女の妄想はたくましい。
詩的なものすら感じるほどに。
良太は美紀の手を引っ張っていく。
良太「こっち、」
美紀(手を手を!!おててを!!つないでまする!!良太王子!!////)
公太「おう、きたな末永!!」
良太「公太の危ない遊びを止めて欲しいんだ」
美紀「公太の?」
(あぁ、またこいつか・・・公太があたしの邪魔をしている・・・)
(殺意すら覚えてきたわ・・・公太!!覚悟なさい!!)
公太「なんだよ・・・そんな目でにらむなよ・・・こぇえよ」
良太「末永さん・・・・」
思春期の少女の恋愛に対する、憎しみは怖い。殺意ではないかと錯覚するほどに。
そして、楽しいプールの時間が終わる。
公太「たくさん、遊んだな♪」
良太「そうだね♪久々のプールで楽しかったよ」
美紀「私もおいしかった////」
良太「おいしい?」
美紀「なんでもない!!」
良太「うん?」
布団でアルゴと話す。
アルゴ「デデン、デン、デデン♪」
「デデン、デン、デデン♪」
良太「それは・・・・ターミネータだね!!」
アルゴ「アスタラビスタベイビー!!」
良太「どういう意味?」
アルゴ「地獄で会おうと略されてるな。」
良太「地獄!!」
アルゴ「正式にはまた会う日までだ」
良太「ほっ・・・なぜターミネータを?」
アルゴ「生命維持機能の関係だ」
良太「アルゴ・・・・大好きだーーー!!」
アルゴ「それより、今日の感情をよこせ!!」
良太「今日はそうだな・・・・」
「・・・溺れて死にかけた・・・・これは・・・死の恐怖・・・恐怖だ!!」
アルゴ「恐怖か。覚えとく」
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