第13話 心配
秋も終わりごろ、合唱コンクールの季節がやってきた。教室で話す三人。
美紀「はぁ~」
良太「どうしたの?末永さん?」
美紀「合唱コンクール・・・嫌いなの」
良太「えっ?」(そういえば、あまり歌がうまくなかったような・・・)
公太「歌えばいいだけだぜ!!楽勝だろう♪」
良太「公太の歌って・・・どうなんだろう?」
公太「魂がこもってるとよく言われる」
良太「魂?」
美紀「あんたぐらい、単細胞なら楽なのにね」
公太「なっ!?」
そして、音楽授業で練習が始まる。
教師「はい、課題曲はこれです」
生徒「は~い」
最初のうちは整わない合唱。
良太(大声出すの恥ずかしいな・・・・うん?誰かでかいな!?・・・公太!!)
公太「――――――――――!!」
良太(これが魂か・・・)
公太「♪♪♪♪♪♪」
良太(下手ではない・・・なんか気分がよくなる歌い方だな♪魂だ!!これは♪)
アルゴ≪何を訳のわからんことを≫
良太≪合唱中はやめてくれ!!無理だよ、歌いながら会話するのは!!≫
アルゴ≪キャパシティが無さすぎる・・・≫
美紀「・・・・」
そして、放課後全体練習が行われる。
女子生徒「じゃあ、みんなで合唱の練習しましょう」
男子生徒「お決まりのパターンだな・・・何故か一部の女子がやるき出し始める」
女子生徒「なんかいった?」
男子生徒「なにもいってません・・・」
良太(気合いが入ってるな)
アルゴ≪練習して、なんになるんだ?歌手になるのか?≫
良太≪いや・・・ならないけど・・・やっとけ的な・・・≫
アルゴ≪非生産的だな。人間というのは≫
良太≪何も言い返せません≫
そして、練習が始まる。
女子生徒「公太君、すこしボリュームを下げて」
公太「えっ?」
女子生徒「他の人の声が、かき消されてわからないから。本番はいいけど」
公太「う~ん。納得」
良太(う~ん。意外と公太の歌を聞くのが好きな俺は納得できないな・・・)
美紀「・・・・」
女子生徒は気付く。
女子生徒「末永さん!!ちゃんと歌ってる?」
美紀「歌ってます・・・」
女子生徒「あまり、声が聞こえないんだけど」
デブ田「そうだ、そうだ!!」
デブ川「いつもうるさいくせに、なぜ静かなんだ!!」
良太「いいだろう!!そんなの!!」
デブ田「お前!!」
公太「あん!?」
デブ田「すいません・・・」
良太(ナイスだ、公太♪もう少しで排除機能を使うところだった)
アルゴ≪いつでもいけるぞ♪≫
そうして、練習が終わる。三人は話す。
公太「あぁ~、思いっきり歌いたい」
良太「魂がこもらないとな」
美紀「・・・・」
良太「末永さん?」
美紀「嫌だな・・・」
公太「どうした?悪いものでも食べたか?」
美紀「違うわよ。デリカシーがないわね」
良太「少し、一緒に練習する末永さん?」
美紀「・・・良太君・・・」
そうして音楽室で練習することに。
良太「じゃあ、携帯で伴奏ながすからみんなで歌おう」
公太「これは思いっきりいっていいやつだな!!」
良太「頼む!!いってくれ公太!!」(お前の魂を待ってる!!)
公太「まかせろ!!」
美紀「・・・」
良太「末永さんも思いっきりいけばいいよ。公太みたいに♪」
美紀「やってみる・・・」
そして、地獄の合唱が始まる。
美紀「@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@」
公太「―――――――――――――!!」(だめだ、かき消される!!)
良太「うううううう」(心が引き裂かれそうな歌声だーーーー!!)
アルゴ(なかなかやるな・・・既存の曲をここまで無視して、オリジナルに昇華するとは!!)
良太(ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)
アルゴ≪楽しそうだな≫
良太≪それは、間違えてる!!この前、教えたろーーーー!!≫
アルゴ≪うん?≫
地獄の合唱第一幕がおわる。
良太「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
公太「はぁ、はぁ、やるな・・・末永・・・俺の魂をかき消すとわ」
美紀「・・・どうだった?」
良太「もう少し練習していこう・・・」
美紀「だよね・・・・」
地獄の合唱第二幕が始まる。
良太(ぎゃあーーーーーーーーーーーー!!)
アルゴ(楽しそうだけどな・・・)
そして、悲劇の地獄の合唱練習何幕も日々続いてく。良太は考える。
良太(体がもたない・・・コンクール前に廃人になってしまう)
公太(くそ、レベルがあっちのほうが高いのか!!末永、恐るべし!!)
良太(なにかいい手はないか?歌がうまくなる、いい手は・・・)
アルゴ≪それなら、簡単だろう≫
良太≪アルゴ先生!!≫
アルゴ≪リズムとテンポと音階だ。これだけで、音楽はなりたっている。≫
良太≪なるほど。で末永さんは、どれを直せば?≫
アルゴ≪うん?あれはオリジナルだろう、あいつの?≫
良太≪・・・違う・・・同じ曲だ≫
アルゴ≪なんだとーーーーーーーーーーー!!≫
良太(機械でも驚くのか・・・・そういえば教えてたな、驚きを)
そして、アルゴから指示が出る。
アルゴ≪じゃあ、すべてを直せ。≫
良太≪そうですよね・・・≫
アルゴ≪まぁ、最低限リズムとテンポでごまかすというものあるな≫
良太≪先生!!ありがとうございます!!≫
良太は美紀に伝える。
良太「まずはリズムとテンポだけやってみよう。」
美紀「リズムとテンポ?」
良太「そう・・・」(あれ・・・なにすればいいんだ?)
アルゴ≪携帯でメトロノームのアプリをダウンロードしろ。それであとは楽譜に書いてあるテンポに合わせる。≫
良太≪はい先生!!≫
アルゴ≪つぎは、音符の長さを意識しろ。何分音符かだ≫
良太≪えっ?≫
アルゴ≪あたりまえだ!!一拍の間に何があるかわからなきゃできないだろう≫
良太≪・・・≫
良太は提案する。
良太「とりあえず、鼻歌で合してみる?」
美紀「えっ?鼻歌」
公太「鼻歌?」
良太「そう!!それで、テンポとリズムを合わせよう!!」
アルゴ≪俺の指示を無視するのか!!≫
良太≪時間がかかりすぎてしまうよ!!数えるだけでコンクールがきちゃう!!≫
アルゴ≪処理速度が遅すぎるな・・・≫
そして、布団の中でアルゴと話す。
アルゴ「う~ん。今日の感情はどうした」
良太「・・・・疲れた・・・」
アルゴ「それは感情でないような気がする。ちゃんと言え!!」
良太「心配だ・・・そうだ・・・これは心配だ・・・」
アルゴ「心配か。覚えておく」
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