第12話 楽しい

良太は今日も扉の前で立ち尽くす。

良太(なんで、だめなんだ・・・これ)

アルゴ≪お前は進歩しないな!!≫

良太≪おかしいよ・・・もういじめの件は解決したと思ってるのに≫

アルゴ≪欠陥品だな、お前は。≫

良太≪ポンコツ・・・≫

アルゴ≪なにか、言ったか?≫

良太≪じ、自分のことだよ!!≫


そして、アルゴに扉を開けてもらう。

良太「はぁ~、雨か今日は」

アルゴ「雨だな。」

良太「いいよな防水で。俺も防水にならないかな?」

アルゴ「バカだな、お前は。服が濡れるだけだ」

良太「・・・正解です」


学校に着く良太。学校では席替えが行われる。

良太(誰と一緒だろう・・・)


席替えのくじを引く。一番後ろの窓際だ。

良太(大当たりだ!!)

アルゴ≪あん?≫

良太≪だって、なんか見つかりにくいし、色々してもばれなさそうだし≫

アルゴ≪黒板の文字が見えにくいだろう。解像度の処理に手間がかかる≫

良太≪僕らはオートフォーカスだからね≫

アルゴ≪無駄な高機能だな≫

良太≪ふふん♪≫


席替えをすると隣に美紀がいた。そして、公太が前にいた。

良太(やったーーーーーーー!!大当たりだ!!1等賞だ!!前後賞もついてきてる!!)

アルゴ≪くだらんな≫

良太≪大切なんだよ≫

公太「お、良太と近くだ!!やったぜ!!席を移動する手間が省ける」

美紀「公太も一緒か・・・」

公太「おい、末永!!問題発言だぞ」

美紀「うそで~す♪」

良太「ふふふ♪」

アルゴ≪人間のそういうところが理解に苦しむな。感情の問題だな≫

良太≪そうだと思いますアルゴさん≫

アルゴ≪勉強しにきてるのにな。学校というところは学び舎だろ≫

良太≪違うよ・・・勉強だけじゃないんだ・・・友達に会いにきてるんだ≫

アルゴ≪友達か・・・俺にはないものだな≫

良太≪・・・≫


三人で同じ班になった。理科の実験をやる。アルコールランプに火をつけようとする

公太「火をつけるか」

美紀「ちょっと待ちなさい!!」

公太「えっ?」

美紀「バカは火を使っちゃいけないの!!世界の常識よ!!」

良太「・・・」

公太「なんだと!!」

良太「まぁまぁ。僕がやるよ、公太」

公太「・・・納得がいかないな・・・」

良太「公太は、消防士になるんだから♪火を使っちゃだめだろう」

公太「そうだな。消す方をやるべきだな」

良太「そうそう」

アルゴ≪お前も馬鹿だから火を使っちゃいけないぞ。世界の常識だ≫

良太≪なんだと!!≫

アルゴ≪お前は消防士にもならないから、火に近づかない方がいい≫

良太≪くぅ!!≫

美紀「どうしたの、良太君?」

良太「心の葛藤があるんだ・・・バカだから・・・・」

アルゴ(正解だ)

美紀「?」


そして、液体を蒸発させ気体をあつめる。

美紀「これが水上置換法ね♪」

公太「コポコポいってるな」

良太「気体がでてきるからね」

アルゴ≪めずらしくわかってるじゃないか?≫

良太≪僕も進歩している。なめるなよ≫

アルゴ≪俺に舌はない。なめれるわけがない≫

良太≪機械の返しがうまいな≫


そんなこんなで楽しく学校生活を送る。そして、放課後を迎える。

美紀「また、明日ね良太君♪あと、公太」

公太「おう」

良太「また、明日♪」


良太は帰り道、公太と話す。

公太「いや~、楽しいな学校」

良太「ほんと楽しいよ」

公太「うんうん。よかったな」

良太「えっ?」

公太「お前が楽しいと俺も楽しい♪いいことだよ」

良太「ほんとだな♪」

良太・公太「アハハ」


布団でアルゴと話す。

アルゴ「一応聞いてやる。今日の感情は?」

良太「楽しいだ!!」

アルゴ「そうだな。」

良太「ふふん♪」

アルゴ「楽しいか。覚えとく」

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