第19話 嫉妬

終業式を迎える。朝自宅で準備する。

良太「もう、一年生も終わりか」

アルゴ≪なんも成長してないな≫

良太≪したよ。身長だって伸びたよ≫

アルゴ≪中身の話だ≫

良太≪ぐっ!?≫


ドアの前に立ちいつものようにアルゴにお願いする。

良太≪お願い、アルゴ≫

アルゴ≪ほら、成長してない≫

良太≪・・・そうだね≫


外に出る良太。

良太「けど、アルゴとも、もうすぐ一年たつね」

アルゴ「あまり、感情がわかってないぞ」

良太「頑張ってるけど・・・ごめん。今年も頑張る」

アルゴ「お前の感情は、あっちこっち行き過ぎるからな」

良太「いっぱいありすぎなんだよ、感情って」

アルゴ「そうなのか?」

良太「そうだよ」


教室に着く良太。

美紀「おはよう、良太君♪」

良太「おはよう♪あれ・・・公太は?」

美紀「そういうえば、いないわね・・・」

良太(公太が休みなんて・・・考えられないな・・・)

アルゴ≪バカは風邪をひかないからな≫

良太≪そういう意味じゃないーーーーーー!!≫


公太がホームルームぎりぎりで戻ってくる。公太は浮かない表情をしている。

公太「・・・」

良太「おはよう♪公太」

公太「・・・おはよう」

良太・美紀「?」


そして、終業式が行われる。卒業生たちが声をだす。

アルゴ≪こんなものに意味があるのか?≫

良太≪あるよ!!行事だからね≫

アルゴ≪さっさと、次に進めばいい。高校でもなんでも。≫

良太≪終わりっていうのかな・・・区切りというのか≫

アルゴ≪終わったら、なんだというんだ?≫

良太≪気持ちの切り替えが必要なんだよ・・・きっと≫

アルゴ≪めんどくさい,生き物だな≫


国家を斉唱する。

アルゴ≪この歌はなんで歌うんだ?≫

良太≪日本だからかな・・・≫

アルゴ≪国歌というぐらいだからな。国の歌だろうが≫

良太≪千代に八千代にって・・・なんだろうね?≫

アルゴ≪千年も八千年も!!それ以降は、細石が大きな岩になってそれにさらに苔が生えるほどまで、長く長くずっと続きますように≫

良太≪千年!!八千年!!≫

アルゴ≪死んでるだろうな。人間の寿命を超えてるな≫

良太≪う~ん。けど、何かが長く続いていくんだよ、きっと≫

アルゴ≪それもあるな≫

良太≪まぁ、嫌いではないよ≫

アルゴ≪嫌いでないということは、好きでもない≫

良太≪じゃあ、好きってことにしておく≫


卒業式が終わり、ホームルームがおわる。

良太「公太♪帰ろう」

公太「良太・・・・いや・・・今日はさっき帰ってくれ」

良太「えっ?」

美紀「えっ?」


美紀は心配で話しかける。

美紀「良太君大好きな公太が!!どうしたの!!」

公太「なんでもいいだろう」

美紀「だって・・・おかしいわよ!!今日!!公太おかしい!!」

良太「俺もおかしいと思う!!なんか雰囲気がおかしい!!」

公太「・・・ちょっと用があるんだよ」


そういうと公太は教室をでていった。

良太「公太・・・どうしたんだろう?」

美紀「まさか・・・不良の先輩に呼ばれてるとか・・・」

良太「えっ!?」

美紀「あっ、良太君まって!!」


良太は公太を追いかけていく。

良太(公太が・・・公太が・・・)

アルゴ≪急ぎ過ぎじゃないか?≫

良太≪だって、公太が危ないかもしれない!!≫

アルゴ≪決まったわけじゃないだろう。情報が足りない≫

良太≪けど・・・もしもの時はアルゴ、排除をお願いする!!≫

アルゴ≪しょうがない。機能がさびないようにつかっとくか≫


公太を見つける。女子生徒と公太が二人で話をしている。3年生だ。美紀も遅れて駆けつける。

良太(いた!!公太だ!!)

美紀「はぁ、はぁ、良太君・・・早いよ・・」

良太・美紀(あれ?)

公太「・・・」

女子「私、公太君が好きなの!!」

良太・美紀(えーーーーーーーーー!!/////)

公太「ごめん・・・」

女子「他に好きな子がいるの?」

公太「いないけど・・・それどころじゃないんだ」

女子「えっ?」

公太「俺には夢があるんだ。だから、今は誰とも無理なんだ」

女子「夢って?」

公太「消防士になるんだ!!」

女子「・・・」

アルゴ≪あの小娘を排除していいのか?≫

良太≪だめーーーーーーーー!!≫


女子生徒が去っていく。公太が一人残っている。公太が二人に気付く。

公太「お前ら!!」

良太「あ、あ、ごめん」

美紀「悪気はなかったの!!」

公太「ったく」

良太「いや・・・公太が不良の先輩に呼び出されたと思って心配で」

美紀「・・・そう」

公太「のぞき見はよくないぞ!!」

良太・美紀「ごめんなさい」


結局三人で帰ることに。帰り道に三人ではなす。

美紀「公太って・・・以外とモテるのね」

公太「ちょこちょこはある」

良太「えっ!?」

公太「良太もあるだろう?」

美紀(えっ!!)

良太「ないよ!!」

美紀(ほっ・・・)

アルゴ≪オスとして負けてるぞ≫

良太≪公太はかっこいいからいいの≫

アルゴ≪だめなオスだな≫

良太≪・・・≫


布団でアルゴと話す。

アルゴ「ドゥルルルルルルルル」

良太「ドラムロールだね」

アルゴ「バン!!今日の感情は?」

良太「・・・今日か・・・少し公太に・・・嫉妬した・・・ひどいやつだ僕は」

アルゴ「嫉妬か。覚えておく」

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