第16話 願望
2学期も終わりに近づいていた。学校への支度をする。
アルゴ≪また休みにはいるのか。よく休むな、人間は≫
良太≪そうかな・・・もっといっぱい休みたいけど≫
良太≪けど・・・もっと学校にいきたい気もする・・・≫
アルゴ≪矛盾だらけだな≫
教室で、3人で話す。
良太「もうすぐ、クリスマスだね」
美紀「今年はサンタさんに何を貰おうかな♪」
良太「そうか・・・クリスマスプレゼントか」
公太「サンタはいないよ」
良太「えっ?」
公太「だって、俺のところにこないもん」
良太「・・・」(そうか、公太は・・・)
美紀「・・・う~ん。確かにね、公太は馬鹿だけど悪い子じゃないしね」
公太「だろう」
良太(公太が悪い奴なわけがない・・・いいやつだよほんとに・・・)
放課後の帰り道で良太は話す。
良太「あのさ、公太、クリスマスの日はなにやってるんだ?」
公太「家に一人だ。かあちゃん仕事だし」
良太「じゃあ、うちにこいよ!!」
公太「良太の家に?」
良太「そう!!一緒にクリスマス祝おうよ」
公太「クリスマスか・・・あんま好きじゃないけどな」
良太「絶対こい!!公太!!」
公太「お前の頼みじゃ断れないな・・・」
良太は家に帰り、母親と相談する。
良太「おかあさん、頼みがあるんだ」
母親「なに、クリスマスプレゼント?」
良太「そう!!」
「あと、公太がクリスマスに家に来るからお祝いしたいんだ!!」
母親「公太君?家の方は?」
良太「一人なんだって・・・母子家庭でおかあさん働いてるから」
母親「えっ?・・・それはやってあげないとね。公太君のお母さんには私が連絡いれとくから♪」
良太「うん」
良太は部屋に戻り、考える。
良太(どうしたら、公太が楽しめるかな・・・)
アルゴ≪お前、そればっかりだな、今日≫
良太≪だって、友達だから・・・≫
アルゴ≪そういうものか。友情につけくわえとく≫
良太≪そうだね≫
2学期の終了の日がきた。通知表が返される。美紀は公太の通知表に愕然とする。
美紀「公太・・・」
公太「どうした?」
美紀「それが原因かもね・・・サンタも勉強しない子のところにはこないのかも。」
「頭が悪い子・・・悪い子」
公太「なっ!?」
良太「あのさ!!」
公太・美紀「?」
良太が二人に話始める。
良太「みんなで、クリスマスパーティをやろうよ♪」
美紀「えっ?」
公太「俺はいくけど」
良太「僕の家で♪」
美紀「えっ、良太君のおうち///」(やったーー!!)
良太「そう!!」
良太は家でクリスマスパーティの飾りつけをしながら、母親と話す。
母親「ほんとにあれでいいの?プレゼントは?」
良太「うん!!あれがいい!!」
母親「そう・・・」(流行ってるのかしら・・・?)
良太「ふふふ♪」
アルゴ≪人間の考えることはわからんな。キリスト教徒でもないお前がなぜ祝うんだ?≫
良太≪それは、楽しいからだよ♪きっと≫
アルゴ≪楽しければなんでもいいのか?≫
良太≪なんでもじゃないけど・・・楽しい方がいい≫
アルゴ≪ふ~ん≫
公太は支度をする。良太の家に向かうために。
母親「いってらっしゃい、ご迷惑かけないようにね」
公太「おう、行ってくる」
母親「楽しんできなさいね」
公太「うん・・・」
公太は歩きながら、考える。
公太(この日は一人でいることを感じるから嫌いなんだよな・・・)
(周りはみんな楽しそうで・・・取り残された気がする・・・)
(どこも家族でわいわいして・・・俺だけ一人みたいな・・・)
公太は、良太の家につく。良太が外で待ち構えていた。
公太「良太?」
良太「来たな公太!!」
公太「えらいやる気だな・・・」
良太「むしろ、公太がいつもに比べてテンションが低い!!」
公太「そうかもな・・・寒いの、嫌いなんだ」
良太「じゃあ、早く上がれよ♪末永さんも来てるし」
公太は良太の家のリビングに向かっていく、リビングのドアを開けると大きな音がした。
母親・美紀「メリークリスマス♪」
公太「おわっ!?」
そして、後ろからも良太がクラッカーを鳴らす。
良太「メリークリスマス♪」
公太「おわっ!?びっくりするだろう」
良太「ふふふ♪」
良太の母親が公太を連れていく。テーブルにはフライドチキン、ジュースやお菓子が置いてあった。そして、リビングには飾りつけがされていた。
母親「ほら、ここに座って♪公太君」
公太「あ、はい」
良太「どうだ!!クリスマスは?」
公太「・・・こんなのは・・・したことはないな・・・」
良太「なんでもあるぞ♪」
美紀「そうよ!!なんでも♪」
公太は考える。
公太(そうか・・・みんなこうやってたのか)
(親父がいたころは俺も少しは楽しんでたな・・・)
(なんだろうな・・・胸が苦しい・・・)
良太「公太!!チキンが冷めるぞ!!」
美紀「ほら、ジュースも飲みなさい!!」
公太「なんか、今日二人ともおかしくないか?」
良太「クリスマスだからな♪」
美紀「クリスマスだからね♪」
公太「そうか・・・」
アルゴ≪クリスマスになるとおかしくなるのか?≫
良太≪ならないよ・・・公太に元気でいて欲しいんだ≫
アルゴ≪元気だろう?健康だろう?≫
良太≪そういうんじゃなくて・・・笑顔になってほしいんだ≫
アルゴ≪笑顔か・・・≫
公太はおそるおそる、戸惑いながら食べ物や飲み物を口にする。
公太「うまい・・・」
美紀「もっと食べなさいよ♪消防士になるんでしょ!!」
公太「なるよ!!」
美紀「・・・なれるよ・・・公太なら・・・」
良太「俺もそう思う!!公太がならなかったら誰もなれない!!」
公太「・・・くうぞーーー!!」
通知表を渡された日、良太は美紀に相談していた、公太のことを。
良太「あの末永さん!!」
美紀「どうしたの?」(な・・・なんだろう///)
良太「公太のことで相談が・・・」
美紀「公太?」
そして、公太の家の事情をしる。美紀は号泣する。
美紀「ううううう、」
良太「そんな、泣かないで・・・」
美紀「だって・・・あいつ・・・サンタがこないもんって・・・サンタが・・・ううう」
良太「そうだね」(末永さんも優しいひとだな・・・相談してよかった)
美紀が落ち着いたところで良太が話始める。
美紀「あのバカ・・・大変なら大変そうにしなさいよ・・・気付かないじゃないの」
良太「だから・・・手伝ってほしいんだ。公太がクリスマスを好きになれるように」
美紀「わかった。良太君手伝う!!」
良太「ありがとう」
そして、今日にいたる。クリスマスに。ゲームをやる三人。
公太「ここで、どうするんだ?」
良太「公太!!ジャンプだ。二段ジャンプ!!」
美紀「う~ん、アイテムが重要ね」
母親(楽しそうね♪)
ケーキが登場する。公太は感動する。
公太「おぉ、ホールケーキ!!」
良太「どうしたんだよ♪公太」
公太「いや、丸いのは初めて見た・・・」
美紀「・・・」(そんなこと言わないでよ・・・泣きたくなるじゃないの・・・バカ)
良太「いっぱい食べろよ、公太♪」
美紀「食べろーーー!!」
公太「食べるよ♪」
そうして、クリスマスの夜が近づく。
美紀「じゃあ、私は家に帰るね」
公太「俺も帰るか」
良太「お前は泊りだよ!!公太!!」
公太「えっ?」
母親「公太君のおかあさんにもちゃんと連絡して、OKもらってるから♪」
「泊まってきなさい」
公太「・・・」
美紀「泊まりなさいよ!!」
公太「わかったよ・・・良太とお泊りか♪」
美紀(少しうらやましい・・・)
家の外に美紀を送ってく良太。
良太「今日はありがとうね、末永さん」
美紀「公太・・・楽しんでたかな・・・」
良太「わからないけど、頑張ったから。・・・・・今年だめでも来年頑張る!!」
美紀「・・・そうだね」
美紀を送って、家に戻る良太。家で公太がゲームしていた。
公太「おっ、良太、助けてくれ!!こいつが倒せないんだ!!悪い奴が!!」
良太「まかせろ!!」
お風呂に一緒に入り、布団に入る良太と公太は話す。
良太「公太・・・どうだったクリスマスは?」
公太「う~ん・・・悪くないかもな・・・」
良太「そうか」(まだ、好きではないか・・・来年だ!!)
公太「・・・サンキューな良太」
良太「えっ?」
公太「なんでもない////」
良太(こいつが恥ずかしがるなんてめずらしいな)
アルゴ≪ホモか?≫
良太≪だから違うっていってるだろうーーーーーーーー!!≫
朝になる、公太は起きる。
公太「ふぁ~。うん?」
公太の枕元に小さなプレゼントボックスがあった。
公太「なんだ?」
良太「サンタが来たんだよ」
公太「えっ?」
箱についてる紙をみる。
紙「サンタより、いい子の公太君へ♪」
公太「・・・」
良太「あけてみろよ!!」
アルゴ≪回りくどいな、ほんとに≫
公太が中を開けると、どくろの腕時計があった。
公太「これって!!」
良太「かっこいいんだろう?」
公太「かっこいい!」
アルゴ≪なぜ、俺をもう一体作らないんだ?≫
良太≪自爆機能付きはプレゼントにあげられないよ・・・≫
アルゴ≪テロ行為だな≫
公太はうれしそうに腕時計をはめる。
公太「お揃いだな♪」
良太「お揃いだな♪」
アルゴ≪性能は圧倒的に俺が上だがな!!≫
良太≪そうだね♪≫
その夜、布団でアルゴと話す。
アルゴ「ジングルベル、感情は、メリーどうなの?」
良太「もう・・・言語を超えてきたね」
アルゴ「季節感を出したんだがな・・・不要か」
良太「う~ん・・・今日は」
「願いかな・・・願望。公太がいつか、クリスマスが好きだって言えるように!!」
アルゴ「願望か。覚えとく」
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